法人税とは?経営者が知っておくべき基礎知識をわかりやすく解説

税理士の無料紹介サービス24時間受付

05075866977

  1. 税理士ドットコム
  2. 税金・お金
  3. 法人税
  4. 法人税のハウツー
  5. 法人税とは?経営者が知っておくべき基礎知識をわかりやすく解説

法人税とは?経営者が知っておくべき基礎知識をわかりやすく解説

監修: 伊香賀 照宏 税理士

会社を営む上で知っておきたいのが「法人税」にまつわる基礎知識です。法人区分ごとに税率が異なっていたり、要件を満たすと軽減税率が適用されたりと、そのしくみは複雑です。

そこでこの記事では法人税のほか、法人住民税、法人事業税をあわせた「法人税等」についてわかりやすく解説します。ニュースで度々耳にする「実効税率」についても解説しています。

目次

法人にかかる税金

個人に課せられる税金として​​所得税と住民税、個人事業主には個人事業税があるように、法人は「法人税」「法人事業税」「法人住民税」が原則課せられます。この3種類の税金を総称して法人税等といい、それぞれ次のような特徴があります。

法人税等の種類と特徴
 納付先概要所得がマイナス(赤字)の場合損金算入の可否
法人税各事業年度の所得に課せられる支払い義務なしできない
法人住民税地方自治体法人税額を基準に算出した「法人税割」と定額である「均等割」がある「均等割」のみ支払い義務ありできない
法人事業税地方自治体各事業年度の所得に課せられる支払い義務なしできる

法人税等以外にも、状況により消費税、印紙税、固定資産税、償却資産税なども課せられることがありますが、本記事では「法人税等」について以下より詳しく解説していきます。

「法人税」は会社にかかる所得税

法人税は、個人でいう所得税に相当する税金で、法人が企業活動によって得た各事業年度の所得に対して課せられます。

法人税の納税義務があるのは法人および人格のない社団等です。ただし、公益法人などであっても、収益事業で得た所得については課税の対象となります。

法人税の税率

累進課税方式である個人の所得税とは違い、法人税の税率は比例税率(固定税率)が採用されています。

税率は法人の形態や課税所得金額などによって異なり、次のように定められています。

法人税の税率表

法人税における法人区分

上表のとおり、法人税の税率は法人の区分によって大きく分かれます。

まず、株式会社や合同会社、有限会社、医療法人、非営利型ではない一般社団法人などは「普通法人」と区分されます(法人税法第二条一項九号)。そのうち「中小法人」に該当する場合は法人税率の軽減措置が受けられます。

「中小法人」とは資本金(出資金)の額が1億円以下、もしくは資本金(出資金)を有していない法人です。ただし次に該当する法人については除外されます。

1. 相互会社及び外国相互会社
2. 大法人(イ~ハに掲げる法人)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
(イ)資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人
(ロ)相互会社及び外国相互会社
(ハ)受託法人
3. 100%グループ内の複数の大法人に発行済株式又は出資の全部を直接又は間接に保有されている法人((ロ)に掲げる法人を除く)
4. 投資法人・特定目的会社・受託法人

その他の法人区分は以下のとおりです。

協同組合等

・農業協同組合
・漁業協同組合
・消費生活協同組合
・信用金庫 など

上記のように、共通する目的のために自主的に集まり、人々が共同で所有し民主的に管理運営する非営利の団体組織を協同組合等といいます。

「特定の協同組合等」とは、その事業年度における物品供給事業のうち、店舗において行われるものに係る収入金額が、1,000億円にその事業年度の月数を乗じて、これを12で割って計算した金額以上であるなど、一定の要件を満たす協同組合等をいいます。

公益法人等

・公益社団法人
・公益財団法人
・非営利型法人に該当する一般社団法人、一般財団法人
・学校法人
・社会福祉法人 など

公益法人等とみなされているもの

・認可地縁団体
・管理組合法人
・団地管理組合法人
・法人である政党等
・防災街区整備事業組合
・特定非営利活動法人
・マンション建替組合
・マンション敷地売却組合

人格のない社団等

団体のうち法人格を有しないもので、PTA、マンションなどの管理組合、研究会などが該当します。

特定医療法人

医療法人内の区分のひとつであり、措置法第六十七条の二第一項に規定する承認を受けた医療法人をいいます。

法人税額の算出方法

企業会計では、法人の利益は「収益 ー 経費」により算出しますが、法人税の計算では、税法上の定めにより「益金 ー 損金」により法人所得を算出します。

  • 益金 : 商品・製品などの販売による売上収入や土地・建物の売却収入
  • 損金 : 売上原価や販売費、災害等による損失など費用や損失

この法人所得(課税所得)に対して前述の法人税率を乗じ、法人税額を求めます。

課税所得金額 × 法人税率 = 法人税額

「法人住民税」は会社にかかる住民税

法人住民税は、個人の住民税に相当する地方税の一種で、行政サービスの財源に使用する目的があります。東京都内に事務所・事業所が所在する場合には「法人都民税」とも呼ばれます。

