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新幹線の最上級座席は全額経費にできる?税理士が徹底解説

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新幹線の最上級座席は全額経費にできる?税理士が徹底解説
くもや / PIXTA

JR東海とJR西日本が10月1日から東海道・山陽新幹線に導入する、最上級クラス座席「スプリームクラス」。東京ー新大阪間の2人利用キャビン(個室)が1人あたり6万500円(「のぞみ」通常期間利用、7号車、エクスプレス予約)など、従来のグリーン車を大きく上回るプレミアムな価格設定が話題を呼んでいる。

プライベート空間が確保された個室や半個室は、移動中も機密性の高いビジネス会話や作業ができるため、出張の多い経営者や役員、エグゼクティブ層にとっては非常に魅力的な選択肢となりそうだ。

しかし、ここで気になるのが「税務上の扱い」だ。一般的な指定席に比べて、高額なグリーン車やスプリームクラスの料金は、ビジネス利用であれば全額「旅費交通費」として損金(経費)に算入できるのだろうか。

そこで、ビジネスで最高級座席を利用する際の経費化の条件や注意点について、佐藤全弘税理士に聞いた。

●超過分が給与課税されないためには「出張旅費規程」の整備が不可欠

ーー新幹線のスプリームクラスやグリーン車をビジネス利用した場合、原則として全額経費にすることは可能でしょうか?

新幹線のスプリームクラス(個室)やグリーン車といった高額な座席料金であっても、ビジネス目的であり、かつ条件を満たせば全額「旅費交通費」として経費にすることは可能です。

ただし、スプリームクラスの1人東京ー新大阪間で約6万円という金額は、一般指定席の4倍以上となるため、税務調査では「通常必要と認められる範囲内の支出か」が厳しく問われます。万が一、不相当に高額(私的な贅沢)とみなされた場合、超過分が経費として認められなかったり、給与として課税されたりするリスクがあります。

給与として課税されるのを防ぐためには、法人の場合、事前に「出張旅費規程」の整備と運用が極めて重要です。利用対象者や役職に応じた座席クラスのルールなどを明記しておきましょう。

なお、個人事業主の場合も業務遂行のために必要であれば必要経費に算入できます。ただし、税務調査で指摘された際に客観的な説明ができるよう、業務の関連性を示す領収書・行程表・作業記録などを必ず残しておきましょう。

●役員への「給与(賞与)」とみなされると、法人・個人双方に重い税負担

ーー出張旅費規程があっても、経費として認められないのはどんな場合でしょうか。また、課税される場合は税務上どのような扱いになるのでしょうか。

出張旅費規程がきちんと整備されていても、例えば実態は観光旅行であり、移動中に少しビジネスの打ち合わせをした程度など、事務の実態が伴っていなかったり、社会通念(一般的な常識)から逸脱して高額すぎたりする場合は、その費用は税務上、役員や従業員に対する給与(賞与)として扱われます。

利用者が従業員の場合は、名目が「旅費交通費」から「給与」となり、法人側にとっては人件費(経費)として損金の額に算入されます。しかし従業員側にとっては、給与所得が増えることになるため所得税・住民税の追徴課税が発生します。

利用者が役員の場合は、「旅費交通費」ではなく「役員報酬(賞与)」とみなされます。役員賞与は、原則として法人の経費として認められません。そのため、法人税が増加するだけでなく、役員個人の所得税・住民税の追徴課税が発生します。さらに、法人には給与等に対する源泉徴収漏れとして不納付加算税などのペナルティも発生します。

なお、個人事業主自身の旅費が否認された場合は、当然ながら必要経費から除外され、所得税・住民税の追徴課税が発生します。

●「事業規模に対する妥当性」と「業務上の必然性」を客観的に説明できることが大切

ーー旅費交通費が税務調査で「高額すぎる」と指摘されないために、企業や経営者が準備しておくべき事項があれば教えてください。

税務調査において、高額な旅費交通費が「私的利用」や「給与(役員賞与)」として否認されないためには、税務署に対して「事業規模に対する妥当性」と「業務上の必然性」を客観的な証拠をもって説明できる状態を作っておくことが不可欠です。

まずは、現在の事業規模や収益状況に照らし合わせて、現実的な上限額や利用条件を規程に落とし込むことが重要です。

その上で、利用理由を「快適だから」「疲れるから」といった主観的なものにせず、例えば「移動中に顧客の高度な機密情報を扱うため、周囲に画面を見られたり会話を盗み聞きされたりするリスクを排除すべく、物理的なセキュリティ(完全個室や隔離された上位クラス)が不可欠だった」といった、客観的な業務上の必要性を出張報告書などの記録として残しておくのが非常に有効です。

【取材協力税理士】
佐藤 全弘(さとう・まさひろ)税理士
お客様の立場にたって、わかりやすい税金を目指すとともに付加価値の高いサービスを提供することをモットーに、お客様のニーズに応えられるパートナーを目指して活動している。
事務所名 : 佐藤全弘税理士事務所
事務所URL:https://satouzeirishi.com/

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