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起業前に知っておきたい「補助金」「助成金」一覧と受給条件まとめ

「補助金」と「助成金」の違い

補助金と助成金は、どちらも返済不要の資金調達制度です。似たような制度ですが、このふたつは”受給条件”と”支給される目的”が大きく異なります。

助成金は要件を満たせば、誰でも受給することができます。一方で、補助金は要件を満たした上で審査を受ける必要があり、必ずしも受給できるわけではありません。

また、補助金は経済産業省の「創業支援や設備投資に関するもの」、助成金は厚生労働省の「雇用の安定や職場環境改善のもの」が主な対象です。違いをまとめると以下のようになります。

 補助金助成金
主な対象■創業支援、設備投資関係
└産業の復興、技術開発、商店街活性化、二酸化炭素削減など
■経済産業省が管轄

■雇用関係
└雇用の増加や安定、能力開発
■職場の環境改善
■厚生労働省が管轄

受給難易度■難しい
...ある政策を推進する優秀な提案に対してのみ交付されるため倍率が高い
■易しい
...ある一定の条件を満たせば、必ずもらえる
受給条件■形式要件を満たしているか
■提案内容の審査
■形式要件を満たしているか
費用■数百万円〜数十億円■数十万円〜百万円強
公募期間■年一回で1〜4週間という短い期間■通年など長い期間

受給する際の注意点

補助金や助成金の制度を利用する前に確認しておくべき事項が3つあります。

基本的に「後払い」である

実は補助金も助成金も、受給が決まってからすぐにお金がもらえるわけではありません。

基本的には「後払い」のため、設備投資の完了後など計画実施後に支給されます。そのため、実際に入金されるタイミングについてしっかり把握しておく必要があります。

法人税の課税対象になる

また、補助金や助成金は法人税の課税対象になりますので税金面についても気をつけなくてはいけません。

会計上では、受給する権利が確定したときに「雑収入」として計上します。

消費税の返還が必要になることも

補助金は対価としての収入ではないため、消費税がかからない「不課税取引」となります。

一方で、補助金の対象となった事業に伴う事業経費は、控除対象仕入税額として仕入税額控除することが可能です。その場合、受給した金額から事業経費を差し引くと課税売上はゼロとなり、課税事業者はその消費税に相当する金額の還付を受けることになります。

つまり、補助金を交付したうえに消費税を還付することになり、その分が重複してしまいます。

これを調整するために、控除対象仕入税額のうち補助金に係る部分については、返還を求められることになっています。

経済産業省の補助金

補助金は、主に経済産業省が提供している制度です。そのなかでも、代表的なものをいくつか紹介します。

創業補助金(地域創造的起業補助金)

新たなニーズや雇用を創出して、地域経済などを活性化させる事業者に対して、創業に必要な経費の一部を補助するのが「創業補助金」です。

対象となるには「補助金などに係る予算の執行の適正化に関する法律」の規定が適用されるだけでなく、さまざまな注意事項があります。たとえば、以下のようなものです。

  • 事業実施完了日までに、計画した補助事業を行うために従業員を1名以上雇い入れること
  • 産業競争力強化法にもとづき、認定市区町村や認定連携創業支援者業者による支援を受けること

申請は、都道府県地域事務局もしくは中小企業庁が開設している支援ポータルサイト「ミラサポ」から可能になります。

公募期間は、毎年4月から5月にかけてで、実際の補助率は、補助対象と認められた経費の50%以内になります。外部調達資金がある場合とない場合で補助金額の範囲も異なりますので、注意しましょう。

事業承継補助金

事業承継をきっかけに、経営革新などを実施する中小企業者に対して、その経費の一部を補助するのが「事業承継補助金」です。

対象となるのは、規定の期間に新たな事業転換を行うだけでなく、取引先や雇用創出によって地域に貢献する中小企業であることが条件となっています。

補助上限は経営革新を行う場合は200万円で、補助率は条件により2/3や1/3など適用される補助率が変わります。

申請は、都道府県地域事務局もしくは中小企業庁が開設している支援ポータルサイト「ミラサポ」から可能になります。

なお、事業再編や事業統合は対象外となるので、申請の際は気をつけるようにしましょう。公募は5月もしくは7月に行われます。

小規模事業者持続化補助金

全国各地の小規模事業者を支援するために設けられているのが「小規模事業者持続化補助金」です。

全国各地の小規模事業者を支援するために設けられています。対象となるのは、主に小売業やサービス業や製造業などで、学校法人や医師などは対象外となります。

また、補助を受けるには従業員数に関する決まりがあり、「小売業やサービス業(宿泊業・娯楽業以外)は5人以下、宿泊業・娯楽業、製造業などの場合は20人以下であること」が条件です。

