どうしても相続税が納付できない時に使える「相続税の物納制度」とは? - 節税や実務に役立つ専門家が監修するハウツー - 税理士ドットコム

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  1. どうしても相続税が納付できない時に使える「相続税の物納制度」とは?

どうしても相続税が納付できない時に使える「相続税の物納制度」とは?

はじめに

相続税に対しての意識が高まり、生前から対策をしている方も増えてきました。しかし、急に相続が発生してしまった場合や、相続財産に関しての意見をまとめることができず、何も対策を取れない場合もあるでしょう。

原則として相続税の納付は金銭一括となります。しかし、金銭の用意ができなかった場合にはどうしたらよいのでしょうか。今回は最終手段として使える、相続税の物納制度に関してまとめました。もしもの場合に備えて知っておきましょう。

目次

相続税の物納制度とは

相続税の申告及び納付期限は、相続の開始があったことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月以内です。金銭にて一括で納付することが原則となります。

相続財産が金銭であれば、すぐに納付することもできるでしょう。生前対策として、納付のことを考え、金銭や生命保険などで相続財産を残す人も増えています。しかし、相続財産のうち不動産の割合は47%(2014年度)と高く、相続財産が不動産のみの場合も多いでしょう。

もし相続財産が不動産のみの場合、金銭をすぐに用意することができない人もいるでしょう。期限までに一括で納付することができない場合、延納という制度を利用することができます。しかし、延納によっても金銭で納付することが困難な場合に、相続した財産を金銭の代わりとして納付することができる物納という制度を利用することが可能となります。

延納に関しては次の記事を参照して下さい。

物納することができる相続財産

物納制度は延納によっても納付することが困難な場合に限り、困難とする金額を上限として利用することができます。

納付することのできる相続財産は、次のように限られています。

  • 日本国内にある相続財産であること
  • 国によって管理や処分のできる財産であること

つまり、次のような財産は物納することができません。

  • 担保権の設定されている土地
  • 譲渡制限株式
  • 権利の帰属に関して争いの有る不動産や株式等

また、相続財産のなかでも以下のように優先順位が決められています。特定登録美術品は順位に関わらず物納することができます。

  1. 不動産 船舶 国債 地方債 
  2. 社債 株式 証券投資信託または貸付信託の受益証券
  3. 動産

例えば、不動産と株式を相続財産として取得した場合、まず不動産を物納し、それでも足りなければ株式を物納することになります。不動産を複数取得した場合には、相続人が納付する不動産を決定することができます。

物納に充てる相続財産は、納税額相当のものとなります。土地の場合、分割して納付することもあります。しかし、税務署長が許可した場合にはそのままで納付することもできます。納税額を超え、超過物納となった場合の差額は、金銭で還付されます(還付分には所得税がかかります)。

物納のメリット・デメリット

物納制度を利用するに当たってのメリット・デメリットを確認しておきましょう。

メリット:譲渡所得税が非課税となります。

相続財産を売却した場合の譲渡所得には、所得税がかかります。

デメリット:物納財産を納付するまでの期間に応じ、利子税の納付が必要となります。

物納制度の申告期限から所有権を移転する日までの間で、審査中を除く期間に利子税がかかります。
つまり、書類に不備や不足があり、訂正をしている期間などに利子税がかかります。

不動産を売却した場合と比較しよう

メリット・デメリットを踏まえたうえで、不動産を相続した場合について考えてみましょう。

不動産を物納する場合には、市場価格での評価額ではありません。相続税の評価額つまり、路線価か固定資産税評価額にて換算されることになります。

土地の評価方法に関しては、次の記事を参照して下さい。

もちろんかなり高い金額で買い手がつき、即時売却できるならば越したことはありません。しかし適当な買い手がみつからない、遠方に住んでいる為、管理をするのも困難な場合などもあるでしょう。

不動産を売却した場合と物納した場合のメリット・デメリットをまとめると以下の通りとなります。

売却した場合
メリット ・相続税評価額よりも高い金額で売却できるかもしれない
・相続発生の翌日から3年10ヶ月以内に譲渡した場合には取得費加算の特例が使える
・自宅もしくは被相続人のみが居住していた家屋を売却した場合には、最大3000万円の譲渡所得の特別控除が使える
デメリット ・思っている以上に安く売却することになるかもしれない
・譲渡所得税がかかる
・売却まで延納する場合、利子税がかかる
物納した場合
メリット ・路線価より市場価格が低い土地は有利
・譲渡所得がかからない
・納税額を上回れば還付される
デメリット ・測量および境界確定費用がかかる
・瑕疵(欠陥)責任が5年間と長期に渡る
・物納を却下された場合、延滞期間に対する利子税が生じる

物納の手続きの流れ

物納制度を利用する場合の手続きを、流れに沿ってみていきましょう。

  1. 申請可能な金額を算定する
  2. 物納申請財産を選ぶ
  3. 「物納手続関係書類」を作成する(地積測量や契約関係の確認等)
  4. 提出書類一式を被相続人の死亡の時における住所を管轄する税務署に提出する

    物納申請期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。
    期限までに提出ができない場合には、「物納申請書」に「物納手続関係書類提出期限延長届出書」を添付して提出します(延長した期間には利子税がかかります)。

    申請期限に間に合わず「物納手続関係書類提出期限延長届出書」も提出していない場合は、物納申請は却下されます。

  5. 不動産の場合には、税務署と財務局にて現地調査が実施される
  6. 審査が行われ、許可または却下の判断がされる(通常3ヶ月、最長9ヶ月まで延長される場合もある)
  7. 物納が許可されると「相続税物納許可通知書」が送付されてくる

物納申請後の審査期間中に、自ら物納申請を取り下げることも可能です。その場合には延滞税が掛かることになります。

おわりに

物納制度は相続税納付の最終手段です。相続発生前に相続税をどのようにして納付するのか、家族間で話し合い対策をたてておきましょう。売却するか物納するか判断に迷う場合には、税理士などの専門家に相談するとよいでしょう。

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