税理士事務所インタビュー | 「聞かれなくても気づいて提案」中小企業に対して痒いところに手が届くサービスを心がける
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税理士インタビュー

「聞かれなくても気づいて提案」中小企業に対して痒いところに手が届くサービスを心がける

東京・新宿区の新宿5丁目に事務所を構える池田税務会計事務所。「経営革新等支援機関」であり、中小企業の経営サポートや税務調査に強みがある事務所です。所長である池田俊文税理士から、事務所の強みやこれまでのお客様とのエピソードについてお話を伺いました。

池田 俊文 税理士

池田税務会計事務所

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経営者の痒いところに手が届くサービス

ー 池田税務会計事務所の特徴について教えてください

池田俊文 税理士

職員がたくさんいる事務所ではありませんが、誠心誠意、心を込めて「痒い所に手が届く」を信念として、丁寧なサービスをご提供しています。

ほかには、税務調査にも強い事務所です。顧問先の中には10年経っても、いまだに1回も税務調査に入られたことがない会社もあります。独立開業してから25年くらいになりますが、もし税務調査があったとしても申告是認になることが多いですね。

ー 税務調査に強いのはなぜでしょうか?

池田俊文 税理士

決算書にも「顔」があるんですね。決算書の顔が悪いと、税務調査がやってきます。だからきれいな決算書をつくります。税務調査は、だいたい3、4年に一度というのが平均でしょうけれど、うちの顧問先は去年は1件もありませんでした。一昨年は3件あったんですが、3件とも全部申告是認でしたね。

あとは、実際に税務調査に入られたときも、お客様の立場から徹底的に戦っているのも秘訣かもしれませんね。あるお客様の会社で、売上の計上漏れがあって、その売上計上洩れ1か月分ぐらいと結構大きい数字だったんです。それで、税務署からは売上の計上漏れには重加算税をかけると言われました。それで私は、税務署の担当者に「たまたま計上を忘れただけで、隠蔽したわけじゃない。もし故意にやったのなら、この期間だけではなくて、他の期間もやっているはずだ。そこだけなんだから、そこに重加算税をかけるのはおかしいでしょう? それなのに重加算税をかけるんだったら僕は印鑑押さないよ」と交渉して、不問に付されたことがありましたね。

また、そのお客様は赤字経営だったので、親から多額の生活支援を受けていたんですね。これを税務署が「贈与になる」と指摘したのですが、ここでも贈与税の条文を持ち出して、調査官に納得していただき、贈与税を課されずに済ませることができました。

ー 法人顧問サービスについて教えてください

池田俊文 税理士

法人のお客様に対しては、いつでも相談に応じていますし、経営に役立つ情報をまとめた「あおぞら通信」というものを毎月お送りしています。もちろん、決算3か月前の利益確認と節税対策、資金繰り改善、経営計画・決算診断のサポートなど、何でも対応しています。

また、これから会社を設立されるお客様にもサービスを提供しています。会社設立登記は提携している司法書士の方がいますので、そこと連携しつつ、税務・会計関連の対応では、会社設立後の法人設立届出書など税務署、都税事務所に提出、役員報酬の決め方、役員報酬・給料にかかる税金の説明、接待交際費の範囲の説明、銀行借り入れのサポート創業融資支援などなど私どもの事務所で行っています。

ー 今後、力を入れていきたいサービスはありますか?

池田俊文 税理士

今から力を入れて行こうと思っているのは、融資と相続関係です。

融資については資金繰り改善をはじめ金融機関から支援の手を待っている中小企業の支援です。中小企業の多くは金融排除されてしまっているのが現実であり、上手な借り方を知らない会社は、資金繰りが厳しく最悪倒産してしまうという結果が待っています。

財務内容が多少悪くても、事業性評価をキチンと行い企業支援に向き合えば経営改善する中小企業がたくさん存在していることを私は知っています。正しい運転資金の理解と適切な融資申込方法を知り、事前準備策・交渉の具体策・意識すべき点をサポ-トいたします。

なお、既存の中小企業だけでなく創業されたばかりの創業融資にも力を入れていきます。

相続関係では、「戸籍謄本や住民票」、「土地・建物の登記事項証明書」などの資料収集に関する「相続の手続き」から「相続税の申告」まで、相続人様の手を煩わせることなく「相続の手続き」、「相続税の申告」を一括して池田税務会計事務所がお引き受けするサ-ビスを展開します。

