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決算期変更による節税効果とは?手続きや注意点を解説

あまり知られている話ではありませんが、決算期というものは自由に変更が可能であることをご存知ですか。決算期の変更をすると一定のメリットを得ることができる一方で、デメリットもあるので注意が必要です。

目次

決算期とは

会社にはそれぞれ「事業年度」というものがあります。

簡単にいうと、事業運営における区切りとなる期間であり、事業年度を区切りとして計算書類を作成したり、確定申告を実施したりします。

そして、事業年度末の時期を一般的に「決算期」といい、多くの会社は3月決算や12月決算といって、3月末日や12月末日で事業年度を区切っています。

自由に変更できる

決算期というのは一部の例外を除き、なんらかの法的な定めがあるわけではなく、各社が定款で定めるものです。

よって、一定の手続きをすることで変更も可能です。必ずしも一般的な例に従って、事業年度の区切りを3月末日や12月末日とする必要はありません。

また、この区切りは月末でなくても問題ないのです。ただし、会社計算規則第59条により、一定の例外を除き1事業年度は1年を超えることができないため、この点には注意する必要があります。

また、法人税法第13条においても1事業年度は1年を超えることはできない、と定められていますので、決算期の変更の際には、この点に留意しておく必要があります。

決算期変更によるメリット

決算期変更によるメリットは、一定の節税効果とキャッシュフローの改善が見込めることが挙げられます。

たとえば、3月決算を採用している場合において、期末となる3月に大口の案件が集中し、予定外に大きな利益を見込めることとなった場合は、決算期変更をすることで節税に繋げることができます。

具体的な事例として、次のケースで考えてみましょう。

【各月の利益】
4月〜1月:各月100万円(計1000万円)
2月(見込み):100万円
3月(見込み):1000万円

このような場合、見込みどおりの結果が出れば、税引前利益2100万円となり、法人税等はこの2100万円に対して課税されます。一方、3月に多額の利益が計上されたとしても、すぐに手元資金として充当できるかどうかは別問題。

売掛金の回収までの期間が長かったり、受け取った手形のサイトが長かったりした場合には現金化に時間がかかり、利益は出たものの資金化ができていない状態で税金の支払いをしなければならず、資金繰りが苦しくなります。

そこで、決算期の変更をすることで問題を解消できる可能性があります。このケースでは3月決算としているものを2月決算に変更すると、3月の多額の利益は翌期に繰り延べられることとなります。

つまり4月から2月までの期間で一度決算を締め、確定申告等を行います。そして、3月以降新たな事業年度として、また1年間の事業活動を開始するのです。

事業年度がかわることで、役員報酬の改定を行うことも可能となりますし、たとえば中古資産の購入など、事業運営上必要かつ節税につながるような施策を検討・実行する時間ができます。

さらに、資金繰りの面では、4月から2月までの期間で申告・納税を行う必要があるものの、多額の利益が見込まれる3月分については翌期の納税となるため、売掛金等が現金化されるまでの時間的余裕が生まれます。

このようなケース以外にも、法令の改正により法人税率が下がった場合に、決算期によってはタイムリーに減税メリットを享受できないことがあります。こういった場合は決算期を変更することで、減税メリットを最大限に享受できることになるでしょう。

決算期変更に伴う注意点

決算期変更に伴うメリットを紹介しましたが、デメリットも存在します。

まず挙げられるのが、納税のタイミングが早まるということです。先ほどの例でも少し触れましたが、決算期を変更すると、早めに区切りが訪れることとなります。

計算書類の作成や確定申告・納税は事業年度という区切りごとに実施するため、区切りが早まれば、それだけ実施のタイミングも早くなるもの。納税だけではなく、決算に伴う費用の支払いも同様に早まることとなります。具体的には決算や確定申告に関する税理士報酬などが考えられるでしょう。

また、決算実務を前倒しで実施する必要があることや、決算作業において特別な対応が必要となることもデメリットとしてあげられます。例えば減価償却費などの計算においては、決算期の変更に伴い、償却期間の調整が必要となります。

通常であれば会計ソフトが12ヶ月で計算しているところを、決算期の変更に伴い、一時的に短い期間で償却計算するように設定しなおす必要があるのです。会計ソフトの仕様によっては、決算期の変更は大きな手間を伴う可能性も考えられるでしょう。

このほか、事業年度が短くなることで、事業年度ごとの財務データの比較が困難になります。財務データは、過去と現在を比較・分析することで経営判断の指標として使用することもあるため、決算期の変更により事業年度が短くなっている場合には、比較分析の際に注意が必要となります。

決算期変更の手続きについて

前述のとおり、事業年度というのは会社の定款にて定めているものなので、決算期を変更する際には、定款を変更する必要があります

定款とは会社の根幹となる基本的な規則を定めたもので、変更の際には、所定の手続きを踏む必要があります。

定款は、「株主総会の決議によって変更することができる」と会社法によって規定されています。そして、この際には普通決議ではなく、いわゆる「特別決議」が必要となります。

特別決議は普通決議にくらべて、定足数という各決議の実施に必要な議決権の数や、決定事項を可決するための賛成数に違いがあり、普通決議より重要な事項を定める際の決議のことです(会社法第309条第2項・466条)。

株主総会の特別決議によって決算期の変更が可決されると、まずは株主総会議事録を作成・保管し同時に、定款の記載を変更します。

その後、税務署・都道府県税事務所・市町村役場の3ヶ所へ異動届出書を提出します。提出の際には変更を決議した「株主総会議事録」のコピーも添付。なお、事業年度は登記事項ではないため、法務局への届け出等は不要です。

これらの公的な場所以外に、許認可事業などを営んでいる場合には、別途所轄の役所等に届出が必要となる場合があります。その他、銀行などの金融機関や、場合によっては取引先にも連絡を行ってください。

【定款の記載例】3月決算から2月決算に変更する場合

  • 変更前
    第○条 当会社の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月末日までの年1期とする。
  • 変更後
    第○条 当会社の事業年度は,毎年3月1日から翌年2月末日までの年1期とする。

おわりに

決算期変更をする際には、目先の節税だけではなく事業運営のおける必要性を考慮し、合理的な判断のもとに検討・実施していきましょう。そして、検討の際には、早めに税理士などの専門家に相談することをお勧めいたします。

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