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月次決算

月次決算とは - 業務の流れや手順、5つのメリットを解説

(著者:公認会計士 税理士・河野雅人)

決算というと、1年間に一度の年次決算(本決算)のイメージが強いですが、年次決算と同じくらい重要な業務として「月次決算」があります。

月次決算は法律的な義務はなく、手間がかかり面倒だという理由で、実施していない企業も多いでしょう。ところが中小企業などでも月次決算を行うことで、かかる手間や費用以上に得られるさまざまなメリットがあるのです。

そこでこのページでは、月次決算を行うことで得られるメリットや、実際の手順などについて解説します。

目次

月次決算と年次決算の違い

「月次決算」は、自社の財政状態を把握するために月ごとに行われる決算業務のことです。

月次決算を行うことで、前月までの予算達成度合いや業績について、経営者がリアルタイムで確認することができます。

月次決算は毎月の決算を企業が任意で行うもので、法的に義務付けられているものではありません。

これに対し、事業年度末において行う「年次決算(本決算)」は、株主総会での報告や税務申告・納税のために行うもので、法人や事業を行う個人は年に1回行うことが義務付けられています。

月次決算の5つのメリット

毎月決算書を作成するのは手間がかかりますが、月次決算を行えば、経営者にとっては次のようなメリットがあります。

<メリット1>タイムリーに経営判断が行える

経営者にとって、自社の経営状況をタイムリーに把握することはとても重要です。

最新の経営状況を把握することで、年度末の達成見込みや新規設備投資の決定といった意思決定が行えます。さらに問題や懸念事項があればすぐに対策を講じるなど、迅速な経営判断に役立てることができるでしょう。

<メリット2>資金繰りの状況が把握できる

利益は出ているが手元に現金がないなど、資金繰りに頭を悩ませる経営者も少なくないでしょう。

月次決算を行うことで損益や資産・負債に加えキャッシュフローの状況まで月ごとに見えてくるため、資金繰り状況が把握できます。ここでも、問題があればキャッシュフローの改善や、新規融資を検討できます。

<メリット3>資金調達や融資が有利になる

金融機関から資金調達を行う際、一般的に年次決算書だけでなく、直近の業績がわかる月次決算書(試算表)の提出が求められるケースも多くあります。

きちんとした月次決算書を作成・提出することで、融資がスムーズに行われやすくなります。

<メリット4>節税対策がしやすくなる

月次決算を行うことで、早い時期に年度末における利益予測をすることができます。それに伴い、法人税等の納税額予測も行うことができ、節税対策を検討する余地が生まれます

もちろん、赤字見込みの場合でも、利益確保のためのさまざまな対策を講じることができるでしょう。

<メリット5>年次決算の負担が軽減される

月次決算を行わずに、年一度だけの年次決算をするとなると、1年分の記帳や決算作業が短期間に集中し、経理担当者の負担が増大する可能性があります。

一方で月次決算を行えば、年次決算の際に経理担当者にかかる負担が軽減されるとともに、ミスを防ぐことにもつながります。

月次決算の手順

それでは、月次決算の手順について詳しく解説します。

月次決算を行う手順

<STEP1>残高確認と実残高の照合

現金・預金残高について、現金実査や預金通帳との照合を行い、帳簿残高と合っていることを確認します。残高が一致していない場合には、差異の原因を調査し、適切な会計処理を行います。

<STEP2>月次棚卸の確定

商品や製品を販売しているなどで、在庫を扱う会社は、月末在庫の数量について実地棚卸作業を行い、帳簿残高や商品有高帳との一致を確認します。差異があれば原因を調査し、適切な会計処理を行います。

月次決算では、棚卸資産管理手続きが整備されていれば、実地棚卸を省略できることもあります。

<STEP3>仮勘定の整理

日々の取引の中では、どのような支払いか、どのような名目の入金かわからないものもあるでしょう。そのような場合は、一時的に仮払金仮受金などの仮勘定で処理を行います。

そして月次決算時には、どのような取引だったかをまとめて担当者に確認した上で、適切な処理を行います。

<STEP4>経過勘定の計上

経過勘定の計上とは、前払費用未払費用など、現金の入出金のタイミングと計上すべき費用の間にタイミングのズレが生じる場合に行う処理です。

継続してサービスを受けている場合に、毎月代金を支払わず、1年分をまとめて後で支払うこともあるでしょう。このような場合、毎月の現金支払いはなくても、月額に換算して費用として計上する処理が合理的です。

