八村塁、レイカーズと3年73億円の巨額再契約　税金も飛躍的に伸びる？

NBAのロサンゼルス・レイカーズは7月7日（現地時間6日）、八村塁選手と再契約をしたことを発表した。八村選手はフリーエージェントとなっていた。チームの公式ツイッターは「おかえりなさい、八村 塁」と歓迎のコメントを出している。

ESPNによると、3年総額5100万ドル（約73億4400万円）で合意したと報じられている。平均年俸は1700万ドルで、昨季の626万ドルから3倍近い大幅アップとなる。

再契約で大きな飛躍を遂げそうな八村選手だが、税金も飛躍的に伸びるのだろうか。福留聡税理士に聞いた。

●米国連邦所得税＋カリフォルニア州税を計算すると？

前提として、独身でロサンゼルス・レイカーズがあるカリフォルニア州在住と仮定して、年俸=事業利益＝課税所得と仮定して米国所得税を算定します。

米国在住183日以上で米国所得税の申告義務者になります。なお、カリフォルニア州は住んでいる間の所得全てに対して州税がかかります。

ちなみに、八村選手は日本の所得税法上は非居住者のため（国内に「住所」があり、または、現在まで引き続いて1年以上「居所」がある個人である居住者以外を非居住者と言います）、国内源泉所得（日本国内で獲得した所得）のみ所得税率20.42%で日本の所得税が源泉徴収されますが今回のケースでは、日本での収入はないものと仮定し日本の所得税は0と仮定します。

年俸ベースで連邦税、カリフォルニア州税とも算定し、基礎控除等控除項目はないものと仮定します。なお、連邦税、カリフォルニア州税とも2022年、2023年で税率に変更ありません。

年俸1,700万ドルの場合、最高税率となり、$174,238.25 ＋ 37% ×(1,700万ドルー$578,125)＝約625万ドル、1ドルおおむね142円のため、米国連邦所得税はおおむね8億8,750万円になります。

さらに、カリフォルニア州税は、最高税率となり、計算式は、$65,835.52 + 12.3% ×(1,700万ドルー$677,275）=207万ドル、1ドルおおむね142円のため、カリフォルニア州税はおおむね2億9,394万円になります。

米国連邦所得税＋州税を合計すると、おおむね11億8,144万円になります。

●昨季の年俸にもとづく税金と比較すると？

年俸626万ドルの場合も米国連邦所得税は最高税率となり、$174,238.25 ＋ 37% ×（626万ドル-$578,125)＝約227万ドル、1ドルおおむね142円のため、米国連邦所得税はおおむね3億2,234万円になります。

カリフォルニア州税も最高税率となり、$65,835.52 + 12.3% ×(626万ドルー$677,275）=75万ドル、1ドルおおむね142円のため、カリフォルニア州税はおおむね1億650万円になります。
米国連邦所得税＋州税を合計すると、おおむね4億2,884万円になります。

年俸が626万ドルから1,700万ドル（約2.71倍）になると米国連邦所得税とカリフォルニア州税を合計すると4億2,884万円から11億8,144万円へ7億5,260万円増加（約2.75倍）になります。

【取材協力税理士】
福留 聡 （日本・米国ワシントン州）公認会計士、（日本・米国）税理士、公認不正検査士、行政書士
監査法人で上場企業の監査業務等を経験後、IPO支援、決算支援、IFRS導入支援、日米の法人の税務顧問等を行っている。本、雑誌、DVD等で約50の出版をしており、代表的な著作として『7つのステップでわかる税効果会計実務入門』がある。
事務所名 : 福留聡税理士事務所、福留聡国際会計アドバイザリー株式会社、福留聡クラウド会計給与合同会社
事務所URL：http://www.cpasatoshifukudome.biz/