一般社団法人の「会計・決算・税務」についてわかりやすく解説 - 節税や実務に役立つ専門家が監修するハウツー - 税理士ドットコム

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一般社団法人の「会計・決算・税務」はどうなる?注意点などをわかりやすく解説

監修: 山本 晃司 税理士

社団法人には「公益社団法人」と「一般社団法人」があり、さらに一般社団法人は「非営利型法人」と「非営利型法人以外の法人」に分けることができます。このうち非営利型法人に該当する場合は、税制上の優遇制度を利用できますが、税務・会計処理が普通型法人とは違っているため注意が必要です。

そこでこの記事では、一般社団法人の会計・決算・税務と非営利型法人の要件について解説します。

目次

一般社団法人の「税務」

一般社団法人は、法人税法上の「普通法人」となります。

そのため、税務上では基本的に株式会社など他の普通法人と同じ扱いです。

会費や寄付金も含めたすべての所得が課税対象となり、法人税率は原則23.2%です。法人税以外にも、法人住民税や法人事業税なども課されます。

これらの税率は地域や所得額などによって異なります。たとえば、東京都(事業所が23区内にある)の場合は、法人住民税率は7.0%~10.4%法人事業税率は3.5〜7.48%となっています。詳しい税率については、該当する各自治体に確認してください。

また、売上高が1000万円以上であれば「消費税」が、建物や土地などの不動産を所有している場合は「固定資産税」もかかります。

非営利型法人の税制優遇

「非営利型法人」の要件を満たす場合は、法人税法上の「公益法人等」となります。収益事業から生じた所得のみが課税対象になり、会費や寄付金に対しては課税されません。

一般社団法人の課税対象分類

参考:国税庁|一般社団法人・一般財団法人と法人税

一般社団法人の「会計」

ここでいう会計とは、会社が利害関係者(外部)と経営者(内部)に対して経営活動を数値化し、財務諸表を作成して報告することをいいます。

財務諸表とは貸借対照表や損益計算書のことで、これらを企業独自のルールで作ってしまうと、他社の比較が難しくなってしまいます。

このため日本では、会計基準と呼ばれるルールに則りながら財務諸表を作成しなければいけないと、会社法や金融取引法で定められているのです。

一般社団法人の会計基準には「企業会計基準」や「公益法人会計基準」といった種類があります。

会計基準の選択は自由に行えるため、それぞれの会計基準の基本とポイントを確認し、どれを採用するか判断しましょう。

企業会計基準

企業会計基準とは、株式会社などに適用される財務諸表を作成するためのルールのことをいいます。たとえば、「役員賞与に関する会計基準」や「金融商品に関する会計基準」などがあり、それぞれ会計処理のルールが細かく決められています。

基本的には、一般社団法人のうち、法人税法上で普通型法人に当てはまる場合は、企業会計基準を採用するのが一般的です。

公益法人会計基準

公益法人会計基準とは、公益法人等に適用される財務諸表を作成するためのルールです。これには「貸借対照表」「正味財産増減計算書」「キャッシュフロー計算書」「財産目録」「附属明細書」の作成が必要になります。

この内「正味財産増減計算書」は、損益計算書の代わりに作成する公益法人会計基準特有のものです。

正味財産増減計算書は、「一般正味財産」と「指定正味財産」「基金」の3項目で構成されます。

  • 一般正味財産:事業活動から発生した、法人が自由に使うことのできる財産
  • 指定正味財産:寄付による財産で、寄付者の意思で使途や管理方法などに制約があるもの
  • 基金:普通法人でいう資本金のこと

寄付金は基本的に公益事業のために使われるお金のため、運転資金に充てることができません。そのため、公益法人会計基準では、運転資金と寄付金を「一般正味財産」「指定正味財産」などと区別して会計処理を行うようにルール化しています。

非営利型法人の場合は、法人税法上は公益法人等に区分されるので、公益法人会計基準を採用するのが一般的です。将来的に公益法人認定を受けようと考えている場合も、公益法人会計基準に従って会計処理を行っておくとよいでしょう。

NPO法人会計基準

上記以外の選択肢として、NPO法人会計基準もあります。

NPO法人会計基準は、NPO法人が会計報告を行うためのルールのことで、「活動計算書を使う」「会計処理を統一する」などが決められていますが、前述した会計基準と比べると簡易な内容となっています。

公益認定を目指していない、利益ではなく共益活動を目的とする法人の場合は、NPO法人会計基準を採用してもよいでしょう。

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一般社団法人の「決算」

決算書類は事業年度ごとに作成して、社員総会で提出しなければなりません。

提出書類や流れは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」で細かくルールが決められており、大まかな流れは以下のとおりです。

計算書類などの作成

一般社団法人の決算の際には貸借対照表、損益計算書、事業報告書、附属明細書などを作成します。作成する計算書類などは会計基準によって異なり、公益法人会計基準を採用している場合は、正味財産増減計算書を作る必要があります。

監事監査

監事とは株式会社でいう「監査役」に相当する機関です。一般社団法人で監事を設置している場合は、先述した貸借対照表や損益計算書などについて監査を受ける必要があります。また、会計監査人を設置している場合は、別途、監査を受けなければなりません。

理事会の承認

理事会とは株式総会でいう「取締役会」のことです。理事会を設置している一般社団法人の場合は、監査を受けた計算書類について理事会で承認を行う必要があります。

定時社員総会の承認

社員総会とは株式会社でいう「株主総会」に相当します。貸借対照表や損益計算書などの書類一式を提出して、承認を受ける必要があります。なお、社員総会の開催にあたっては、総会の1週間前までに招集通知を発送しなければなりません。

決算公告

定時社員総会が終結したら、その後、貸借対照表を公告する必要があります。公告とは「決算公告」のことで、財務情報を世間に開示することです。決算公告の方法には、官報に載せたり、電子公告を使うなどの方法があり、定款で定めた方法で行います。

おわりに

一般社団法人の税務や会計はとても複雑なため、一般社団法人に詳しい税理士に相談したり助言を求めるようにしましょう。

特に非営利型法人を目指しているのであれば、設立前の定款を作成する段階から相談するのがおすすめです。

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