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  1. 事業承継にかかる相続税・贈与税の免除が受けられる「事業承継税制」とは?

事業承継

事業承継にかかる相続税・贈与税の免除が受けられる「事業承継税制」とは?

はじめに

平成25年度と平成29年度の税制改正で、租税特別措置法等の一部が改正され、非上場株式等についての相続税・贈与税の特例(事業承継税制)の適用要件の緩和が行われました。

事業承継を考えている経営者は、自社株を後継者に譲ったときにかかる税金を理解しておくことは大切です。この特例制度を利用すると相続税や贈与税が免除されたり、納税猶予が受けられることになります。今回はこの制度の概要と適用要件などをご説明いたします。

目次

事業承継税制とは

通常、事業を承継する際には、相続税や贈与税などの税金の負担が発生しますが、事業承継税制が適用されると、その会社の株式等の取得にかかる相続税・贈与税の免除及び納税猶予が受けられるようになります。

この制度の名称は「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」と「非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例」といい、この2つを併せて事業承継税制と呼びます。

事業承継税制ができた背景

中小企業は、日本の全企業数の99.7%を占め、中小企業の事業承継は日本経済において、とても重要視されています。

しかし、事業承継をする際に、贈与や相続にかかる大きな税負担があることなどが原因で、承継が円滑にいかないという中小企業の問題を受け、平成20年5月に中小企業・小規模事業者の事業承継を円滑にすることを目的とした、「経営承継円滑化法」という法律が制定されました。

この制定に伴い租税特別措置法も改正され、平成21年4月1日に事業承継関連税制が創設されました。

事業承継税制の主な改正内容

近年では親族内承継だけでなく、M&Aや従業員承継が増加するなど、事業承継の形態が多様化していることなどを踏まえ、平成25年度平成29年度の税制改正の際に、適用要件の見直しや手続きの簡素化が行われ、制度が利用しやすくなりました。

平成25年度の改正より前の制度を「旧事業承継税制」、改正後の制度を「新事業承継税制」といいます。

事業承継税制の概要

税金の納税猶予や免除が受けられる事業承継税制ですが、相続税と贈与税で特例の内容が異なりますので、それぞれの詳細を説明いたします。

「非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例」

後継者である相続人(経営承継相続人)が、都道府県知事の認定を受ける非上場会社を経営していた被相続人から、相続によってその会社の株式を取得し、経営をしていく場合には、本来納付すべき相続税のうち、発行済議決権株式総数の3分の2(※既に保有していた議決権株式数含む)までの課税価格の80%に対応する相続税の納税猶予が認められます。

また、後継者が死亡した場合などにはその全部又は一部が免除されます。なお、免除されるときまでに特例適用がされた非上場株式等を譲渡するなど、一定の場合には、納税猶予税額の全部又は一部を利子税と併せて納付する必要があります。

「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」

後継者である受贈者(経営承継受贈者)が、都道府県知事の認定を受ける非上場会社を経営していた先代経営者から、贈与によってその会社の株式を全部または一部を取得し、経営をしていく場合には、本来納付すべき贈与税のうち、発行済議決権株式総数の3分の2(※既に保有していた議決権株式数含む)までの全額の納税猶予が認められます。

また、先代経営者の死亡等により、納税猶予がされた贈与税の納付が免除されます。なお、免除されるときまでに特例適用がされた非上場株式等を譲渡するなど、一定の場合には、納税猶予税額の全部又は一部を利子税と併せて納付する必要があります。

事業承継税制の適用要件

これらの特例の適用を受けるためには、「都道府県知事の認定」と「事業継続報告」の2点が必要になります。

都道府県知事の認定

事業承継税制の適用を受けるには、経営承継円滑化法に基づき、会社と後継者・先代経営者それぞれについて「都道府県知事の認定」を受ける必要があります。

認定申請期限

  • 相続税...原則として、相続開始後8か月以内に申請を行う
  • 贈与税...原則として、贈与の日の属する年の翌年の1月15日までに申請を行う

納税申告期限

  • 相続税...相続開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に被相続人の住所地の所轄の税務署に相続税の申告をします
  • 贈与税...贈与を受けた年の翌年の2月1日~3月15日までに、受贈者の住所地の所轄の税務署に贈与税の申告をします

