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  1. 役員報酬で節税できる?役員報酬金額を決めるときに知っておくべき5つのポイント

役員報酬で節税できる?役員報酬金額を決めるときに知っておくべき5つのポイント

はじめに

節税や資金繰りの一環で、役員報酬の変更を考える方もいますが、有効な手段や取れるタイミングには大きな制約があります。国は税金をきっちり取れる制度を整えており、役員報酬の見直しで節税を行う余地は少ないのが現状です。ここでは適切な役員報酬の決め方や支払方法の種類、税金の仕組みについて紹介します。

目次

役員報酬は簡単には変更できない

会社が役員に支払う役員報酬は、本来は税制上経費と認められていません。しかしながら、一定の条件を満たすことで、非課税にすることができます。

役員報酬の金額変更は、1年に1度しかできないことが一般的です。このため、年度の初めにいかに利益を予測するかが重要となります。

役員報酬が非課税になる条件

役員報酬が非課税となるのは、以下の3つの支払い方法に該当する場合となります。

  • 定期同額給与
  • 事前確定届出給与
  • 利益連動給与

このうち「事前確定届出給与」「利益連動給与」は条件が厳しく、導入するのは簡単ではないでしょう。このため、1か月、あるいは数か月に分けて一定金額ずつ支払う「定額同時給付」の採用を検討することが一般的です。

定期同額給与の仕組み

役員報酬が定期同額給与とみなされるのは、以下の条件を満たす場合となります。

  • 支給時期が1か月以下で一定の期間になっていること
  • その事業年度の間、毎回同額が支払われること

1年間同額の月給が支払われることで、定期同額給与となります。

正当な理由なく金額を変更すると、変更前後を比較して低い方の給与までしか経費として認められなくなります。月30万から50万に引き上げても、月50万から30万に引き下げても、月30万円までしか経費に算入できません。

役員報酬として認められる金額が小さくなれば、本来の利益以上に大きな金額を基準に税金が計算されます。法人税として徴収される金額が増えるだけでなく、受け取る役員の住民税が増えることもあります。

役員報酬の変更が認められる条件

基本的には一度決めた金額を毎月支払い続ける必要がありますが、場合によっては金額の変更も認められます。

期初から3か月以内の改定

会計期間の開始から3か月までは、変更が認められます。例えば3月に決算、4月に期初を迎える会社では、改定が必要なら6月までに済ませ、7月以降は一定金額を支払います。実際に、6月の株主総会や取締役会で改定するケースがみられます。これ以降は、下記の理由以外で金額を変更すると、税制上不利になってしまいます。

経営状況の大きな悪化

経営状況の悪化に伴う役員報酬の減額が認められています。とはいえ、単に資金繰りが苦しくなった、売上が目標数値に達しなかったというだけでは難しいでしょう。営業利益の大幅な減少、もしくは赤字化に伴い、支出の削減が早急に求められるなどといった場合に、減額が認められます。

不慮の事態で役員が休業したとき

役員に不測の事態が発生し、在任しながらもその地位や職務を全うできない状況が発生した場合には、一時的に役員報酬の金額を変更できます。例えば、重度のケガや病気で一定期間現場を離れる役員に対して、適用できることがあります。

綿密な利益予測が節税につながる

年度途中での報酬金額の変更には厳しい条件が定められているため、あらかじめ見込まれる利益に合わせて、適切な役員報酬を支給するのが、税制上もっとも有利になります。

もちろん経営方針に合わせて、ただ単に節税を図るのではなく、給与と内部留保いずれかの割合を重視して配分することもできます。そうした試みを現実にするためにも、利益予測が重要になります。

役員報酬を考えるときに知っておくべき税金や保険料

実際に企業の利益から徴収される項目には、以下のものがあります。

役員報酬にかかる所得税

役員報酬は適切に支払えば経費として認められ、企業に税負担は発生しません。代わって、支給した金額のうち一定の割合で、役員が個人で国に所得税を納めることになります。

役員個人にかかる所得税は、以下のように計算されます。

(総所得金額)×(総所得額に応じた倍率)-(控除額)=(所得税額)

課税される所得金額税率控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超~330万円以下 10% 97,500円
330万円超~695万円以下 20% 427,500円
695万円超~900万円以下 23% 636,000円
900万円超~1800万円以下 33% 1,536,000円
1800万円超~4000万円以下 40% 2,796,000円
4000万円超 45% 4,796,000円

参考:国税庁HP|所得税の税率

企業の利益にかかる税金

国に納める法人税を中心に、住民税や事業税などといったものが課されます。これらが利益から合計何パーセント分引かれるか表したものを「実効税率」と呼びます。

利益の金額、会社の規模、所在地など、非常に多くの条件が影響するため、会社にかかる税金を厳密に計算するのは難しいものとなっています。例えば資本金が1億以下で、利益が5000万円の会社だと、実効税率は30%程度になります。

とはいえ、利益に応じて段階的に税率が変化するので、切り替わる部分を押さえておくと、内部留保とのバランスもとりやすくなります。特に以下の金額がポイントとなり、この前後で調整するのもひとつの手段です。

利益の金額超えた際の内容
400万円 事業税の税率が上がる
800万円 1.(資本金1億円以下の場合)法人税の優遇対象外に
なって税率が上がる
2.事業税の税率が上がる
2500万円 (資本金1億円以下の場合)事業税が超過税率に
なって税率が上がる

各種社会保険料

企業には、「健康保険」「厚生年金」などといった社会保険への加入が義務付けられています。保険料は役員や従業員それぞれの所得に応じて決定され、保険料率は所得の約17.5%となります。これを毎月、企業と個人で折半して支払います。以下に保険料額の一覧表がございますので、ご参照下さい。

退職金は課税の対象ですが、社会保険料はここからは引かれません。役員報酬から退職金に充てる部分をあらかじめ積み立てておくと、長期的な手取り金額は増えます。ただし、厚生年金の支払を減らすことで、受給できる年金の額が減ってしまうことがあります。制度を改正する前に、役員の理解を得ておく必要があります。

おわりに

役員報酬による節税は「変えなくて済む」金額を上手に設定すると、大きな効果を示します。税金を考慮しつつ、得られた利益をバランスよく配分するのは、困難な問題となります。周辺の税制度と合わせ、不明な点を税理士に確認するのも有効な選択肢の一つです。

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