ー 相続に関しては書籍を出版されています

池田俊文 税理士

最近の著書には『50歳からの相続・贈与の本』(駒草出版)があります。「自分の家では相続税の申告は関係ない」と思っている場合でも、我々税理士から見たら申告が必要な場合があります。そうした方々に知ってもらいたいということで書きました。それで私の事務所のお客さんになってくれればいいなと(笑)。

最近も職員のご友人でそういう勘違いをされた方がいらっしゃいました。例えば、土地を持っている方です。土地を持っていてもうちは狭いから相続税がかからないよねと勝手に思っていたそうです。そう思っていたら税務署から「貴方は相続税の申告が必要です」というお知らせの紙が届き、びっくりされて私の事務所で対応したというのもありました。

やっぱり都心だと自分が思っている以上に土地の価格は高いですからね。それこそ、「このぐらいなら大丈夫かな」と思いがちですが、以前と違ってちょっとしたことで税金がかかってしまいます。

日頃から意識している「聞かれなくても気づいて提案する」ということ

ー 先生のところへ来た税理士を替えたお客様の「税理士への不満」について教えてください

池田俊文 税理士

よく耳にするのが、税務調査が入った時に税務署の味方をして、全然対応してくれなかったということですね。税務署と一緒になって責めまくられ「なんでうちの味方をしないんだ!うちの顧問税理士でしょ!」という気持ちに社長さんはなってしまったというお話しです。

他にも、ある法人のお客様が弊事務所にいらっしゃったのですが、決算書の数字がいろいろとおかしかったんですね。普通、翌期になれば消えていくはずの前期末売掛金残高が全然消えていかないんですよ。おかしいなと思って、自分が引き継ぐ前からの売掛金関連の帳簿を全部突き合わせしたんですね。調べてみると、前の事務所さんが、期末の決算書の数字に帳尻りを合わせるために売掛金の金額と架空の売掛先と金額を作成していじっていたのが分かったんですよ。

このような信じられない決算書を作ってしまう税理士事務所も実はあるんですよね。「こんなことをしている税理士って本当にいるんだ」と驚くこともあります。社長さんは、こんなことされても分からないんですよね。こんな決算書を作成されたら前期との比較とか、今後の会社戦略を立てる上でも何を根拠にしたらいいのか分からなくなります。

ー 良い税理士の見分け方はありますか

池田俊文 税理士

コミュニケーションが上手くとれるかどうかというのは大事ですね。「相談に乗ってくれない」とか「話を聞いてくれない」というのはよく聞きますが「うちはそういうとこはやないから」とか、「うちは税務・会計だけしかやらないから」と税理士から言われたら、困ってしまいますよね。

うちは電子申告にも対応していますし、新しいITツールも駆使しているのですが、いまだに手書きで対応している税理士もいるみたいですね。会計ソフトを使っていても、電子申告にまだ対応できてない税理士は、結構いると聞きますからね。

ー 先生の事務所のお客様は自計化されているお客様も多いのでしょうか

池田俊文 税理士

うちは6:4ぐらいの割合で自計化のお客様が多いですね。もちろん記帳代行もやりますけれど、記帳代行の場合、やはりどうしてもタイムラグができてしまうため、試算表が出るのが翌月か翌々月、下手したら3か月後になってしまいます。適切な事業経営や経営状態、資金繰り把握のためには、やはりタイムリーに試算表が見れるべきだと思います。

「今どういう経営状況なのか」というのは自計化して毎日入力していれば分かりますし、その場で「うちは現金が幾ら有り資金繰りがどういう状況か」というのが分かるようになります。もちろん簡単な数値の読み方はこちらでお教えしますし、勘定科目が分からない場合には聞いていただいたり、間違っている場合にはうちの事務所で全部直します。

そのようにすることで、お客様は逐次自社の経営状況が分かり、税理士がその数字を見てアドバイスをする、といった形になりますので、税理士が持っている知識やノウハウを正しく活用することになります。

ー お客様はどういう方が多いですか?

