ある日突然「隠し子」が現れたら相続はどうなる?法律上の「認知」と税金トラブルの現実
相続税
ドラマや映画でよくみる、お葬式の場に突然見知らぬ子どもが現れるシーン。「まさか我が家に限って……」と思うような展開ですが、実際の相続現場でも決して珍しい話ではありません。
もし亡くなった故人に、「隠し子(婚姻関係にない相手との間に生まれた子)」がいた場合、残された家族の相続はどうなるのでしょうか。
ポイントになるのは法律上の「認知(にんち)」の有無です。
認知さえあれば、その子どもは法律上の夫婦の間に生まれた子どもとまったく同じ法定相続分(法律で定められた財産の分け前)を持ちます。つまり、これまで一緒に暮らしてきた家族と、突然現れた子どもで財産を分け合わなければならなくなるのです。
本記事では、そんなドラマのような修羅場が現実になったとき、残された家族が直面する法的権利と、見落としがちな「相続税」のリアルについて、高山弥生税理士に聞きました。
●認知された隠し子は、実子と同様に相続権を持つ
ーー「認知された隠し子」には、法的に他の子どもとまったく同じ権利があるのでしょうか?
はい。認知された隠し子(法律上は「非嫡出子」といいます)は、法律上の夫婦の間に生まれた子ども(嫡出子)とまったく同じ相続権を持ちます。
かつては非嫡出子の法定相続分は嫡出子の2分の1とされていましたが、現在は法改正により嫡出子と同じ割合の遺産を相続する権利が認められています。
ーー「隠し子」が現れることで、相続税の計算や負担額にはどのような影響が出るのでしょうか?
相続税の基礎控除の計算(相続税の基礎控除額=3,000万円+<600万円✕法定相続人の数>)など、法定相続人に対して設けられている控除の計算について、すべて一人分増えることになります。
●すでに遺産分割協議が終わっていたらやり直しが必要に?
ーーすでに遺産分割協議が終わった後に、隠し子の存在が発覚した場合、相続税申告の手続きや税金等はどうなってしまうのでしょうか?
その隠し子が「生前に認知されていたか」、それとも「死後に認知されたか」で結論が大きく変わります。
まず生前に認知していた子を除外して行った遺産分割協議は、無効ですのでやり直しが必要です。
一方で、父親の死後に裁判手続きを経て認知が認められる「死後認知」の場合は、認知された子は遺産そのものではなく、相続分に相当する金額を金銭で他の相続人に請求することになります。
【取材協力税理士】
高山 弥生(たかやま やよい)税理士
VSG相続税理士法人溝の口オフィス代表税理士。実務の傍ら、執筆やセミナー講師を務める。
VSG相続税理士法人では、相続税申告において日本最大級の実績とノウハウにより、顧客の立場に立って一番有利な相続アドバイスを行う。グループの行政書士・司法書士・社会保険労務士法人と連携をとり、あらゆる相続の悩みに対応している。
事務所名 :VSG相続税理士法人
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