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医院開業に適した方法はいったいどのようなものでしょうか。所得税は、超過累進課税制度のため、所得(儲けに近い概念)の増加に伴い税率も上がります。そのため、同じ1億円の所得でも、たとえば会社の所得8,000万(法人所得)と役員としての給料2,000万(給与所得)に分ければ、すべて個人事業主としての所得とするよりも、支払う税金が少なくなります。このように、個人事業主と会社の社長とでは、同じだけの所得であっても支払う税金に差が生じるため、多くの医師・歯科医師が選択するのが、それまで行っていた事業の
医療法人化(いわゆる法人成り)です。
医療法人化することによるメリット・デメリットは以下のとおりです。
法人化のメリット
- 役員報酬の損金算入、給与所得の給与所得控除
医療法人化した場合、医師・歯科医師は医療法人からの給与所得者になります。給与(役員報酬)は損金算入できる上、給与所得者は給与の金額から給与所得控除の金額を控除した後の金額に課税されますので税金が抑制できます。
- 事業承継が容易に
個人事業主の場合、事業主が亡くなるとすぐに相続問題となるため、遺産分割が完了するまでの期間は、個人名義の預金凍結等により業務に支障が生じる可能性があります。一方、
医療法人化した場合には資産が法人名義となるため、このような影響が間接的になるほか、事業への関与が出資持分という形に置き換わることにより、事業譲渡が容易になります。
- 退職金
個人事業主の場合、事業専従者も含め退職金の支給は必要経費として認められていません。 法人の場合には、役員及び従業員に対しては適正な退職金額であれば損金算入が可能です。個人から法人成りをし、長年従事していた従業員を引き続き法人が雇用した場合には、個人の事業を行っていたときに従事していた期間を計算の基礎に含めて退職金の損金算入額を計算することもできます。
法人化のデメリット
- 設立手続き費用
医療法人設立をするためには設立登記をしなければならず、そのための定款作成、公証人による認証・登記申請、その他手続、専門家への報酬等の費用がかかります。個別の状況により金額は異なりますが、50万円から100万円の設立手数料が必要と考えたほうがよいでしょう。
- 維持費用
医療法人は定期的に各種関係機関に届出を行う必要があります。各種の届出は自分で行うことも可能ですが、作成に専門知識が必要とされる書類もあるため、専門家に依頼する必要があります。また、個人事業主は社会保険(健康保険、厚生年金保険)に加入できませんが、医療法人となることにより、従業員の社会保険への加入が義務付けられ人件費が増大します。
- 交際費の制限
個人事業主の場合、交際費は、事業の遂行上必要と認められるものは全額必要経費になりますが、医療法人の場合、資本金の額に応じて限度があります。
医療法人の設立手続き
法人の設立には税務署を始め関係各機関に各種届出書を提出する必要があります。自分で届出書の作成や提出を行うことも可能ですが、各種届出等のために業務を休まざるを得ないこともあり現実的ではないでしょう。
その他の留意点
医療法人の設立にはメリットもありますが、場合によってはデメリットとなるケースも存在します。したがって、設立の前段階において、想定される事業規模などからメリットとデメリットを比較検討し、税負担のシミュレーションや法人設立費用の見積もりなどをする必要があるでしょう。また、法人設立手続きや、個人事業主から医療法人への移行時期の判断等の専門的知識を必要とする問題も数多くありますので、医療法人設立を検討する際にはまず税理士に相談されてみてはいかがでしょうか。
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