配偶者控除の見直しでどう変わる?新設予定の夫婦控除とは?「年収の壁」のまとめ - 節税や実務に役立つ専門家が監修するハウツー - 税理士ドットコム

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配偶者控除の見直しでどう変わる?新設予定の夫婦控除とは?「年収の壁」のまとめ

2017年の税制改正で配偶者控除の見直しが検討されているのはご存知でしょうか?今年8月に、自民党税制調査会会長が、その方針を明らかにしました。もし、配偶者控除が廃止された場合、どのような影響があるのか、新設予定の「夫婦控除」についても併せてご説明していきます。

目次

配偶者控除の見直しの検討

2017年1月から配偶者控除が廃止されることが検討されています。

主な目的の1つめは、専業主婦(・主夫)世帯と共働き世帯の間で税制に不公平ができていることを改善するため。2つめは共働き世帯が増えてきていて、パートやアルバイトで「年収103万円・130万円の壁」を気にせず働ける環境を整備することで、女性の社会進出をより後押しするためなどといわれています。

配偶者控除とは

配偶者控除とは、所得税法の所得控除のことで、一定の所得以下の配偶者がいる場合に、世帯主の所得から一定額を控除することによって、税負担の調整を行う制度です。

内容を簡単に解説すると、配偶者の年収が103万円までなら、世帯主の課税所得から38万円を差し引くことができるという制度です。詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。

配偶者控除廃止の影響

もし配偶者控除が廃止になった場合、どのような影響を受けるのでしょうか?

配偶者控除額は所得税38万円、住民税33万円です。実際の増税額は、これらの控除額に税率をかけたものになります。

所得税の税率は所得に応じて変わります。税率は5%から45%、住民税は一律、税率10%です。配偶者控除がなくなると、増税される所得税は1万9000円(38万円×5%)から17万1000円(38万円×45%)となります。

そして、住民税は一律10%なので、3万3000円(33万円×10%)の増税となります。配偶者控除が廃止されると、あわせて5万2000円から20万4000円もの増税になるといえます。

配偶者控除は不公平?

配偶者控除という制度によって、その適用を受けることができれば納める所得税が減ることになりますが、女性の社会進出が進んだことで、専業主婦世帯にとって恩恵が大きいことに対する不公平感が生じました。

また、配偶者の収入が103万円以下であれば「給与所得控除」と「基礎控除38万円」が適用されますが、例えば、妻には課税が生じない上に夫は配偶者控除が受けられ、夫と妻がダブルで控除を受けられることになる「二重控除」ではないかという問題が指摘されています。

更に、配偶者控除の財源は約6,000億円といわれていて、創設されたのは1961年と半世紀以上も前のことですから、共働き世帯が増えている現代の社会にはそぐわない制度という考えもあります。

これらのことが、今回の配偶者控除の見直しが検討されることに繋がっていると考えられます。

年収103万円と130万円の壁って?

2つめの理由として挙げた「年収103万円・130万円の壁」についてご説明をしていきます。

それは、配偶者控除の条件が年収103万円以下であることと、年収103万円以下は取得税が非課税となることが関係しています。年収103万円を超えないように、勤務時間や勤務形態などの就労調整をするので、このことから「年収103万円の壁」といわれるようになりました。

また、年収130万円を超えると、扶養からはずれ、社会健康保険・厚生年金(社会保険)に加入することになるため、社会保険料の支払いが発生します。これが「130万円の壁」です。

新たな106万円の壁

2016年10月から新たに「106万円の壁」が増えることになります。これは、パート・アルバイトの厚生年金の加入条件が変わり、以下のようになった影響です。

  1. 週20時間以上の労働
  2. 年収106万円以上
  3. 勤務期間1年以上
  4. 501人以上の従業員のいる企業

上記の要件を満たす人は、社会保険への加入が必須になりますので、保険料が給与から天引きされることになります。手取りが減るように感じますが、保険料の半分は会社が負担してくれることになりますし、老後の年金が増えることになりますから、この改正は決して悪いことではないともいえるでしょう。

他にもある?年収の壁

「103・106・130万円の壁」だけではなく、100万円の壁と141万円の壁もあります。住民税と配偶者特別控除に関わるものですが、妻が夫の扶養親族であるという例で、以下にまとめましたので御覧ください。

【年収の壁 一覧表】
妻の年収妻の税金・社会保障夫の税金
所得税住民税社会保険料配偶者控除配偶者特別控除
100万円以下かからないかからない

かからない

※自己負担なし

対象対象外

100万円超

103万円以下

かかる

103万円超

130万円以下

かかる対象外対象

130万円超

141万円以下

かかる

※自己負担

141万円超対象外

表にはありませんが、新たに106万円の壁もできましたので要件に当てはまる方は、これも忘れないようにしましょう。

住民税の100万円の壁というのは、給与所得控除が65万円と基礎控除額が33万円となっていて、単純にこれを足すと98万円になりますが、課税基準として所得が35万円を超えた場合にかかるとされているので、実際には年収100万円が住民税の非課税になるラインとなっています。ただし、住民税の均等割の課税については各自治体によって違いますのでご注意ください。

新設予定の夫婦控除について

配偶者控除が廃止されることになったら「夫婦控除」が新設されるといわれています。

具体的な内容は明らかにされていませんが、扶養配偶者である人の年収に関係なく、「夫婦の所得から一定額を控除する」となるようです。この夫婦控除が新設されれば配偶者の働き方で税金が左右されることがなくなるので、働き方の自由度が増すでしょう。

しかし、働きに出たくても出られない人や、待機児童などの問題もあるので、夫婦控除が新設されても女性の社会進出の後押しになるとは一概に言えないでしょう。ただし、すでに働きに出ている人については、正社員やキャリアアップのチャンスに繋がるかもしれません。

おわりに

もし配偶者控除が廃止されて、夫婦控除など新たな制度が新設されなければ、単純な増税になりますので家計は圧迫されてしまいます。

また、控除の額や対象者によっては、高所得者のほうが税金面で有利になり、低所得者は増税になるという可能性もあるため、今後の動向を注意して見ておくとよいでしょう。

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