休眠会社の税金はどうなる?会社を休眠・再開させる手続きや注意点 - 節税や実務に役立つ専門家が監修するハウツー - 税理士ドットコム

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休眠中でも税金はかかる?休眠会社の手続きとメリット・デメリットを解説

監修: 酒屋 就一 税理士

なんらかの事情で事業の継続が困難になった場合、廃業ではなく一時的に休業(休眠)するという選択肢があります。ただし会社を休眠状態にしても決算申告や納税義務はなくならず、さらにみなし解散となる可能性があるといった点に注意しなくてはなりません。

そこで本記事では、株式会社の休眠に必要な手続きとメリット・デメリットを解説するとともに、再開するときの手続きを解説します。

目次

休眠会社とは

なんらかの事情により会社の事業を停止する場合の選択肢として、廃業や休眠という方法があります。

廃業とはその事業を自主的にやめ、法人を消滅(精算)させることです。対して会社を休眠するもしくは休業するということは、会社を存続させたまま長期間に渡って経営や事業を停止することをいいます。

会社法(第四百七十二条)によれば「株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から12年経過した」場合に休眠会社と定義されますが、税務上は、登記が残っていても所定の手続きを行うことにより休眠状態とすることができます。

会社を休眠させるメリット

廃業したり会社を放置するのではなく、きちんと休眠の手続きを行うことで以下のようなメリットがあります。

均等割が免除される

法人が納めるべき地方税のひとつに「法人住民税」があります。この法人住民税は「均等割」と「法人税割」を合わせた金額になりますが、そのうち均等割については、その自治体に「事務所等」が所在していれば(事業が赤字であっても)納税義務があります。

都道府県・市町村に休眠の手続きを行うことで自治体によっては均等割が免除(または減額)になることがあります。会社の休眠を検討している場合は、事前に登記している自治体に免除の有無を確認しましょう。

ただし、自治体によっては休眠会社を再開させたときに免除されていた均等割について支払いを求められる場合もあります。

地方税法上の事務所等について

地方税法において「事務所等」に該当するのは人的設備・物的設備・事業の継続性の三要件を満たしている必要があります。

人的設備とは事業活動に従事する人、物的設備とは事業に必要な土地、建物、設備などを指し、事業の継続性については、一時的な現場事務所・仮小屋などは該当しません。

また、収益や所得が発生していなくても事業が行われていれるのであれば事務所に該当する、とされています。たとえば、ただ商品の引渡しをするだけの場合であっても、相当の人的・物的設備を備えていれば事務所等に該当します。

休眠の手続きを行った場合にはこの要件からはずれることになるため、均等割が免除されることになるのです。

事業再開の手続きが容易

廃業の場合に比べ、休眠会社を再開する手続きはそれほど難しくはありません。

休眠会社の再開には、都道府県税事務所や市区町村役場に対して再開の旨を記載した「異動届出書」を提出します。登記手続きなども別途必要ですが、会社を設立し直すよりも容易に事業の再開が可能です。

許認可の取り直しが不要

建築業など特定の業種では、会社設立の際に許認可が必要です。

廃業したのち再び会社を設立する際にも許認可を取り直さなければならず、資本金などの条件を満たした上で、申請にかかる手数料・登録免許税として9万〜30万円の支出を要します。

休眠会社の場合、再開するにあたって許認可の取り直しは必要なく、手続きや費用が不要となります。 ただし、業種によっては休眠中でも許認可の更新手続きが必要とされます。

費用が削減できる

休眠届を出しても登記はそのままなので、会社を廃業するときのように解散登記や清算手続きなどにかかる費用が発生しません。会社の清算時、自分で手続きをすべて行なった場合でも実費が7〜10万円程度、司法書士や税理士などに依頼した場合には、さらにプラスでかかります。

このように、廃業した場合と比べて手続きだけでなく金銭的な負担が少ない点も会社を休眠させるメリットです。

会社を休眠させるときの注意点

会社を休眠させる際に気をつけるべきポイントがいくつかあります。

税務申告が必要

会社を休眠させると売上が無いため基本的には所得額がゼロとなりますが、今後会社を再開させる予定があるならば、「欠損金の繰越控除」や「青色申告」の継続のために法人税の確定申告は行うようにしましょう。特に青色申告については2期連続で期限内に申告しないと取り消されてしまいます。

