資金調達に強い税理士 - 選ぶときのポイントや探し方を解説
(監修:AAG新井綜合会計事務所 新井佑介 税理士)
起業を考えていたり、会社設立から間もない経営者で、資金調達について頭を悩ます方は多いのではないでしょうか。事業を行うにはまとまった資金が必要となるため、資金調達は経営を左右する重要なポイントとなります。
また、資金調達にはさまざまな方法があり、自社に最適な資金調達方法を選択する必要があります。選んだ資金調達方法によって、書類作成や金融機関と面談を行うなど、面倒な手続きも発生します。
このページでは、資金調達の方法や税理士に資金調達を依頼するメリット、資金調達に強い税理士の選び方をご紹介します。
目次
資金調達の方法とは?
資金調達はどこから資金の提供を受けるかで種類が異なり、たとえば次のような方法があります。
融資
資金調達の方法として一般的なのが、金融機関からの融資です。方法は「日本政策金融公庫の融資」「信用保証協会の保証付き融資」「民間の金融機関からの融資(プロパー融資)」などがあります。
補助金・助成金
国や自治体から給付される補助金・助成金を活用する方法もあります。融資とは異なり、いずれも原則返済が不要です。また、基本的に収入として扱われるため、税金が課せられることに注意しましょう。
クラウドファンディング
クラウドファンディングのサイトを活用し、資金調達の目的となるプロジェクトごとに資金を集めるという手段もあります。ただし、集めた資金は場合によっては課税対象となること、目標金額に達しないと不成立となる点には注意が必要です。
ベンチャーキャピタル
ベンチャーキャピタルとは、上場を目的としたベンチャー企業に投資をするファンドのことです。出資のため返済をする必要はありませんが、出資者は株式を保有することになり、会社の意思決定に一定の影響を与える可能性もあります。
資金調達を税理士に依頼するメリットは?
先述のとおり、資金調達にはさまざまな方法がありますが、資金調達に強い税理士に依頼することで、どの資金調達の方法が最適なのかアドバイスを受けることができます。
また、税理士が付き合いのある金融機関や資金調達先を紹介してくれるので、自身で探す手間も省けます。
資金調達の手段にもよりますが、申込書などの書類に加えて、決算書や事業計画書などが必要となることがあります。税理士に依頼すれば、資金調達をする上で必要な書類作成のサポートを受けることができます。
特に融資の際は、税理士が決算書や事業計画書の作成やアドバイスを行うことで、融資先の信頼度も高まり、資金調達が受けやすくなるメリットもあります。
なお、費用については以下の記事で解説しています。
資金調達に強い税理士を選ぶための3つのポイント
ひと言で税理士といっても、それぞれ専門(得意)分野があります。そのため資金調達を依頼するには、資金調達を得意とする税理士を選ぶ必要があるのです。
資金調達に強い税理士の特徴として、以下の3つのポイントをおさえておきましょう。
資金調達の実績や経験が豊富
資金調達を積極的に扱っており、資金調達に携わった経験や、資金調達に成功した実績が豊富にある税理士を選ぶことが重要です。当然ですが、経験や実績が豊富なほど、資金調達に関する知識やノウハウも豊富です。
税理士と面談するときには、金融機関からの融資や、助成金・補助金の受給のサポートについて、どのくらい受給申請が通過し、資金調達ができたのかを具体的に確認するとよいでしょう。
また、資金調達の経験が豊富な税理士であれば、事業計画などから今後利用できる可能性がある助成金やその他の資金調達についてのアドバイスも見込めます。将来に渡って資金繰りの強い味方になってくれるでしょう。
資金調達先での勤務経験がある
資金調達に強い税理士の中には、銀行などの金融機関での勤務経験がある税理士もいます。資金調達を引き受ける側の審査基準を知っているため、資金調達をサポートするうえで、他の税理士にはない強みといえます。
もちろん、資金調達の経験が豊富な税理士であれば、資金調達に関する知識やノウハウを持っていますので、必ずしも必要ではありませんが、判断材料のひとつといえます。
「経営革新等支援機関」として認定されている税理士
中小企業に対して専門性の高い支援を行うことを目的に、中小企業庁が「経営革新等支援機関」として認定している税理士もいます。
経営革新等支援機関とは、経済産業省よって専門知識、実務経験が一定レベル以上あると認定された税理士や公認会計士、金融機関などのことです。認定されるには、資金調達に関わる知識や経験が必要となります。
また、融資制度や補助金・助成金の申請には、認定支援機関による計画書の確認などを要件としているものもあります。そのため、経営革新等支援機関に認定されている税理士に依頼すると、資金調達がスムーズになります。
また、経営革新等支援機関に支援を受け、信用保証協会を利用して融資を受ける際に、保証料が0.2%減額されるというメリットもあります。
資金調達で税理士が行う主なサポート内容
必要書類の作成や添削などのアドバイス
資金調達する際の審査には、申込書など所定されたフォーマットの書類に加えて、資金調達の方法によっては、決算書や法人の確定申告書、事業計画書などが必要となります。
決算書は企業の財務状況を表すため、書類内容は資金調達を受けられるかを大きく左右します。資金調達に強い税理士であれば、資金調達に有利な決算書の条件を熟知しているので、アドバイスを受けられたり、決算書の作成を依頼することができます。
融資の際には確定申告書の提出も必要になりますが、決算書と確定申告書に税理士の記名・押印があれば信用度が高まります。
「事業計画書」は、事業を実現するための具体的行動を示す計画書のことです。経営者自身が作成することもできますが、融資に有利な内容になるよう、税理士からアドバイスを受けることができます。
金融機関などとの交渉のサポート
資金調達を得意とする税理士は、通常業務の中で、日本政策金融公庫や地方銀行などの金融機関と多くのやりとりを行っています。そのため、担当者との面談の同行など、資金調達に必要な交渉のフォローも行ってくれます。
また提出書類をもとに、返済計画についての説明を行うことができます。
資金調達に強い税理士を探す方法は?
このように、税理士に資金調達を依頼することで、資金調達を受けられる可能性が高まるうえ、多種多様なサポートを受けることが可能です。
税理士を探すには、知人の紹介やWeb検索で自分で探したり、税理士紹介サービスを利用する方法などがあります。
税理士ドットコムの税理士検索では、エリア・得意分野・得意業種などから、自分で税理士を探すことができます。実際に「東京都 × 資金調達」「大阪府 × 資金調達」で検索すると、以下のような検索結果となりました。
さらに地域や業種を絞り込んで、自身が求める条件の税理士を見つけることが可能です。
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※ショッパーズアイ調べ 2020年6月調査