補助上限は原則50万円で、補助率は2/3になります。経費の対象は販路開拓に必要な取り組みや業務効率化に対する取り組みで、幅広い内容になっています。

なお、申請は管轄する地域の商工会議所になりますので、不明点があればそちらへ確認するようにしましょう。公募は3月に行われます。

ものづくり補助金

正式には「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」という名称で、生産性を大きく向上させるための革新的なサービス開発などを行う中小企業など、に対して設備投資の費用を一部支援することを目的としています。

補助上限額は1000万円で、補助率は2/3となっています。また、最大10社まで連携して申請することも可能です。中小企業同士が互いの強みを活かして、革新的なサービスを生み出そうとするときにも活用することが可能です。公募は2月と8月に行われます。

申請は、都道府県地域事務局もしくは中小企業庁が開設している支援ポータルサイト「ミラサポ」から可能になります。

厚生労働省の助成金

補助金は創業支援や設備投資に対する支援が主なものでしたが、助成金は従業員の雇用にかかわるものがほとんどです。

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

高年齢層、障害者などの就職困難者を継続して雇用する事業主に対する助成金が「特定求職者雇用開発助成金」です。

求職者がハローワーク、地方運輸局(船員として雇い入れる場合)など適正な紹介事業者から紹介を受け、雇用保険の一般被保険者として雇い入れることが条件となります。

支給額は短時間労働者か否かで分かれており、一例を挙げると、短時間労働者以外の者で高年齢者(60歳以上65歳未満)を雇用する場合は、「助成対象期間1年で支給額が60万円」になります。(※支給対象期に対象労働者に支払った賃金額が上限)

高年齢層や障害者などを雇い入れたい経営者は、活用を検討するとよいでしょう。

申請を行う事業主は支給対象期ごとに、それぞれの「支給対象期の末日の翌日から起算して2か月以内」に、支給申請書に必要な書類を添えて管轄の労働局へ支給申請を行います。

生涯現役起業支援助成金

「生涯現役起業支援助成金」は、大きく分けて2つの助成パターンがあります。

ひとつは「雇用創出措置助成分」で、これは40歳以上の中高年齢者が起業して就業機会の創出を行い、企業経営をするために必要な従業員を雇う場合に要する、雇用創出措置にかかわる費用を助成します。

雇用創出措置に適用できるのは採用、教育訓練の実施などで、事業継続性を確認するための条件をクリアしているかなど審査されます。

もうひとつは、「生産性向上助成分」で、雇用創出措置助成分の支給を受けてから、規定の期間で生産性向上が認められた場合、別途助成金を支給するというものです。

具体的には、「生涯現役起業支援助成金 雇用創出措置に係る計画書」を提出した日が属している会計年度と、そこから3年度経過してからの生産性を比較して6%以上伸びていることが条件になります。

中高年齢層の方で起業を検討されている方は、活用を検討するとよいでしょう。

申請は、開業日から11か月以内に「雇用創出措置に係る計画書」を提出し、その後、一定の年齢以上の者を雇用保険加入者として12か月以内に雇い入れる必要があります。

トライアル雇用奨励金

職歴やスキルにより、正社員など安定的な就職が難しい求職者に対して、一定期間試行雇用した場合に助成されるのが「トライアル雇用奨励金です」。

ハローワークや職業紹介事業者などから紹介を受けることが条件になりますが、お互いの理解を深め、早期就職を促進することを目的としています。

トライアル期間は原則3か月で、1週間の所定労働時間が通常の労働者と同程度の水準であることが条件になります。奨励金は支給対象者の就労日数にもよりますが、ひとりにつき月額4万円が支給されます。

申請は、トライアル雇用を開始してから2週間以内に、労働者を紹介したハローワークなどに「トライアル雇用実施計画書」を提出します。

三年以内既卒者等採用定着奨励金

既卒者や中退者の応募機会拡大を図るために設けられた制度が「三年以内既卒者等採用定着奨励金」です。

既卒者が応募可能な新卒者の求人を行い、採用してから一定期間定着させると事業主に奨励金が支給されます。

支給要件は、制度に設けられたコースによって異なります。制度を活用する際は、どのコースが適用できるか事前に確認するようにしましょう。なお、助成金の申請は、雇い入れてから1年ごとに支給申請を行う必要があります。