確定申告書には所得ゼロで「休業中」と記載し、期限内に提出しましょう。

納税の義務は残る

法人税以外に発生する税金については、休眠中であっても納税義務があります。たとえば、固定資産を所有している場合、所有している会社が休眠状態でも固定資産税は発生します。

休眠会社にしたからといって税金を滞納していると延滞税も加わり負担が大きくなってしまうので注意しましょう。

登記内容の変更手続きが必要

休眠中でも登記内容に変更があった場合には、変更手続きをしなくてはなりません。

とくに株式会社は最長でも10年に一度、多くの場合は2年に一度、役員変更の登記を行うことが会社法で定められています。また、任期満了などで役員が変更になる場合も、登記が必要となるので手続きを怠らないようにしましょう。

みなし解散の可能性がある

休眠中に登記を行わず、最後の登記から12年が経過してしまうと会社法上の「休眠会社」となります。

法務局では数年に一度、そのような休眠会社に対して「整理作業の実施」を行っており、法務大臣による公告の2か月以内に届出または登記をするよう通達しています。

通達が行われた会社は、事業を継続するという届出をするか、期限内に役員変更などの登記を行わなければならず、そのどちらもなされなかった場合、その会社は解散したものとみなされ、登記官により解散登記が行われることになります。

会社を休眠させる手続き

休眠(休業)届けという書面は正式には存在せず、代わりに次のような届け出をすることになります。

税務署への届け出

「異動届出書」という書面に休眠中である旨を記載し、管轄の税務署に提出します。従業員を雇用していた事業所の場合には、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」、課税事業者の場合は「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出」の提出もそれぞれ必要です。

都道府県税事務所・市区町村役場への届け出

「異動届出書」は地方税を納めている都道府県税事務所・市区町村役場にも提出が必要です。

書式や手続き方法はそれぞれの自治体で異なりますので、事前に確認しておきましょう。法人住民税の均等割が減免または免除される自治体の場合には、異動届出書とは別に「均等割減免申請」が必要な場合もあります。

年金事務所への届け出

社会保険に加入している場合には、所轄年金事務所へ「健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届」を提出しなければなりません。

休眠会社を再開させる手続き

休眠会社を再開させるには、「異動届出書」に休眠解除の旨を記載し、税務署や都道府県税事務所、市区町村役場へ提出します。

「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」の提出をしていた場合には「給与支払事務所の開設届」を、所轄年金事務所へ「健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届」を提出していた場合には再度「健康保険・厚生年金保険適用事業所届」を提出しましょう。

また、休眠会社を再開させるにあたり、登記内容に変更があった場合にも手続きが必要となります。

休眠手続きにかかる費用

休眠する際の手続きに関しては、特に費用はかかりません。

ただし、休眠中や再開時に発生する手続きについて税理士や司法書士などの専門家に依頼した場合には、納税や登記にかかる実費のほか、専門家への報酬が必要となります。報酬は契約の内容などにより異なりますので、依頼前に費用の詳細を確認するといいでしょう。

会社の休眠を検討するタイミング

体調不良で一時的に経営ができないなど、いずれ再開して事業を継続する可能性がある場合には、休眠することでその後のコストや手続き面など負担を軽減することができます。

また、事業が増減する過程で必要のなくなった会社を休眠させるケースも考えられます。そのほかにも後継者がいないために事業の継続が困難になってしまった場合などにも、休眠会社を検討するタイミングのひとつです。

一般的には、設立年度が古い会社の方が信用度が増すと考えられるため、必要なくなったからといって廃業を決断するよりも、ひとまず休眠させるという選択肢も検討してみましょう。

おわりに

やむを得ない事情で会社を一時休業する際には、廃業する以外にも休眠するという選択もあります。休眠会社にするにはさまざまなメリット・デメリットがありますので、これらを踏まえてどのような形にするのがよいのか検討してみてください。

いずれにしても売上がないからといって手続きを怠らないようにし、今後の見通しの相談も含めて税理士などの専門家に相談してみましょう。

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