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 決算書を預かってくれるかどうかが第一関門
銀行に新規融資を申込みに行くと、窓口に出てきた融資担当者から「まず決算書を3期分見せてください」と言われます。これはどのような企業の場合でも必ず言われる言葉です。ところが、次のステップとして、その担当者が決算書を預かる場合と預からない場合があります。預かる場合は、申込みの融資に対して稟議してくれる時。預からない場合は「決算書を預かって吟味するまでもなく、貴社と融資取引はできません」と言われたことを意味する時です。
何故稟議の前段階でそのようにするのでしょうか?
決算書を預かると相手企業は多少なりとも融資してもらえることを期待します。ところが、稟議の結果、融資を断ることになると相手の期待を裏切ることになり、怒り出すケースが稀にあるからなのです。特に切羽詰った経営者は「なんで、貸してくれないんだ!」「問題点を言ってくれ!」などと、もの凄い勢いで銀行員に言い寄ってきます。このようなことを避けるために、受付の段階である程度決算書を吟味し、検討の余地があるかどうかを担当者が判断しているのです。
 最初の5分で見られる勘定科目
銀行員は、決算書を見て最初の5分程度で企業イメージを作り上げます。その後の時間は、その印象があっているかどうかを確認する時間であり、その時間内で決算書を預かるかどうかを決めています。ですから、決算書を渡してから最初の5分間の印象次第で稟議の土俵に上がれるかどうかの明暗が分かれると言っても過言ではないのです。
では、5分という短い時間で決算書のどこを見ているのでしょう?
最初に見る勘定科目と順番は、ズバリ以下の通りです。
- 売上 ・・・売上規模。業種を考慮して企業の規模感を判断。
- 税引き後利益 ・・・赤字かどうか?赤字であれば、その原因は何か?
- 借入金 ・・・対売上、対利益比どれぐらい借入金があるか?
- 固定資産 ・・・土地、建物の有無。
- 資本金 ・・・赤字の場合、債務超過になるかどうか?
この5項目を見て問題がある企業は、融資をその場で断られます。もちろん、他の勘定科目を見ることはありますが、断られる決算書には、いくつかのパターンがあり、この5項目だけでも充分判断がつくのです。
 断られる決算書のパターン
初回の面談で決算書を預かってもらえずに融資を断られるケースの主な理由は「売上が足りなくて赤字が続いているにも関わらず解決策が見えない場合」「売上・利益に対する借入金額が大きく、返済に不安がある場合」と言う2点に分かれます。資金繰りに困る企業は、大抵この2点の問題に悩まされ、解決できないでいます。逆に言えば、この2点に当てはまらない企業であれば、決算書を預かってもらい、稟議の土俵に比較的簡単に上がれる訳です。ですから、上記の理由で資金繰りに悩んでいる企業は、日々の活動の目標を「売上アップ」だけでなく「利益率アップ」と「借入圧縮」を心掛けるように努めることをお奨めします。社員一人一人が少し意識するだけで、資金繰りに変化が起こるはずです。
時々、少し儲かったからと言って設備や人材に投資をしていまい、最終的に資金繰りに失敗する経営者がいらっしゃいますが、あまり賢明とは言えません。そのように儲かった場合には、安易に投資せずに内部留保または借入圧縮に努めましょう。そうすることでいざと言う時に融資を受け易い企業体質を作り、良い決算書となるのです。
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