クラウドファンディングの補助金・助成金と利用時の注意点 - 節税や実務に役立つ専門家が監修するハウツー - 税理士ドットコム

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クラウドファンディングの活用で受け取れる補助金・助成金と利用時の注意点

起業時や事業拡大を目的とした資金調達方法として、クラウドファンディングを活用するケースが増えています。しかし、クラウドファンディングで集めた資金には一定の手数料が発生するため、その補填として各自治体や団体において補助金・助成金制度が設けられています。

そこでこの記事ではクラウドファンディングの活用でもらえる補助金・助成金制度についてまとめました。

目次

クラウドファンディングの活用でもらえる補助金・助成金とは

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の個人投資家から資金調達をする方法のことで、新規事業の立ち上げ資金や、市場開拓のための資金など、投資の対象となるプロジェクトは様々です。

クラウドファンディングには次のような種類があり、出資に対するリターンに違いがあります。

  • 購入型・・・サービスや商品、権利など
  • 寄付型・・・リターンのない寄付
  • 金融型・・・利息や分配金、株式など

クラウドファンディング事業者のサイトを利用すれば、個人でも比較的簡単に資金を集められる点がメリットですが、目標額に達した際には一定の手数料や税金を支払わなければなりません。

そこで地域経済の振興や地域商業活性化を目的に、各自治体や団体により支出の補填として補助金・助成金の制度が設けられています。

補助や助成の内容はさまざまあり、たとえば、東京都が行っている支援事業では、企業がクラウドファンディング事業者に支払う手数料の1/2を補助していますが、なかにはビジネスアイディアを事業化するための支援を行っているケースもあります。

クラウドファンディングにかかる費用

クラウドファンディングで集めた資金には、出資形態に応じて所得税、または法人税などの税金が課されます。

さらにクラウドファンディング事業者に支払う手数料も差し引くと、実際に事業資金に回すことができる金額は少なくなってしまいます。

そこで、補助金や助成金を利用すれば手数料分が補填できるため、その分事業資金に回せる金額を増やせるのです。

補助金・助成金の利用条件

クラウドファンディングの活用に対する補助金・助成金の利用条件は各制度によって異なりますが、一般的な要件としては以下の通りです。

  • 該当する自治体の区域内で行う事業であること
  • これから創業する者、または営業開始して間もない事業者(おおよそ5~10年程度)

申し込み方法(東京都の場合)

では、東京都における制度を例に、申し込み方法をみてみましょう。

東京都産業労働局金融部金融課では、「クラウドファンディングを活用した資金調達支援」を行っています。申し込み方法の具体的な流れは以下の通りです。

ステップ1:事業・プロジェクトの立案

まずはクラウドファンディングで資金調達するプロジェクトの企画を考えます。補助金の支給を受けるためには、目標調達金額を達成する必要がありますので、その点を考慮して企画を考えましょう。

ステップ2:事業者の選定と申し込み

利用するクラウドファンディング事業者を選びます。2019年6月現在、7つの事業者から任意の業者を選ぶことができます。

任意の事業者を選んだら、直接申し込みをします。申し込みの際に、東京都の支援事業を利用したい旨を必ず伝えましょう。

ステップ3:アドバイザーの面談

補助金を申請するために、申請書及び添付書類を揃えて、東京都が指定するアドバイザーと面談を受けます。無事面談が終わると「アドバイザー証明書」が発行されます。

【必要となる添付書類の例】
・プロジェクト計画書
・納税証明書
・運転免許証または住民票(創業前の場合)
・履歴事項全部証明書(創業後5年未満の場合)
・開業届(創業5年未満の個人事業主の場合)

ステップ4:補助金の支給

クラウドファンディングで無事に目標調達金額を達成すれば、補助金の支給対象となります。

目標調達金額を達成した場合、クラウドファンディング事業者に支払う手数料の1/2(上限30万円)の補助が受けられます。特別な手続きは不要ですが、プロジェクト開始までに、アドバイザー証明書の発行を受けていることが条件です。

補助金の具体的な支給方法は、クラウドファンディング事業者によって、以下のいずれかになります。

  • 補助金相当額を相殺した手数料額をクラウドファンディング事業者に支払う(相殺)
  • クラウドファンディング事業者に手数料を支払ったのち、補助金が振り込まれる(後払い)

東京都の補助制度では、自治体と直接連絡をとったり、書類を提出したりする必要はありません。クラウドファンディング事業者と、アドバイザーとのやり取りだけで、申請手続きが完結します。

補助金・助成金利用時の注意点

補助金・助成金を利用する際には、次の点について注意が必要です。

法人税の課税対象に

補助金や助成金は雑収入に該当するため、法人の場合は法人税、個人事業主の場合は所得税の課税対象になります。手数料の一部を補助金で受け取ったとしても、その一部には税金がかかることを覚えておきましょう。

消費税の返還が必要

受け取った補助金や助成金については、消費税の課税対象売り上げではないため、税務上は不課税取引として扱います。

対して、補助の対象であるプロジェクトに伴う事業経費(手数料)については、控除対象仕入税額として補助金から差し引くことが可能です。すると、課税売り上げがゼロになるため、消費税の還付が受けられてしまうのです。

補助金の交付を受けた上で、さらに消費税も還付されてしまうと実質的に重複してしまうため、補助金にかかる部分の消費税については返還が必要になります。

通年申し込めない場合も

補助金・助成金については、各自治体や団体が予算を組んで行っている制度であるため、いつでも募集しているとは限りません。基本的には、補助金予算額を使い切った時点で即時終了となるケースが多いので、予算があるうちに利用することが重要です。

