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【個人事業主の開業届まとめ】書き方や提出する3つのメリット、手続き方法

監修: 屋 倫平 税理士

フリーランスなどの個人事業主として事業を始めるときに、税務署へ提出する書類が「開業届」です。実際には、開業届を提出しなくても罰則はないため、提出せずに事業を始めている人もいます。ただし開業届を出すことで、節税になるなどさまざまなメリットがあります。

このページでは、個人事業主が開業届を提出することで得られるメリットや書き方、手続き方法について解説します。

目次

個人事業主は開業届の提出が必要?

個人事業主(フリーランス)として事業を始めるとき、最初に行う手続きが「開業届」の提出です。

開業届とは、正式には「個人事業主の開業・廃業等届出書」という名称の書類で、「新たに事業を開始したときや、事務所の新設・増設・移転・廃止したとき、または事業を廃業したとき」に所轄税務署へ提出します。

開業届を提出しない場合はどうなる?

実のところ、開業届を提出しないからといって罰則があるわけではありません。とはいえ事業を営み利益を得たら、しかるべき税金は納めなくてはなりません。そのためにも開業届をきちんと提出し、正しい納税を行いましょう。

「個人の事業開始等申告書」も提出する

税務署へ提出する開業届とは別に、都道府県税事務所へ「個人の事業開始等申告書」を提出しましょう。

記入内容も開業届と同様なので、同時に記入・提出しておくとスムーズです。

開業届を提出するメリット

開業届をきちんと提出することで正しく納税できるだけではなく、事業者にとっては次のようなメリットもあります。

「青色申告」を行うことができる

確定申告には、「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。

「青色申告」は白色申告に比べて帳簿付けや税務申告が複雑である一方、白色申告では受けられない次のような節税メリットがあります。

  • 最大65万円の特別控除が受けられる
  • 純損失の繰越控除により、赤字を3年間繰り越しできる
  • 純損失の繰戻還付により、赤字を前年の黒字と相殺して所得税の還付が受けられる
  • 30万円以下の減価償却資産を一括償却できる
  • 青色事業専従者給与の特例により、配偶者その他の親族に払った給与を全額経費にできる

青色申告を適用し、節税メリットを享受するには「開業届」と「青色申告承認申請書」の提出が必須です。

また、将来的に売上が増え、いざ白色申告から青色申告に変更したいというときのためにも、やはり開業届はあらかじめ提出しておくべきでしょう。

「小規模企業共済」に加入することができる

小規模企業共済とは、簡単に言うと自営業者のための退職金積み立て制度です。掛金を全額所得控除できるので、節税効果があります

事業を始めたばかりでまだ確定申告をしていない場合は、「開業届」の控えを提出することで、加入手続きをすることができます。

「屋号名義の銀行通帳」を作成できる

開業届を提出すると「屋号」を持つことができます。個人名ではなく屋号を名乗れるため、屋号名義の事業口座を開設することができます。

個人用の口座を使う場合、個人と事業の収支を区別をする必要が出てきてしまい、経理や確定申告の時の手間が増えてしまいます。屋号名義の専用口座を作成して、収支を管理するほうがよいでしょう。

また、屋号を持つことで対外的な信用度が増す場合もあります。

開業届を提出したときの注意点

以上のことから、個人事業を始めるのであれば開業届を出しておいた方がよいといえますが、その際、注意しなくてはならない点もあります。

失業保険の給付が受けられなくなる

会社員からフリーランスに転向する場合などで起こるケースですが、退職後、失業保険の給付を受けている最中に開業届を提出すると、個人事業主として利益を得ているとみなされて、失業保険の給付対象外となる可能性があります

給付期間でまだ事業を始めていない場合や、事業を始める予定だけど売上の目処が立っていない場合には、開業届を提出するタイミングはよく検討しましょう。

配偶者の扶養に入れない場合がある

開業届を出す人が配偶者の扶養に入っている場合には、扶養から外れてしまう可能性があります

俗に言う「扶養」には、「税法上の扶養」と「健康保険上の扶養」の2種類あります。

「税法上の扶養」とは、配偶者の所得が一定要件以下の場合に、納税者の所得から一定額を控除できる制度(配偶者控除または配偶者特別控除)を受けることができます。つまり、開業届を出した場合でも、所得が一定以下であれば扶養の対象になります。

一方で「健康保険上の扶養」は、加入している健康保険組合の判断により扶養の対象となるかが決められます。そのため、場合によっては個人事業主として開業することで扶養の資格がなくなることがあります。事前に配偶者が加入している健康保険組合の規定を確認しておくといいでしょう。

