一般社団法人ってどんな団体?7つの特徴やメリットを解説

税理士の無料紹介サービス24時間受付

05075866940

  1. 税理士ドットコム
  2. 会社設立
  3. 会社設立のハウツー
  4. 一般社団法人ってどんな団体?7つの特徴やメリットを解説

一般社団法人ってどんな団体?7つの特徴やメリットを解説

監修: 門田 睦美 税理士

「一般社団法人」という名称は意外とよく目にする機会が多いですが、その実態はどのような団体なのでしょうか。

「株式会社」や似た名称の「公益社団法人」との比較をはじめ、7つの特徴やメリット、税金についてまで、一般社団法人にまつわる基礎知識をわかりやすく解説します。

目次

一般社団法人とは

一般社団法人とは、人の集まりに対して法人格が与えられる非営利団体のことをいいます。

2008年12月に「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」ができる前は、「社団法人」という法人が存在していましたが今はなくなり、一般社団法人公益社団法人に分けられています。

非営利団体というと、利益を追求しないボランティアのようなイメージがあるかも知れませんが、利益の配分をしないことを指します。そのため、一般社団法人が利益を出すこと自体は何も問題ありません。

一方で、株式会社や合同会社は利益の分配を目的とした「営利法人」となります。

一般社団法人に向いているのはどんな団体?

一般社団法人は登記のみで設立できるので、任意団体でも簡単に法人格を得ることができます。また、事業内容に制限がないため、以下のような団体を法人化するときには、一般社団法人がおすすめです。

  • 公益事業を行う団体
  • 町内会、同窓会、サークル団体
  • 同業者団体、業界団体
  • 学術団体、スポーツ団体
  • 資格認定機関
  • 介護団体 など

他にもある「非営利法人」

非営利法人には、一般社団法人のほかにも以下のようなものがあります。

公益社団法人

公益社団法人とは、福祉の増進などの公益事業を主な目的としている法人のことです。

まずは一般社団法人を設立し、公益認定申請を行って認定を受けることで公益社団法人になることができます。

認定を受けるには、「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」に定める23種類の事業分野に該当し、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものと認められる必要があります。

法人税が非課税になるなどの優遇制度を受けることができますが、事業費用の合計額に対して公益目的事業が50%以上の比率で事業を行わなければならないという規制もあります。

  • 23種類の事業分野(一例)
    └学術及び科学技術の振興を目的とする事業
    └文化及び芸術の振興を目的とする事業
    └障害者若しくは生活困窮者又は、事故、災害若しくは災害による被害者の支援を目的とする事業
    └高齢者の福祉の増進を目的とする事業 など

財団法人

財団法人とは、財産の集まりに対して法人格が与えられる非営利団体のことをいいます。拠出された財産を運用して事業を行うことを目的としているため、設立時に300万円の拠出金が必要になります。また、財団法人には社団法人にある「社員」の考え方がなく、設立に必要なのは理事3名、評議員3名、監事1名の計7名です。

財団法人は、社団法人と同様に2008年の法律によって一般社団法人公益財団法人に分けられました。一般社団法人が公益認定を受けると公益財団法人となります。

NPO・NGO法人

営利を目的としない法人という点では一般社団法人と同じですが、設立の際の条件などに違いがあります。

NPO・NGO法人は、設立当初に理事3名、監事1名の役員を定款に定め、必ず置かなければなりません。社員も10名以上必要になります。また、所轄庁への報告義務があり、設立までに時間がかかります。

さらに、活動内容が特定非営利活動のみであるという制限がありますが、一般社団法人は活動内容に制限がありません。

PTAなどの「人格のない社団等」

「人格のない社団等」は、そもそも登記をしていないため法人ではありません。

ただし法人税法上、法人とみなされる団体のため、収益事業を行う際は法人税が課されます。

一般社団法人の特徴7つ

それでは、さらに詳しく一般社団法人の特徴をみていきましょう。

1.「社員」と「理事」で構成される

一般社団法人は「社員」と「理事」で構成されています。

「社員」はいわゆる一般的な従業員という意味ではなく、構成員のことを指します。構成員は株式会社でいう株主に相当するので、法人でも社員になることができます。

「理事」とは、社員総会で社員によって選出された人のことを指します。理事は株式会社でいう取締役に相当し、主に法人の運営を職務としています。理事を置くことは必須ですが、取締役会に相当する理事会を設置するか否かは任意で決めることができます。

設立時には社員(発起人)が2名以上と理事が1名以上必要になりますが、社員と理事は兼任できるので、最低2名位以上いれば設立可能です。

2.意思決定は「社員総会」でされる

社員総会とは、社員で構成される意思決定機関です。株式会社でいう株主総会のようなもので、重要事項等を決議するためにあります。

理事(または理事会)が「日時、場所、開催の目的」などを決めて、開催1週間前までに招集の通知を行います。

社員総会は理事会を設置しているか否かで持つ権限が以下のように変わります。

理事会を設置している場合

理事が3名以上、そのうち1名以上が代表理事および監事が1名以上の一般社団法人は、下記2点についてのみ決議する権限を持っています。

  • 一般社団法人法で規定されている事項
  • 定款で定めた事項

理事会を設置していない場合

理事が1名以上の一般社団法人で、下記のようなほぼすべての事項を決議する権限を持っています。

  • 一般社団法人法に規定されている事項
  • 一般社団法人の組織、運営、管理、その他一般社団法人に関する一切の事項

3.「資本金」ではなく「基金」

株式会社の場合は設立時に「資本金」を出資しなければなりませんが、一般社団法人の場合は、設立時に必ずしも財産を拠出する必要はありません。

しかし設立後の運営資金のことを考えると、ある程度の資金は必要です。そこで、一般社団法人における資金調達の手段として「基金制度」というものがあります。

基金とは、社員や社員以外の人から、法人の責任財産となる財産の拠出を受け、法人の基礎財産になるものです。基金は、一定の要件や合意のもとに返還義務を負います。そして、法人の解散時には拠出者に返還しなければなりません。