道府県民税(都民税)と市町村民税があり、事務所が所在する都道府県・市町村に対してそれぞれを納税します。

ただし23区内の法人の場合は特例として、市町村民税に相当する金額を都民税とあわせて所管の都税事務所に納めます。

法人住民税を構成する「均等割」と「法人税割」

法人住民税(法人都民税)は、定額の「均等割」と、法人税額に乗じる「法人税割」とで構成されます。

均等割

「均等割」の定額は事務所の所在地などによって異なり、東京23区では最低7万円となっています。

収益事業を行わない公益法人・特定非営利活動法人等であればこの均等割のみ課税されることになり、さらに東京都の場合、収益事業を行わない公益法人等であれば、均等割も免除されます。

法人税割

「法人税割」の税率は標準税率に加え、資本金や法人税額が一定の基準を超える法人には超過課税が適用される場合があります。

東京都では超過課税を実施しており、資本金(または出資金)の額が1億円以下かつ法人税額が年1,000万円以下の法人には標準税率が、それ以外の法人には超過税率が適用されます。

東京都の場合の標準税率・超過税率は次の表のとおりです。

【東京都】令和元年10月1日以後に開始する事業年度
事務所所在地税率
標準税率
(不均一課税適用法人の税率)
超過税率
23区内の場合7.0%10.4%
市町村の場合1.0%2.0%

均等割の金額と、上記表の税率を法人税額に乗じた金額が「法人住民税」の金額となります。

「法人事業税」は事業そのものにかかる地方税

法人および個人が営む事業に対して課される税金を「事業税」といい、個人の場合は「個人事業税」、法人の場合は「法人事業税」と呼び分けられます。

こちらも地方税の一種で、「事業活動を行うにあたって利用する行政サービスの対価」として自治体の財源にあてられています。

法人、または人格のない社団や財団のうち、収益事業を行い法人とみなされるものであれば納税義務があります。

法人事業税率の適用判定

法人事業税は、資本金額や年間所得などに応じて軽減税率、標準税率、超過税率のいずれかの税率が適用されます。

東京都においては、下図のように判定されます。

法人事業税率の判定

法人事業税額の算出方法

どの税率が適用されるかを判定したら、税率表を参照し、所得に乗算して法人事業税を算出します。

例として、ここでは東京都における第1号(※)の普通法人の税率をみてみましょう(※地方税法で定められる事業区分)。

法人事業税の税率一例

法人事業税率については、以下の東京都主税局のページのように各自治体のホームページにて確認できます。

実質的な税額は「法定実効税率」で計算

決算申告の際に使用する税率を「表面税率」といい、ここまでで解説した法人税、法人住民税、法人事業税を用いて次のように算出します。

法人税率 × (1 + 地方法人税率 + 住民税率) + 事業税率 = 表面税率

このうち、「法人事業税」は所得ではなく事業にかかる税金として「法人税・法人住民税」とは性質が異なるとされるため、損金算入が認められています

そこで、利益額に対して実質負担する税額を算出するのが「法定実効税率(法人実効税率)」となり、次のように算出します。

{法人税率 ×(1+地方法人税率+住民税率)+事業税率}/(1+事業税率)=法定実効税率

法人事業税を損金算入することにより、法人税等の課税所得金額は低減されます。そのため、事業税の損金算入分が反映された法定実効税率で最終的な納税額を算出することになります。

おわりに

日本の法人税率は、他の先進国に比べてるとかなり高い数値であると言われており、租税回避のために、タックスヘイブンへの日本企業の流出が加速しているそうです。

日本政府はこのような事態を受け、平成27年4月1日以後に開始する事業年度から、法人税率の段階的な引き下げを行っています。

税率や税法は数年度ごとに改正されるため、常に最新の改正内容を常に把握しておかなければなりません。

経営者や経理担当が税法について正確に網羅するとなると、税理士に匹敵する知識が必要となってきますので、事業に専念したい場合や業務負担が懸念される場合には顧問税理士をつけることも検討しましょう。

法人税に関する他のハウツー記事を見る

もっと見る
他の税務相談を探す
分野

協力税理士募集中!

税理士ドットコムはコンテンツの執筆・編集・監修・寄稿などにご協力いただける方を募集しています。

募集概要を見る

ライター募集中!

税理士ドットコムはライターを募集しています。

募集概要を見る