「開業届の控え」は返還してもらう

屋号名義の口座を作成するときなどに「開業届の控え」が必要になります。届出書と控用の両方に記入して提出し、税務署の受付印を押してもらった「控用」を返還してもらったら手元に残しておくことを忘れないようにしましょう。

開業届の書き方

それでは、実際に開業届を記入していきましょう。開業届は国税庁のホームページで入手できます。

開業届の書き方

1.書類名

「個人事業の開業・廃業等届出書」の「開業」部分を○で囲みます。

1.書類名

2.税務署長・提出日

管轄している税務署名と、和暦で提出日を記入します。

3.納税地

「住所地・居住地・事業所等」のうち該当する部分を○で囲い、住所や電話番号を記入します。

納税地は住民票がある「住所地」を選択するのが一般的で、納税地によって管轄の税務署が決まります。

事務所がある場合には、事務所を納税地にすることもできます。その際には、「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」をあわせて提出します。

さらに、納税地以外に住所地・事業所等がある場合は、下段の欄にも記入します。

3.納税地

4.氏名・捺印・生年月日

フリガナも忘れずに記入して捺印します。認印で大丈夫です。

5.個人番号

マイナンバーカードまたは通知カードに記載されている個人番号(マイナンバー)を記入します。ただし、開業届の控えには個人番号を書かないようにします。

6.職業・屋号

「職業」は、WEB制作、コンサルタント、カフェなど一般的な名称で問題ありません。迷ったときには総務省が出している「日本標準職業分類」を参考にするといいでしょう。

「屋号」には、開業するお店の名前や事業の名称などがある場合に記入します。再度提出すれば変更はいつでもできます。

7.届出の区分

「開業」を○で囲います。

事業の引き継ぎでない場合は、住所や氏名の記入は必要ありません。

7.届出の区分

8.所得の種類

フリーランスで働いたりお店を開くなど、通常の事業であれば「事業(農業)所得」を選択します。事業が不動産経営の場合は、不動産所得になる場合があります。

8.所得の種類

9.開業日・廃業日等

事業を開始した日を記入します。開業を決めた日でも初めて売上が出た日でも構いませんので、任意の日付を記入します。

10.開業に関する届出書提出の有無

一緒に提出する届出の「有無」を○で囲みましょう。

「青色申告承認申請書」または「青色申告の取りやめ届出書」の欄は、青色申告の申請を行う場合は、必ず「有」を選択します。

消費税に関する届出は通常は提出しないのですが、設立初年度から多額の設備投資などを予定している場合は提出することを検討しましょう。

10.開業に関する届出書提出の有無

11.事業の概要

事業の内容をなるべく具体的に記入します。例えば「WEBサイトの企画・制作・運営」「多国籍料理を中心とした飲食店経営」など、どのような業態で売上を得ているかについて記入します。

12.給与等の支払の状況

従業員やアルバイトなどへの給与の支払いを予定していたり、家族に給与を支払って手伝ってもらう場合は記入します。いない場合は記入は不要です。

給与を支払う人が配偶者や親族なら「専従者」に、それ以外の場合は「使用人」の欄に人数を記入します。

12.給与等の支払の状況

13.源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無

「給与等の支払の状況」に記入した場合は、こちらも記入します。

従業員に給与を支払うと、事業主があらかじめ給与から所得税分を差し引いて、国に納める源泉徴収が必要です。

当月の源泉所得税は原則翌月10日までに納付しますが、一定の要件を満たし「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出すれば、納付を年2回にすることができます

この書類を提出する場合は「有」を選択し、給与の支払いを開始する日を記入します。

開業届の提出手続き

開業届を作成したら、さっそく税務署に提出しましょう。

いつまでに、どこに提出する?

開業届は前述したとおり、提出しないことによる罰則はありませんが、正式には「開業日から1か月以内」に提出することになっています。

提出先は事業者の納税地を管轄する税務署で、作成した開業届と控えの両方を持参あるいは郵送での提出となります。

なお、申請手数料は発生しません。

そのほかの必要書類

税務署に直接持っていく場合は、開業届と控えのほか、個人番号(マイナンバー)がわかるものと、本人確認書類を持参します。控えのほうに受付印を押してもらいましょう。

郵送する場合は、個人番号がわかる書類と本人確認書類の写しを添付します。控えを返送してもらう必要があるため、住所を記入し、切手を貼った返信用封筒を同封します。

おわりに

個人事業主として事業を始める際にはいくつか手続きが必要ですが、開業届を出すことで節税効果があるほか、さまざまなメリットがあります。

なお、事業が軌道に乗り売上が上がってくると、法人成り(会社設立)を検討することもあるでしょう。

そんなときには、税理士などの専門家に相談することも考えてみましょう。

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