シニアになって働いたら年金が削られる「在職老齢年金」、地獄のような仕組みとは?
税金・お金
「早くリタイアしたい」と思いがちな人がいる一方、国の制度はシニアになっても働き続けてほしい方向へと動いています。そのギャップを象徴する制度のひとつが、厚生年金の「在職老齢年金」です。
名前だけ聞くと「高齢者がもらえる年金」と思いがちですが、実態は逆です。65歳以降も働き続けていると、もらえるはずの年金が減らされる仕組みです。
●仕組みの概要
計算の基本は、次の2つの数字の合計が「支給基準調整額(現在65万円)」を超えた部分の、半額が年金から差し引かれるというものです。
・総報酬月額相当額:過去1年間の標準報酬と賞与の合計を月平均にした金額
・基本月額:老齢厚生年金の月あたりの支給額
具体例で見てみましょう。総報酬月額相当額が50万円、基本月額が20万円の場合、合計70万円から65万円を引いた5万円の半分、つまり2.5万円が毎月の年金から差し引かれることになります。
●引かれる額は縮小傾向に
働く意欲を削がないよう、国は支給基準調整額を引き上げてきました。2025年度までは51万円でしたが、2026年4月から65万円に引き上げられています。多くの人にとって年金が削られにくくなった形です。
ただし、この制度は70代になっても80代になっても、働き続ける限り適用され続けます。「長く働くほど、もらえるはずの年金が削られる」という構造は変わっていません。
生涯現役を奨励しながら、長く働くほど年金が減る制度設計。それをどう受け止めるかは、働き方の選択と切り離せない問題です。















