離婚にまつわる「税金の疑問」10選を税理士が解説!不動産の財産分与から仕送りはどうなる?
税金・お金
「離婚」という人生の大きな岐路において、精神的な負担と並んで重くのしかかるのが「お金と手続き」の問題です。特に、これまで夫婦2人で築いてきた財産を分け合う「財産分与」や、離婚後の生活費・養育費のやり取りには、思わぬ税金の落とし穴が潜んでいます。
たとえば財産分与についても、「離婚に伴う財産分与だから税金はかからないはず」と思い込んで進めてしまうと、後から税務署から予期せぬ課税通知が届き、トラブルに発展してしまうケースも少なくありません。
そこで今回は、税理士ドットコムの「みんなの税務相談」に寄せられたリアルな相談の中から、離婚にまつわる税金等の疑問を10つピックアップ。知っておくべきポイントを税理士の解説とともに分かりやすく解説します。
●Q1.離婚に伴う不動産の財産分与について
今年の年末で婚姻期間20年になり、離婚を検討中です。12年前に4500万円で購入したマンションに同居中で、5700万円で売りに出しています。夫は「売却代金の半分を現金で渡す」または「(夫に)2000万円を支払えば妻(私)の名義に変更する」と言っています。私が2000万円払ってそのまま住む場合、税金はどうなりますか?
ーーA.夫はマンションを譲渡したことになり、譲渡所得課税の対象に
「妻が2000万円払ってそのまま住む」場合、マンションの時価と2000万円との差額を夫側から財産分与として受け取ることになり、その差額が財産分与額として適当な額であれば、妻側に贈与税の課税はありません。ただし、夫側は妻へマンションを譲渡したことになり、譲渡所得課税の対象になります。/回答:加門成昭税理士
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●Q2.土地建物の名義を妻に変更後も同居する予定。税金逃れと判断されるか心配です
双方離婚同意で、慰謝料として現在住んでいる土地建物の名義を妻に変更しようと思っています。諸事情がありすぐに別居できず、数年間同居する可能性があります。贈与税の税金逃れと判断されるということはないでしょうか?
ーーA.離婚が形式的なものと判断されると非課税にならない
税金逃れと判断されるかどうかは、離婚後も同居を続ける具体的な理由や経緯など、『客観的な実態』がどうであるかという事実認定の問題になります。離婚が形式的なものと判断された場合には非課税規定には該当しません。/回答:服部誠税理士
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●Q3.離婚後に、マンションの売却益を受け取る場合
離婚後にマンションを売却した利益(約500万円)を貰う予定です。ネット等で調べると受け取った利益に税金はかからないとありましたが、心配です。
ーーA.離婚協議書を作成し、財産分与と明記すれば税金はかからない
離婚協議書に、財産分与の条件として500万円の記載があれば税金はかかりません。/回答:川村真吾税理士
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●Q4.離婚時の父から母の贈与は非課税になる?
両親が近々離婚します。父親側は弁護士をつけずに協議離婚を希望しており、その見返りとして母に3000万円を贈与する意思があるそうです。離婚時に発生する贈与は非課税だと聞きましたが、弁護士を通さない場合、贈与されたものが離婚に関して発生したものだと証明できるものが別途必要ではないかと懸念しています。
ーーA.書面を作成しておくと安心
離婚に伴うものであれば通常非課税です。非課税とはならず通常の「贈与」扱いになってしまうケースは、離婚が形だけの仮装(偽装)である場合や、婚姻期間などに対して分与額が多すぎる場合などです。決まりはありませんが、心配なら書面を作成したらいいでしょう。/回答:鎌田浩司税理士
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●Q5.離婚から数十年後に、妻に自宅を贈与したい
私の度重なる不倫が原因で離婚の公正証書を作成する予定です。ゆくゆくは自宅を子どもに相続させたいと夫婦共に考えており、弁護士と相談した結果「私が今後も残りのローンを支払い、妻子へ継続して住む権利を渡す、ローン完済後に妻へ名義変更」する予定です。登記の移動が数十年先となりますが、その際に贈与とみなされる可能性はありますか?