基金の募集をする際には、前もって定款に基金に関する条項を定めなければなりません。また、社員総会にて特別決議が必要となります。基金制度は任意ですが、一度取り入れると廃止することはできないので注意しましょう。

4.事業内容に制限がない

非営利団体といっても、必ずしも公益を目的としなければならないわけではありません。事業内容に制限はなく、収益を目的とした事業を行ったり、法人内部の共益を目的として事業を行うこともできます

しかし株式会社のように利益の配当はできないため、得た収益は翌年の事業の投資等に回すことになります。

5.利益の配当はできない

先述のとおり、非営利とは利益の配当をしないことを指します。株式会社は、利益を得たら株主に配当しますので、その分株主は儲けることができます。

ここが一般社団法人と株式会社の大きな違いのひとつです。

6.報酬や給料は支給可能

利益の配当をすることはできませんが、役員(理事や監事)に報酬を支払うことはできます。役員報酬の額は社員総会で決議するのが一般的です。ただし、理事と監事の報酬は別で決議をしなければなりません。

また、従業員に対して給料を支払うことも可能です。得た利益は、事業投資だけでなく新しく従業員を雇ったり、給料を増やしたりすることにも使用できます。

なお雇用に関する手続きは、株式会社等の通常の雇用と同様です。

7.金融機関などでの呼称

一般社団法人の略称は、(一社)が使われます。(社)という略称も見かけますが、これは社団法人全体を表すものです。ちなみに、一般社団法人以外の組織は以下のような略称が使われます。

  • 公益社団法人(公社)
  • 一般財団法人(一財)
  • 公益財団法人(公財)

銀行などの金融機関では、上記とは異なり、社団法人はすべて(シャ)が、財団法人の場合は(ザイ)が使われます。

一般社団法人として法人化するメリット

法人化するメリット

任意団体を一般社団法人化するメリットには、以下のようなものがあります。

法人名で契約や登記ができる

任意団体の場合は、団体名義で銀行口座の開設や不動産の登記をすることができないため、代表者などの個人名を使用することになります。一方で、一般社団法人として法人成りすることで、法人名義で口座を開設したり、登記をしたりすることができるようになります。

対外的な信用があがる

事業内容が同じであっても、任意団体と法人では対外的な信用度に差があります。法人として登記をすれば、事業内容が外部から見ても明確になるため、信用につながるといえます。

設立が簡単かつ費用が安い

一般社団法人を設立する際は拠出金(資本金)が不要で、法的要件を満たせば登記によってだれでも設立することができます。また、株式会社と比較して手続き費用も半分で設立することができます。

行政への報告義務がない

一般社団法人とよく比較されるNPO法人は、事業年度終了後は事業報告書などの書類を所轄庁に提出する義務があります。一方の一般社団法人はそもそも監督庁がないため、報告義務はありません。

活動の自由度が高い

活動内容に制限があるNPOと違い、一般社団法人には制限がありません。そのため、公益事業や共益事業、収益事業も行うことができます。

税制優遇がある

一般社団法人のうち「非営利型法人」には税制優遇があり、収益事業以外の事業で得た利益には課税されません。また所得の額によっては、税率が普通の一般社団法人よりも低くなるという優遇が受けられます。

一般社団法人の税金はどうなる?

一般社団法人は税務上、株式会社など他の普通法人と同様に扱われ、基本的には会費・寄付金も含めすべての所得が課税対象となります。

ただし、非営利型一般社団法人に該当する場合は、前述のとおり収益事業のみが課税対象となるといった税制上の優遇措置が受けられます。たとえば、法人税については年800万円以下の部分に対し軽減税率が適用されます。

なお、非営利型法人として認められるには、「非営利性が徹底された法人」または「共益的活動を目的とする法人」のどちらかに当てはまることが必要です。

一般社団法人の税金については以下の記事で詳しく解説しています。

おわりに

営利法人である株式会社と比較すると、非営利の一般社団法人は構成組織が違っていたり、事業内容に制限がないといった特徴があります。一方、通常の企業と同様に報酬・給料を支払うことは可能です。

サークル活動や公益事業を行う任意団体であれば、一般社団法人として法人化することでメリットもあるので検討してみましょう。

会社設立に関する他のハウツー記事を見る

もっと見る
他の税務相談を探す
分野

協力税理士募集中!

税理士ドットコムはコンテンツの執筆・編集・監修・寄稿などにご協力いただける方を募集しています。

募集概要を見る

ライター募集中!

税理士ドットコムはライターを募集しています。

募集概要を見る