認定を受けるための要件は次のとおりです。

相続税の納税猶予要件

対象 主な要件
会社 ・非上場会社である
・中小企業基本法の中小企業である
・資産管理・運用会社や風俗営業会社に該当しない
・常時雇用している従業員が1人以上いる
・直前の事業年度の総収入金額が零ではない など
後継者
(相続人)
・相続開始日の翌日から5ヶ月を経過する日において会社の代表権を有している
・相続開始のときにおいて、後継者および後継者と特別の関係がある者で、総議決権数の50%超の議決権数を保有し、且つ、これらの者の中で最も多くの議決権を保有している
先代経営者
(被相続人)
・会社の代表権を有していた
・相続開始の直前において、被相続人及び被相続人と特別の関係がある者で総議決権数の50%超の議決権数を保有し、且つ、後継者を除いたこれらの者の中で最も多く議決権数を保有していた
担保の提供 ・納税額に見合う担保を税務署に提供する必要があります
(特例を受ける対象株式等のすべてを担保として提供しても良い)

贈与税の納税猶予要件

対象 主な要件
会社 ・非上場会社である
・中小企業基本法の中小企業である
・資産管理・運用会社や風俗営業会社に該当しない
・常時雇用している従業員が1人以上いる
・直前の事業年度の総収入金額が零ではない など
後継者
(相続人)
・会社の代表権を有している
・20歳以上である
・役員等の就任から3年以上経過している
・後継者および後継者と特別の関係がある者で総議決権数の50%超の議決権数を保有し、且つ、これらのものの中で最も多くの議決権数を保有している
先代経営者
(被相続人)
・会社の代表権を有していた
・贈与時に会社の代表権を有していない
・贈与の直前において、贈与者及び贈与者と特別の関係がある者で決済数の50%超の議決権数を保有し、且つ、後継者を除いたこれらの者の中で最も多く議決権数を保有していた
担保の提供 ・納税額に見合う担保を税務署に提供する必要があります
(特例を受ける対象株式等のすべてを担保として提供しても良い)

また、具体的な要件や手続については、承継する事業の本社を管轄する各都道府県の担当課に問い合わせてみましょう。

これまでは地方経済産業局が窓口となっており、認定も経済産業大臣の認定が必要となっていましたが平成29年4月1日より変更となっています。

事業継続報告

納税猶予の適用後、引き続き納税猶予の状態を継続するには、贈与税・相続税申告書の提出期限の翌日から5年間、以下の「事業継続要件」のすべてを満たす必要があります。

この中の一つでも満たさなくなると、猶予適用期間が終了し、猶予税額の全額と利子税を合わせて納付することとなります。

  • 5年間後継者が代表者を継続すること
  • 雇用の8割以上を5年間平均で維持すること
  • 対象株式を継続して保有すること
  • 非上場会社であること、資産保有・運用会社や風俗営業会社でないこと
  • 現経営者が代表者を退任(有休役員として残留可)※贈与税のみ

そして、引き続き納税猶予の適用を受けたい旨などを記載した「継続届出書」を納税地の所轄税務署長に、都道府県知事へは「年次報告書」として毎年1回提出し、確認を受ける必要があります。この提出がない場合は、原則として認定が取り消しになりますのでご注意ください。

また、5年経過後は、次のように要件が緩和され、都道府県知事への報告義務はなくなり、3年ごとに税務署に「継続届出書」を提出することになります。

  • 特例の対象となる株式を継続して保有すること
  • 非上場会社であること、資産保有・運用会社や風俗営業会社でないこと

事業承継税制はあくまで納税猶予なので、最終的には納税することになります。ただし、一定の要件を満たすと、納税が免除されることになります。

死亡等で納税が免除される

相続の場合は後継者が亡くなった場合、贈与の場合は先代経営者が亡くなった場合に、「免除届出書」「免除申請書」を提出することで、一定部分の贈与税が免除されます。

免除が適用される要件は他にもありますので、国税庁のHPで確認してみてください。

おわりに

事業承継税制は平成25年と平成29年に、適用要件や申請先や問い合わせ先が変更になっているので、間違えないようにご注意ください。この記事が、事業承継を控えている経営者の方のお役に立てれば幸いです。

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