「もう見栄張る必要ない」元中日・平田氏が5000万円のロールス・ロイス売却、税金はどうなる?
税金・お金
中日ドラゴンズに2022年10月まで在籍した平田良介氏(35)が、5月28日放送のバラエティ番組「THE プラチナリスト スターが生まれた伝説の名簿」(TBS系)に出演し、5000万円で購入した愛車の「ロールス・ロイス ゴースト」を売却する場面が放送された。
平田氏は大阪桐蔭高校出身で、2005年に高校生ドラフトで中日に入団。2016年度からはキャプテンにも就任し、活躍した。しかし、2022年のオフに戦力外通告を受けて、現役を引退した。
平田さんは、「これからもう見栄を張る必要性もないので」と、愛車との別れを語った。ロールス・ロイスを売却したことで、所得税などの税金はどうなるのか。冨田建税理士に聞いた。
●どんな計算になる?
基本的には、個人が車を売却した場合、他にその年に譲渡した資産がないとすれば「譲渡価額-取得費-譲渡費用-特別控除50万円」に基づき、概ね5年以上所有の長期の場合はこの額を半額とした上で、給与等の他の取得と合算し税率を考慮して所得税等の額を計算します。
なお、通勤用等の生活に使う自動車の売却の場合は所得税等は非課税とされますが、実際に球場への通勤に使っていたとしても外車を生活用というのは微妙と思われます。
取得費は基本的には実際の車を購入したときの対価や、一定の付随費用で計算されます。
その際、車が仮に事業用であれば、取得後数年は使用に見合う負担を減価償却と言って各年の経費にする代わり、最後の売却時の取得費を「実際の取得費-それまでの減価償却費の累計額」で計算します。もっとも、プロ野球選手の外車が事業用と言えるかは微妙ですので、その場合は基本に戻り計算することとなります。
そして、売却したのが今年であれば、来年早春の確定申告で他の所得等と合算し所得税額等を算出・申告し、納税することとなります。
ちなみに、外車に限らず取得費が譲渡価額を上回っている資産の場合は、その売却によっての所得税等は発生しない場合も考えられるでしょう。
平田選手はドラゴンズが53年ぶりとなる悲願の日本一を達成した2007年日本シリーズ第五戦、即ち、1-0で勝った伝説の「実質完全試合」で唯一の得点を挙げた選手です。いわば、打で日本一を手繰り寄せた大功労者と言えるでしょう。
それ以外でも、落合監督時代の球団史上初のリーグ連覇にも貢献する等、ドラゴンズファンのみならず、多くの野球ファンに美しいものを魅せてきた選手です。
そのような高い実績を残した選手であるのに、このような判断をされるのは尊敬に値します。だからこそ、いつの日か、指導者として再びご活躍されるかもしれません。
もし、その日が訪れれば、プロ野球ファンとして注目したいと思いますが、いかがでしょうか。
【取材協力税理士】
冨田 建税理士・不動産鑑定士・公認会計士
43都道府県で不動産鑑定業務の傍ら、各種講演・執筆も行う。令和3年に「不動産評価のしくみがわかる本」(同文舘出版)を上梓し増刷。令和5年春には相続税・所得税等を解説する「図解でわかる 土地・建物の税金と評価」(日本実業出版社) を上梓した。
事務所名 : 冨田 建不動産鑑定士・公認会計士・税理士事務所、冨田会計・不動産鑑定株式会社
事務所URL:https://tomitacparea.com















