「17.5世帯に1件」が対象に。相続税の税務調査はいつ来る?何を見られる?税理士Q&A10選
税務調査
相続税申告において、最新の統計(令和6事務年度)によると、実地調査件数は 9,512件(対前事務年度⽐ 111.2%)でした。相続税の課税対象となった被相続人数166,730人に対して、税務調査が行われる確率は約6%、およそ約17.5件に1件の割合で調査が行われている計算になります。
さらに、税務署からの書面や電話による「簡易な接触」も21,969件にのぼり、これらを合わせると約5.3件に1件(約18.8%)の割合で何らかのチェックが入っているのが現状です。
相続は人生で何度も経験することではないため、「正しく申告できているか」不安に感じる方も多いでしょう。
そこで今回は、税理士に無料で相談できるQ&Aサービス「みんなの税務相談」から、相続税・贈与税の調査に関する事例を厳選。税理士の見解とともに解説します。
●Q1.税務調査の時期について
相続が発生し、相続税の申告が終わりました。やましいことはしていないのですが、経験もない為、税務調査というものに対して恐怖があります。税務調査の対象となる可能性が高いのはいつ頃になるのでしょうか?
ーーA.申告から2〜3年は税務調査の可能性がある
申告から2〜3年は税務調査の可能性があるでしょう。また、何か申告漏れの疑いがある資料が新たに把握されれば、それ以降でもありえます。/回答:中田裕二税理士
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●Q2.税理士書面添付制度利用。実地調査になる確率は?
相続税の課税価格は9500万円です。税理士書面添付制度利用ですが、実地調査になる確率は高いですか?
ーーA.申告の内容や税務署が持つ情報による
現預金だけなら、残高証明で分かりますし、土地や同族株の評価であれば、精査する必要もあると思います。申告の内容や税務署が持つ情報によります。/回答:柳元剛税理士
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●Q3.贈与の税務調査について
相続税の時はそのお金が誰の物か詳しく調査されますが、贈与した時はどこまで調べるのでしょうか?贈与を受けた者が贈与税を払えば、贈与した方は何も調べられないのですか?
ーーA.相続時に贈与税の適否についても判定する
通常、贈与税のみの税務調査はなく、相続にあわせて、相続税とともにその適否を判定することになります。/回答:中田裕二税理士
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●Q4.税務調査後の再調査について
母が亡くなり、約2年後に税務調査を受けました。税務署の方からは「これで全て終了です」と言われましたが、その後、母の相続税に関する再調査を受ける可能性はあるのでしょうか。
ーーA.原則として再調査はないが、要件に該当する場合は可能性あり
原則、その税目・課税期間について再度の調査を実施することはないものと思われます。ただし、「新たに得られた情報に照らして非違があると認めるとき」の要件に該当する場合は、既に調査の対象となった税目・課税期間であっても再調査を実施することがあります。/回答:森山貴弘税理士
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●Q5.通帳の入出金、いくらからチェックされる?
相続税調査の際に通帳を見られるようですが、入出金についていくら以上がヒアリング対象になるのでしょうか。領収書などの呈示も必要ですか?
ーーA.一般的に50万円以上の引き出しは説明が求められる
いくら以上がヒアリングの対象になるという決まりはありませんが、一般的には50万円以上の支払い・引き出しに関しては説明が求められると思っておいたほうがよいでしょう。支払いに当てたものに関しては、領収書があると説得力もありますが、ない場合でも支払先や支払い内容が説明できれば大丈夫です。/回答:服部誠税理士
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●Q6.相続税の税務調査中に贈与等が発覚した場合
相続が発生して税務調査になった場合、税務署は、妻・子など相続人の口座履歴を確認すると聞いたことがあります。調査をしている時に、口座履歴で贈与などの問題が発覚した場合は、芋づる式にペナルティが課せられるのですか?
ーーA.贈与税の申告もれ等が把握されると、追徴課税の対象になる
相続税の調査に関連して贈与税の申告もれ等が把握された場合には、それらについて追徴課税および加算税の課税対象になります。/回答:加門成昭税理士
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●Q7.口座から義父の生活費を引き出していました
夫の父親(義父)が亡くなりました。相続財産に現金はあまりなく、不動産が1億8000万円ほどありました。ただ生前、義父の口座から、義父の生活費や税金等の支払い分を引き出していました。税務調査があった場合、何を質問されるのか心配で仕方ありません。
ーーA.義父や同居親族の生活費のために使われたものであれば問題ない
相続税の税務調査で最も力を入れているのは、被相続人の預貯金の過去の動きで、財産につながる出金や贈与につながるものをチェックしています。お父様や同居親族の生活費のために使われたものであれば問題ありません。/回答:服部誠税理士
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●Q8.専業主婦の母名義の預金約2000万円は相続財産に含まれる?
父が亡くなり、相続の申告も済ませました。申告財産の総額は約1億円で、母の相続分は7000万円ほどで非課税でした。母は専業主婦でしたが、母名義で貯めた預金約2000万円について申告はしていません。専業主婦の預金も相続財産に含めて申告をしなくてはいけないというのは本当ですか?
ーーA.総合的に判断し、被相続人の財産であれば申告が必要
財産の名義に関わらず、その資金源、生前贈与がなされたか否か、誰がその預金を管理・運用していたか等により総合的に判断し、被相続人の財産であれば申告をする必要があります。/回答:森山貴弘税理士
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●Q9.税務調査の立ち会いについて
一年前に兄が亡くなりました。兄の相続税に対して税務調査が入る場合、相続人の母と義姉が立ち会うことになりますが、母が高齢なので私が代わりに出席することはできるでしょうか。
ーーA.事前に税務署に申し出ることで立ち会いが可能
あなたの立ち会いに関しては、事前に税務署担当者に申し出てください。また、お母様の体力面のことも事前に相談しておけば、配慮してもらえます。/回答:丸山昌仁税理士
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●Q10.税務調査に立ち会う税理士について
税務調査に立ち会いを頼む税理士は、相続税申告をした税理士でなければ駄目なのでしょうか。
ーーA.税務代理権限証書を税務署に提出すれば別の税理士の立ち会いが可能に
新たに税務代理権限証書を作成し、税務署に提出すれば、申告をした税理士とは異なる税理士に立会(税務代理)をお願いすることも可能です。/回答:森山貴弘税理士
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相続税の税務調査は、決して「悪いことをした人」だけに来るものではありません。しかし、いざ通知が届くと、多くの方が不安を感じてしまうものです。
今回のQ&Aでもあったように、事前の準備や適切な説明ができれば、過度に恐れる必要はありません。もし申告後に不安な点が見つかったり、実際に調査の連絡が来たりした場合には、一人で悩まずに、まずは相続に強い税理士へ相談することをおすすめします。
「みんなの税務相談」では、ほかにも多くの事例を紹介しています。あなたの状況に近いケースがないか、ぜひ参考にしてみてください。
※本記事は各投稿日時時点での情報です。投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用ください