このように、現金の入出金と計上すべき費用の間にタイミングのズレが生じる場合、月次決算において経過勘定として計上することで、正確な月次決算数値を出すことができます。

月次決算は発生主義で行う

会計処理には、「現金主義会計」と「発生主義会計」があります。現金主義の場合、商品を販売したり、仕入れを行った場合、現金が実際に発生するまでは会計上数字が反映されず、状況を正確に把握することができません。

そのため、取引が発生する都度、会計に数字が記録される発生主義で行うことがおすすめです。

<STEP5>費用の月割り計上

固定資産の減価償却費借入利息など、時間の経過により費用が発生するような場合は、1年間で発生する費用において、その12分の1の金額を月割りで計上し、月次決算に組み込ます

この作業を行うことで、正確な月次決算数値を出すことができます。

この1〜5までの手順を「決算整理」といいます。

<STEP6>月次試算表の作成

整理した会計処理を会計帳簿に反映し、月次試算表を作成します。

月次試算表は、貸借対照表損益計算表と同様の形式となっており、月次ベースの資産や負債、月次損益が確認できます

なお会計ソフトを利用すれば、日々の取引や月次決算を正確に行うことで、月次試算表が自動的に作成され、年次決算書の元となる資料となります。

<STEP7>月次決算書(事業報告書)の作成

月次試算表をもとに月次決算書を作成します。

任意のため決まった形式はありませんが、経営者に対する月次決算の報告書となるため、一般的には以下の書類を作成します。

  • 損益計算書
  • 賃借対照表
  • 資金繰り表
  • 予算実績比較表
  • 前期末比、前年同月比較表
  • 経営比率等の分析資料 など

これらの資料をもとに経営陣は今後の経営活動の意思決定を行います。

月次決算を効率的に行うポイント

月次決算は、月末から5〜7営業日を目安にスピーディに対応を行うことが大切です。月次決算を効率的に行うためのポイントは以下のとおりです。

<ポイント1>各部署の締切日厳守を徹底する

各部署から上がってくる請求書・納品書や経費精算の伝票などを、締切日厳守で提出してもらうよう徹底することが大切です。社外の取引先へも伝票などの締切日を徹底するように働きかけましょう。

<ポイント2>クラウド会計システムの導入

インターネット上で利用できる会計システムが、クラウド会計です。クラウド会計システムを導入することで、たとえば会社に出社しなくても、どこでも操作をすることができるほか、顧問税理士と遠隔での情報共有が可能です。

さらに、銀行口座やクレジットカードと連携することで、取引内容を自動登録できるなど、導入するメリットは大きいでしょう。

その反面、会計システムの使用料が発生するほか、操作に慣れるまでに時間がかかるなどのデメリットもあります。

<ポイント3>月次決算をアウトソーシングする

月次決算を行うために、経理担当者を1人採用するよりも、外部にアウトソーシングしたほうが、人件費の削減になりコストを抑えられる場合もあります。なお、アウトソーシングする際には、経理代行業者や税理士に依頼します。

顧問税理士がいる場合、月次決算書の作成やチェックまですべて依頼することができます。もし経営者が自ら決算業務を行っているのであれば、アウトソーシングすることで、本業に専念できるようになるというメリットもあります。

月次決算にかかる金額はいくら?

月次決算を税理士に依頼する場合、月次決算書の作成が顧問料に含まれる事務所もあれば、顧問料とは別に月次決算書作成と打ち合わせで2〜3万円程度の報酬が発生する事務所もあります。

なお、月次決算に対応している事務所は、経営コンサルティングにも力を入れているところがほとんどです。そのため、依頼することで有益な経営アドバイスを受けることができるでしょう。

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