クラウドファンディングの活用でもらえる補助金・助成金制度一覧

各自治体・団体が設ける補助金・助成金制度の一部を紹介します。

東京都|クラウドファンディングを活用した資金調達支援

クラウドファンディング利用手数料を補助。日本政策金融公庫と連携した無料サポートを実施している。

【対象者】
東京都内に本店または事業所を置く、創業予定または創業後5年未満の中小企業者
【対象事業】
地域経済の活性を促進する新製品・新サービス創生
【補助額】
手数料の1/2(上限30万円)

千葉県|ふるさと投資活用支援補助金(クラウドファンディング活用補助金)

初期費用やPRに係る制作委託費、試作費の補助。

【対象者】
当該事業の年度末までに募集を開始する中小企業者等
【対象事業】
・県内の資源を活用した新事業、開発
・地域社会の課題解決
・地域経済活性化
【補助額】
・投資型:1/2(上限50万円)
・購入型:1/2(上限25万円)

埼玉県|クラウドファンディング活用促進事業補助金

投資型クラウドファンディング仲介事業者に対して支払う組成手数料の補助。

【対象者】
県内中小企業者
【補助額】
対象経費の1/2以内(上限25万円、3者程度)

深谷市|クラウドファンディング利用手数料支援

目標達成型のクラウドファンディング利用手数料の補助。
※指定のクラウドファンディングサイトに限る

【対象者】
・企画実施にあたり協力者が複数名いる深谷市在住の個人
・所在地が深谷市内にある団体または企業
【対象事業】
市内の地域活性に繋がり、事前に市へ相談があったもの
【補助額】
手数料の1/3(上限5万円)

川越市|くらびとファンディング事業

クラウドファンディング利用手数料の補助。

【対象者】
・川越市在住の個人
・所在地が川越市内にある団体又は企業
【対象事業】
川越市内の地域活性化につながるもの
【補助額】
手数料の1/2(上限10万円)

長岡市|クラウドファンディング活用支援補助金

クラウドファンディング利用手数料の補助。

【対象者】
※市内に限る
・事業を開始する個人または設立会社
・新事業を行う設立10年未満の会社
・新事業を行う中小企業者
【対象事業】
長岡の魅力発信や活力を生み出す事業
【補助額】
補助対象経費の1/2以内(50万円上限)

塩尻市振興公社|クラウドファンディング支援事業補助金

支払い手数料(掲載手数料や決済手数料、組成手数料、成功報酬等)の補助。

【対象者】
市内に事業所を有する中小企業者または予定のある創業者
【対象事業】
地域経済の活性を促進する新製品・新サービス創生
【補助額】
手数料の1/2(上限50万円)

上田市|創業促進支援事業補助金

クラウドファンディング事業者に関わる経費(掲載手数料や決済手数料、組成手数料等)の補助。

【対象者】
市内に住所を有するまたは市内に支店登記をした創業者
【対象事業】
・(財)長野県中小企業振興センターの専門家派遣事業を活用したもの
・上田市創業支援プラットフォームもしくは金融機関の推薦を受けたもの
【補助額】
手数料の1/2以内(上限30万円)

藤枝市|クラウドファンディング利用手数料補助事業

クラウドファンディング利用手数料の補助。

【対象者】
市内に住所または務所を有しているか、開設予定のある個人または法人
【対象事業】
実施前に藤枝市エコノミックガーデニング支援センターエフドアへ、計画全般について相談している事業
【補助額】
手数料の1/2以内(上限50万円)

志摩市|クラウドファンディング活用支援補助金

支払い手数料(掲載手数料や決済手数料、組成手数料、成功報酬等)の補助。

【対象者】
・市内に住民登録がある個人
・市内に事業所の設置がある個人又は法人
【対象事業】
地域活性化に資する事業の創業又は事業投資
【補助額】
・補助対象経費の総額(上限20万円)
・1事業者につき1回まで

宇佐市|クラウドファンディング活用事業補助金

クラウドファンディング事業者に関わる経費(掲載手数料や決済手数料、組成手数料等)の補助。

【対象者】
・市内に居住する個人または本店所在地のある創業5年以内の法人
・宇佐市創業支援講座を受講し、証明書の交付を受けられるもの
・指定の商工会、組合に加盟しているもの
【対象事業】
・収益を目的とした創業、起業
・事業拡大の資金調達
【補助額】
経費の1/2以内(上限50万円)
※リターン費に係るものは目標金額の10%まで

一般財団法人地域活性化センター|地域づくり団体クラウドファンディング活用支援事業助成金

アドバイザー招聘費や広報費、リターン品に係る費用や支払手数料の1/2(上限10万円)を補助。

【対象者】
全国協議会に登録している地域づくり団体のうち、一般財団法人地域活性化センターの賛助会員
【対象事業】
地域活性を目的とし、平成31年4月1日から平成31年12月31日までに支援募集期間が終了する事業
【補助額】
・目標金額の25%または25万円のいずれか低い額
・助成対象経費の100%以下

おわりに

クラウドファンディングで利用できる補助金・助成金制度については、利用することによって手数料の負担が軽くなるなどのメリットが大きいので、事業を行おうとする自治体で制度が実施されていれば、必ず利用することをおすすめします。

ただし、申請に必要な書類が多岐にわたることや、受け取った後の会計処理が複雑になることを考えると、補助金や助成金の相談も含めて、税理士に依頼したほうがよいでしょう。

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