労働移動支援助成金

企業経営をしていると、やむを得ず事業縮小を余儀なくされることがあるでしょう。そんな時に、活用を検討したいのが、「労働移動支援助成金」です。

労働移動支援助成金は、事業縮小により離職を余儀なくされる従業員に対して、再就職支援を職業紹介事業者に委託したり、職業訓練を行うため教育訓練施設に委託を行う場合に適用されます。

また、求職活動のための休暇付与に対しても助成金が支払われます。申請は職業紹介業者への委託契約を締結した翌日から2か月以内に「利用確認券」の発行手続きを行う必要があります。

補助金・助成金制度の探し方

経済産業省や厚生労働省だけでなく、県や区などの自治体が行う制度もあります。

国が行う制度であれば各省庁のサイトから、自治体の場合は県や区などの自治体のサイトから、それぞれの詳細を確認することができます。

ここでは、起業件数が多い都道府県のサイトを紹介します。起業件数で各都道府県を比較すると、ダントツのトップは東京都です。そのあとは大阪、神奈川、愛知、など大都市圏が続きます。企業件数自体は、人口比と比例する関係にあるようです。

【東京都】東京都創業NET

東京都は「東京都創業NET」というポータルサイトを設けて起業支援を行なっています。

融資・企業相談、融資・助成制度のページからビジネスコンテストや創業支援プログラムの情報まで幅広く提供されています。また、支援施設が豊富にあるのも東京都の特徴で、23区を中心に幅広く展開されています。

融資・助成制度では、東京都中小企業公社が提供している「創業助成金」や「東京都中小企業融資」、「クラウドファンディングを活用した資金調達支援」などがあります。

【大阪府】オール大阪起業家支援プロジェクト

大阪府では、「オール大阪起業家支援プロジェクト」というポータルサイトがあります。

主にセミナー・イベントなどの情報がサイトにまとめられており、資金調達関連の情報も掲載されています。また、ビジネスコンテストも企画しており、2018年は第10回目の開催になります。

【神奈川県】創業・ベンチャー支援

神奈川県は創業・ベンチャー支援を積極的に行っており、その内容は神奈川県のポータルサイトの「事業者支援・活性化」のページにまとめられています。

神奈川県の特徴は、ヘルスケアやロボット、スマートエネルギーなど領域に特化した施策を打ち出しているところです。

【愛知県】創業支援・ベンチャー企業の育成

製造業が強い愛知県でも創業支援が積極的に行われており、その内容は愛知県のポータルサイトの「創業支援・ベンチャー企業の育成」のページにまとめられています。

県内各地には、事業の創出や創業を支援するサービスが豊富に用意されており、支援機関も自治体や金融機関、大学などが名を連ねています。

民間企業の補助金・助成金

補助金、助成金は公的なものが主流ですが、中には民間企業が行なっているものもあります。

たとえば、三菱グループの「三菱UFJ技術育成財団」では、研究開発助成金を提供しています。創業5年以内などの企業が高い技術水準と新規性を有する事業化可能なプロジェクトに対して、1プロジェクトあたり最大300万円助成するというものです(補助率は50%以下)。

支給は助成決定時前払いで、返還の義務はありません。このように民間でも、技術支援を目的としたものや創業支援を目的としたプログラムが用意されていますので、アンテナを広く張って情報収集しておくとよいでしょう。

また、この分野は税理士や中小企業診断士が得意としていますので、利用できる制度の案内や代理申請を依頼することが可能です。雇用関係の助成金制度は、社労士のみが代理申請できます。

おわりに

このように、補助金や助成金にはさまざまな制度があります。さらに、申請するための条件や手続きが複雑なものも多く、素人がすべてを把握するのは困難です。

また、自治体の制度を利用するには、その地域に本社や支店があることが条件となります。そのため、会社を設立したあとに「隣の区市町村のほうが有利な制度があった」ということも起こるかもしれません。

そのため資金面で有利に起業するには、専門家の力を借りるとよいでしょう。税理士に依頼する場合は、「補助金、助成金に強い(詳しい)税理士」を探してみてください。

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