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会計と税務の違いとは?減価償却費など扱いの異なる費用について解説

監修: 植崎 紳矢 税理士

事業を開始したばかりの経営者が理解しておくべきことのひとつとして、「会計と税務での利益の違い」があります。なぜなら、法人税等は税務上の利益に対して課税されるからです。

この記事では、なぜ会計上と税務上で利益が異なるのか、会計と税務で扱いが異なる費用とはどのようなものなのかをわかりやすく解説します。

目次

会計と税務で利益が異なる理由

会計における経費とは、利益を上げるために会社が支出した費用のことをいいます。一方で税務における経費とは、税金の計算上「損金」として計上できる費用のことをいいます。

一般的には、「支出=経費」が増えれば節税になると思われがちですが、税法上の「損金」に該当するものが増えなければ、実際の節税にはつながりません。

会計と税務は主な目的が異なるため、それぞれの利益額に差が生じることになるのです。

会計上の利益とは

財務会計の主な目的は、会社の経営成績や財務状態について正しく把握することにあるため、基本的には実態をベースにした利益となります。すなわち、収益から実際に支出した費用(経費)を差し引いた残りの金額が利益となります。

会計上の利益 = 収益 − 費用

実態をベースとしているため、収益には法人税の還付金受取配当金など、すべての収入が含まれます。

税務上の利益とは

税務会計の目的は、税金を計算することであり、公平に課税することや経済政策の推進のための計算基準となっています。

そのため、実際に支出した費用のうち税法上損金算入が認められている項目を、益金から差し引いたものが利益となります。

税務上の利益 = 益金 − 損金

益金とは、法人税法第22条第2項において定められた課税所得の基礎となる概念で、受取配当金の一部や税金の還付金などは除外されます(益金不算入)。

会計と税務で扱いが異なる費用

次に、会計と税務で扱いが異なる費用の具体例を紹介します。

減価償却費

会計上の減価償却については、あくまで「実態に則した使用年数」で計算して費用を計上すると考えられています。つまり、会社がその償却資産を何年使うつもりで購入したのかによって、減価償却する期間が変わってくるのです。

ただ、税務上もそのような取扱いをしてしまうと、同じ償却資産を保有している企業間で計上できる減価償却費に大きな差が出てしまい、公正な課税ができません。そこで税務上は、償却資産の種類や用途に応じて償却期間があらかじめ決められているのです。

これを「法定耐用年数」といい、税務上の減価償却費は、法定耐用年数で減価償却していくため、実態に則した使用年数との間にズレが生じるのです。

引当金

引当金とは、「将来的に発生する可能性がある費用や損失に備えるためのお金」のことで、会計上は、当期の損失として繰入れします。

【引当金の具体例】

貸倒引当金/返品調整引当金/賞与引当金/修繕引当金/製品保証引当金/売上割戻引当金/債務保証損失引当金

上記のうち、税務上も損金として認められる可能性があるのは、現状のところ「貸倒引当金」のみです。なお、損金算入できる額は、法人の規模などにより異なります

圧縮積立金取崩額

会計上は収益に該当しないが、税務上は益金に算入する項目として「圧縮積立金取崩額」があります。

法令解釈通達10−1−2および10−1−3によると、圧縮記帳による圧縮額を積立金として経理している資産につき除却等があった場合は、当該積立金の額を取り崩して益金の額に算入するという取り決めがあります。

罰金と反則金

罰金や反則金を支払った場合は、実際に支出しているため会計上は費用として処理しますが、税務上は異なります。

そもそも罰金や反則金は、法律違反のペナルティとしての性質があるので、損金算入を認めて利益を圧縮できるとすると、本来の意義に反することになります。

役員報酬

役員に対する報酬は増減することで、容易に利益をコントロールできてしまうため、原則は損金不算入となっています。

ただし、次のいずれかに該当する役員報酬については、損金算入が認められています。

定期同額給与

支払時期が1か月以下の一定期間ごとで、その事業年度の支給時期における支給額が常に同額である給与のことをいいます。

事前確定届出給与

いわゆる役員に対するボーナスで、支払時期や金額を事前に確定させることで損金算入が認められます。社内的に確定させるだけではなく、事前に書面にて所轄税務署長に届出する必要があります。

利益連動給与

同族会社以外の会社が役員に対して支給する給与で、一定の要件を満たすものをいいます。有価証券報告書に記載される指標をもとに給与を算定するため、中小企業で利用することはほとんどありません。

交際費

取引先との接待などに使われる交際費については、損金不算入が原則です。ただし、2020年3月末までは「交際費課税の特例措置」により、一定額までは損金として計上することが認められています。

資本金1億円以下の中小企業の場合

・A:定額控除限度額800万円までの交際費
・B:交際費(飲食費)の半額(上限なし)

接待飲食費が年間で1,600万円を超える場合は、Bを選んだほうが有利になります。

資本金1億円超の大企業の場合

・交際費(飲食費)の半額(上限なし)

大企業の場合は、接待飲食費のみが損金算入の対象となります。

おわりに

会計と税務の違いは、節税のためだけでなく、正しい申告と納税のために必要な知識になります。

事業をはじめたばかりの経営者の方で、会計や税務のことがよく分からないという場合は、税理士に申告業務などと一緒に記帳代行を依頼したり、自計化のための相談をしてみると良いでしょう。

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