ーーA.離婚に伴う財産分与にはならない
離婚に伴う財産分与等にはなりませんので、通常の「贈与」になります。また、自宅の所有権が妻に移りますので、将来的に質問者様が亡くなった際に子どもへの相続の対象にはなりません。/回答:土師弘之税理士
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●Q6.3年前に離婚した前妻への贈与について
協議離婚が済み、すでに約3年経過していますが、前妻の生活援助の目的で贈与を考えています(離婚時に慰謝料は支払い済みです)。年に110万円以内の贈与を10数年続けたいと思います。贈与税のかからない範囲で行いたいのですが、可能でしょうか?
ーーA.わずかでよいので、税額を納付する贈与税申告を毎年行うとよい
税務上、あらかじめ「総額1100万円を10年分割で支払う」という約束があったとみなされると、最初の1年目に1100万円の贈与をしたものとして、一括で贈与税が計算されてしまいます。この課税処分を避けるためには、毎年都度贈与を行い、わずかでも税額を納付する贈与税申告を毎年行うといいでしょう。/回答:平仁税理士
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●Q7.離婚は年内にすると損ですか?
離婚することになりました。年内離婚と年明けとでは控除の金額が違うので、年が明けてからしたほうがいいと知人から聞きました。本当でしょうか?
ーーA.配偶者控除を受けているなら年明けのほうが有利
税務では12月31日現在の戸籍で判断します。その年に配偶者控除の適用を受けたいのであれば、年明けに離婚される方が有利になります。/回答:大西淳史税理士
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●Q8.離婚後の医療費控除の申請範囲について
離婚後も元妻・子ども・義母と同一の住居で生活します。世帯は別です。子ども2人の親権は私と元妻で1人ずつ(税扶養は自分)、義母の収入はありません。離婚後は元妻と義母にかかった医療費、及び2人の子どもにかかった医療費は、医療費控除として申請できますか?
ーーA.2人の子どもの医療費控除は申請できる
お子様の分については、親権の有無にかかわらず、自分が扶養している子や、養育費を支払って生計を維持している子であれば、離婚後も控除の対象になります。元妻と義母は対象外です。/回答:小林拓未税理士
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●Q9.離婚した父親からの仕送りについて
離婚した父親から毎月生活費を送ってもらってます。学費も必要な時もらっているのですが、年間110万円超えたら贈与税がかかりますか?
ーーA.贈与税の対象にはならない
両親が離婚をしたとしても、親には扶養義務があります。生活費や学費の送金関係は「非課税」になりますので贈与税の対象にはなりません。/回答:米森まつ美税理士
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●Q10.離婚している父親の相続
私の両親は離婚しており、父親は再婚し、連れ子2人が父の籍に入っています。私は妹と2人姉妹なのですが、父の相続からは外れているのでしょうか?遺言書で私と妹に相続させないとある場合はどうなりますか?
ーーA.相続させない旨の遺言書があっても、遺留分を請求できる
お父様の法定相続人は、現在の奥様(法定相続分1/2)と実子であるご質問者様と妹様(それぞれ法定相続分1/4)です。連れ子は、籍に入っていても、養子縁組をしていなければ相続権はありません。ご質問者様と妹様に相続させない旨の遺言書があったとしても、遺留分を請求できます(遺留分は、法定相続分1/4✕1/2=1/8)/回答:中田裕二税理士
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離婚時に発生する財産分与やその後の金銭のやり取りは、当事者間の合意だけで進めてしまいがちですが、税法上は「いつ」「どのような名目で」「どんな書面を残して」行ったかによって、税金の有無が大きく変わります。
特に不動産の名義変更や、期間が空いてからの金銭の授受などは、後から「通常の贈与」とみなされて高い税率の贈与税が課されてしまうリスクと隣り合わせです。
トラブルを未然に防ぎ、お互いが新しい一歩をスムーズに踏み出すためにも、少しでも判断に迷う場合は、「みんなの税務相談」で専門家へ相談してみることをおすすめします。