池田俊文 税理士

地元の新宿が多いです。業種は本当にばらばらです。よく「うちの業界を知っている税理士先生に頼みたい」という方がいらっしゃいますが、「お客さんの業種を一番よく知っているのはお客さんでしょ」と思いますね。

逆に私は、いろいろな業種を知っているので、いろいろな広い見方が出来るし、その業界にはない新鮮なアイデアを思いつくことができるわけです。その業種に特化している税理士より、他のいろいろな業種のことを知っている税理士の方がいいのではないかと考えています。

資金繰りを考える上で業種は関係ないですし、法人税法もその業種に特化した法人税法は無いわけですから、自社にシッカリと対応してくれる税理士を選ぶことが大事と思っています。

ー お客様と接する上で心掛けていることはありますか

池田俊文 税理士

「聞かれなくても気づいて提案する」ということを日頃から意識しています。社長さんは、僕たち税理士に対して「何を聞いていいかが分からない」と思っています。「何を聞いていいかが分からない」人と話している時、税理士も「何を話していいか分かんない」となってしまいますよね。

でも、お客様といろいろお話ししていると、「この社長さんって、こういうことが知りたいのかな」というのが徐々に分かってきます。「社長、こうだよね!」と、これが「気づいて提案」ということなんです。

もちろんそのためには、社長とのコミュニケーションを日頃から密にしていないと、どういうことを「聞きたいのか」「知りたいのか」が分かりません。仕事の話ならいくらでもできますので、コミュニケーションは多く取るようには意識しています。

税務会計の「赤ひげ先生」になりたい

ー 税理士を目指した経緯について教えてください

池田俊文 税理士

学生の頃、公認会計士になりたかったんですよ。というのも、経営や事業に憧れがあったんですね。でも私の頭じゃ無理だなと思い、あきらめてホテルに就職したんです。ホテルで、フロント会計、黒服を着て「いらっしゃいませ!」とやっていたのですが、そんなに好きじゃなかった(笑)。そこで、やっぱり経営の世界で仕事したいと思って、会計事務所に入ったんです。

最初の事務所の顧問先で経営コンサルタントの方と知り合いになったことがありました。その人から「こうやって、売上の増やし方を教えているんだよ」と教えてもらって、「それはいい仕事だな」と思い、所長に伝えたら「お前、俺たちはそんなことしなくたっていいんだ。俺たちの領分じゃないんだ。そういうことをやりたかったら、うちの事務所を辞めてそっちへ行け」と所長に言われたんですね。もうただ帳簿を付けていればいいみたいな先生でした。

でも自分の思っていることを実現したい。だったら税理士資格を取って独立開業しようと、そう思ったのがきっかけということになりますね。

ー 税理士としての信念について教えてください

池田俊文 税理士

僕は、医者で言う「赤ひげ先生」になりたいです。そういう困った人のためにいろいろしていきたい。商売ですので、飯食って行かなきゃいけないから無償という訳にはいきませんが(笑)。

ー 最後に一言お願いします

池田俊文 税理士

うちは、脱税してない限りは、徹底的に顧問先企業を守る税理士事務所です。税務調査でもよっぽどのことがない限りは会社の立場に立って守っていきますし、今後は融資にも力を入れていきたいと思っています。

「安心して任せられる、頼りになる税理士にお願いしたい!」「安かろう悪かろうで後々面倒が起きるのは困る」というお客様は是非一度お話をしてみたいです。

インタビューを終えて

編集後記

インタビューを通じて、終始笑いが絶えなかった池田俊文税理士。業界30年のベテランですが硬い印象は全くなく、ユーモアを欠かさない税理士です。池田俊文税理士であれば、経営者も気軽に相談しやすく、事業の良いサポーターになってくれるでしょう。

池田俊文(税理士) 池田税務会計事務所

従業員数:2名(うち税理士1名) ※平成31年4月現在
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿5-4-1 新宿Qフラットビル906号
[ホームページ] http://www.ikeda-t.com/

<プロフィール>
宮崎県出身。大学卒業後、宮崎市内のシーサイドホテルフェニックスでフロント会計に従事した後、税理士事務所勤務を経て、1996年池田税務会計事務所を独立開業。相続においては、温厚で誠実な対応にクライアントから篤い信頼が寄せられている。相続セミナーをはじめ、各種経営セミナー講師としても活躍中。