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「遺贈・死因贈与・相続」の違いとは? 死因贈与は不動産相続で不利になる?

監修: 手塚 誠 税理士

一般的な相続は、民法に定められている法定相続人が法定相続分に則り財産を相続します。他には、遺言による「遺贈」と生前に相続の契約をする「死因贈与」という方法があり、一見同じようですが、これらの意味は本質的に異なります。

また、相続・遺贈・死因贈与のどの方法で相続するかによって、財産にかかる相続税額が変わるため、どの方法で相続するかを予め決めておくと良いでしょう。

そこで、「相続・遺贈・死因贈与」の違いと、それぞれの相続税額の計算方法を解説いたします。

目次

法定相続分による「相続」

誰が相続人になるのか、どうやって財産を分けるのかについては、民法で定められています。被相続人の配偶者は常に相続人になり、それ以外の人は、被相続人との関係性により順序が決められています。

遺言書による「遺贈」

遺贈とは、遺言によって被相続人の財産を法定相続人だけでなく、法定相続人以外の個人もしくは法人に無償譲与する方法です。遺贈する人を「遺贈者」、相続する人を「受遺者」といいます。

例えば、NPO法人に遺贈というかたちで寄付(遺贈寄付)をしたり、生前にお世話になった人に財産を残すことも可能です。

ただし、受遺者が相続を拒否(相続放棄)する権利がある点には注意が必要です。また、法定相続人には「遺留分」という最低限相続できる財産が保証されているため、すべての財産を特定の人や会社に遺贈することはできない、ということも覚えておきましょう。

包括遺贈と特定遺贈

包括遺贈

包括遺贈とは、相続財産のうち相続させる割合を指定して遺贈することをいいます。例えば、「相続財産の60%を法人Aに遺贈する」といったように、指定することができます。

なお、指定された法人もしくは個人は、法定相続人と同一の権利義務を負うことになります。そのため、遺贈者に借金などがあれば、それも遺贈される割合に従って相続することになります。

特定遺贈

特定遺贈とは、遺言書に特定の資産を特定の相続することをいいます。例えば、「土地を個人Aに遺贈する」といったように、指定することができます。土地や株式など財産が明確になっているため、遺言が執行されやすいのが特徴です。

また、特定の資産を明示しているため、相続人が借金を引き継ぐリスクもありません。一方で、遺言書の作成から長期間経過してしまうと、そこに記載されていた財産が処分されてしまうリスクもあります。

財産が処分されたり変更があった際は、遺言が無効になってしまいますので、変更があった時点で遺言書を書き換えるようにしましょう。

生前に契約する「死因贈与」

自分が死亡した際に、ある資産を特定の相続人に譲りたい場合は、遺贈だけでなく、死因贈与という方法もあります。贈与と名がついていますが、贈与税ではなく相続税の対象となります。

死因贈与とは、被相続人が生前に財産を渡す相手を契約によって決めることをいいます。特定の財産が指定した人に渡るという点では、遺贈に近いものがありますが、この二つには大きな違いがあります。

遺贈は、遺贈者の意思によって財産を渡しますが、死因贈与は、生前に両者の意思によって財産を渡す契約が成立します。

死因贈与のメリット

死因贈与は以下のメリットがあり、被相続人に有利な相続方法といえます。

財産を確実に贈与することができる

遺贈の場合は、それを放棄される可能性がありますが、死因贈与の場合は相続の内容を両者の意思によって取り交わすので、トラブルのリスクも軽減できます。

被相続人にとって、「確実に相続できる」というのは大きなメリットといえます。

負担付贈与が可能に

死因贈与では負担付贈与ができます。

負担付贈与とは、「条件付きで財産を相続すること」をいいます。例えば、生活の面倒を見てもらう代わりに、面倒を見てくれた人に財産を譲るといった内容です。無償ではなく、条件付きで相続をしたい場合は、死因贈与を検討すると良いでしょう。

財産の価値をあらかじめ知ることができる

相続人は、どのような財産を引き受けるかが分かり、その価額などを事前に把握することができます。こうすることで、相続税の節税対策がしやすくなります。

死因贈与のデメリット

被相続人にとってはメリットが大きい死因贈与ですが、相続人にとっては不利になることもあります。税金に関わるところなので、十分注意しましょう。

不動産取得税が課税される

不動産が死因贈与されたときは、対象となる土地や建物に対して、不動産取得税が課されます。税率は固定資産税評価額の4%で、各都道府県で不動産を取得した場合に課される金額と同様です。

 遺贈死因贈与
不動産取得税法定相続人:非課税
特定遺贈の場合:4.0%
(土地と住宅は平成33年3月31日まで3%)
一律4.0%

遺贈では、法定相続人がそのまま相続すれば不動産取得税が課されませんが、死因贈与では、一律4%の不動産取得税がかかることを忘れないようにしましょう。

登記手続きの費用が割高に

また、不動産を取得した際の登記手続きで登録免許税がかかります。

 遺贈死因贈与
登録免許税法定相続人:0.4%
法定相続人以外:2.0%
一律2.0%

遺贈では、法定相続人は固定資産評価額の0.4%で、法定相続人以外は2%です。死因贈与では相続人にかかわらず2%がかかります。不動産の課税で5倍変わるのは金額的に非常に大きいといえるでしょう。

原則として相続放棄ができない

遺贈の場合は、遺贈者の意向で成立するため、受遺者は相続放棄することが可能です。しかし、死因贈与が成立している場合は、相続放棄することができないので注意が必要です。

先述のとおり、不動産の場合は税金が課されたり、登記費用が割高になるというデメリットがありますので、この点も踏まえて遺贈か死因贈与かを決めると良いでしょう。

書面がない場合はトラブルのもとになる

死因贈与の場合、当事者同士の意思を合致させるために書類の作成が必須ではありません。

そのため、口約束で進められることもありますが、いざ遺産を分割しようとしたときに死因贈与の証明ができないと、トラブルになりやすいです。口頭での契約が有効とはいえ、証明できる状態にしておくのが望ましいでしょう。

相続税額の違いと計算方法

相続税は、相続財産から基礎控除額の「3000万円+法定相続人×600万円」を引いて残った額に課税されます。

先述のとおり、死因贈与では相続税に加えて不動産取得税と登録免許税の負担が増えます。さらに、法定相続人以外が相続をすると、「相続税の2割加算」が発生します。これは、通常の手順に則って算出された相続税額の2割に相当する金額が加算されるという内容です。相続する財産によってはかなりの金額になるため、この点にも注意しましょう。

おわりに

遺贈や死因遺贈によって不動産などの高額資産を引き継ぐ場合は、税金面などで注意が必要です。相続させたくない相続人がいる、お世話になった親族以外の人に相続させたいなど、相続でお困りのことがあれば、お近くの税理士へ相談してみることをおすすめいたします。

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