生命保険料控除とは?計算方法や上限額、対象の保険料についてわかりやすく解説 - 税理士ドットコム

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生命保険料控除

生命保険料控除とは - 計算方法や上限額、対象の保険料について

生命保険料控除とは、「生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」を支払っている人が、所得控除を受けられる制度のことで、所得税や住民税の負担を減らすことができます。

控除額は支払った保険料に応じて決定しますが、対象とならない保険料もあるため注意が必要です。

このページでは、生命保険料控除の対象になる保険料や計算方法、手続きの方法までを解説いたします。

目次

生命保険料控除の対象者

生命保険料控除の対象となるのは、生命保険料を実際に支払った人になります。また、保険金の受取人が契約者本人(保険料の実際の負担者)かその配偶者、もしくはその他の親族(6等親以内の血族と3等親以内の姻族)の保険でなければ適用されません。

たとえば、「契約者:妻、被保険者:妻、受取人:子ども」という契約をしている生命保険料を夫が支払う場合、生命保険控除は妻でなく、夫に適用されます。

生命保険料控除の対象になる保険料

生命保険料控除の対象となる保険料は、2020年時点では「一般生命保険料、個人年金保険料、介護保険料」の3種類です。

どの保険に当てはまるか、生命保険料控除の対象となるか否かを自身で確認が取れない場合は、契約している保険会社で確認してください。

一般生命保険料

死亡保険や学資保険などの保険料のことです。

例外として保険期間が5年未満の、貯蓄保険や貯蓄共済は含まれません。また外国の保険会社と国外で締結した保険や信用保険契約、傷害保険契約、財形貯蓄契約、財形住宅貯蓄契約、財形年金貯蓄契約なども含まれません。

個人年金保険料

個人年金保険料税制適格特約が付加された、個人年金保険契約などの保険料のことです。適格特約がついていない場合は、一般生命保険料として扱います。

この個人年金保険料税制適格特約とは、生命保険料控除とは別に控除を受けることを認められた特約です。この特約を満たすには以下の条件を満たす必要があります。

  • 年金の受取人が、保険料を支払う人か、その配偶者であること
  • 年金の受取人が、被保険者と同一人であること
  • 年金を受けるまでに、10年以上の払込をしていること
  • 年金の受取が満60歳になってからの年金であり、かつ10年以上の定期または終身年金であること

介護医療保険料

医療保険、介護保険、がん保険などの保険料のことです。2012年1月1日に新しい制度が施行され、介護医療保険料も対象となりました。

例外として保険期間が5年未満の、貯蓄保険、貯蓄共済、信用保険、傷害保険契約に適用される保険は含まれません。また外国の保険会社と国外で締結した保険も含まれません。

また、新設前の2011年12月31日以前に契約した医療保険やがん保険、介護保障保険などは、旧制度の一般の生命保険料として扱われます

生命保険料控除の計算方法

生命保険料控除の計算方法は、その保険が「新制度」か「旧制度」かによって異なります。

以下の(1)から(3)の各控除額の合計額が生命保険料控除額となり、新制度は最高12万円、旧制度は最高10万円まで控除できます。

(1)新制度(2012年1月1日以後に締結した保険契約等)

【所得税の生命保険料控除】
年間の支払保険料※1 控除される金額
20,000円以下 支払保険料の全額
20,000円超 40,000円以下 支払保険料 × 1/2 + 10,000円
40,000円超 80,000円以下 支払保険料 × 1/4 + 20,000円
80,000円超 一律40,000円
【住民税の生命保険料控除】
年間の支払保険料※1 控除される金額
12,000円以下 支払保険料の全額
12,000円超 32,000円以下 支払保険料×1/2+6,000円
32,000円超 56,000円以下 支払保険料×1/4+14,000円
56,000円超 一律28,000円

※1「支払保険料」とは、その年に支払った金額から、その年に受けた剰余金や割戻金を差し引いた残りの金額をいいます。

(2)旧制度(2011年12月31日以前に締結した保険契約等)

【所得税の生命保険料控除】
年間の支払保険料※1 控除される金額
25,000円以下 支払保険料の全額
25,000円超 50,000円以下 支払保険料×1/2+12,500円
50,000円超 100,000円以下 支払保険料×1/4+25,000円
100,000円超 一律50,000円
【住民税の生命保険料控除】
年間の支払保険料※1 控除される金額
15,000円以下 支払保険料の全額
15,000円超 40,000円以下 支払保険料×1/2+7,500円
40,000円超 70,000円以下 支払保険料×1/4+17,500円
70,000円超 一律35,000円

※1「支払保険料」とは、その年に支払った金額から、その年に受けた剰余金や割戻金を差し引いた残りの金額をいいます。

(3)新制度、旧制度の両方に加入している

新制度と旧制度の両方に加入している場合は、以下のいずれかを有利選択して控除額を計算することができます。

  • 新制度の契約のみ生命保険料控除を適用する
  • 旧制度の契約のみ生命保険料控除を適用する
  • 新制度の契約と旧制度の契約の双方について生命保険料控除を適用する
    (この場合の控除額は、新制度の契約と旧制度の契約の合計額(最高40,000円)が控除対象となります。)

生命保険料控除の節税効果

所得税と住民税の税率がそれぞれ10%ずつの人と仮定し、この人が、旧制度で一般生命保険料を100,000円支払っている場合の節税効果は以下のとおりとなります。

所得税:「50,000円 × 10% = 5,000円」
住民税:「35,000円 × 10% = 3,500円」
5,000円(所得税) + 3,500円(住民税) = 8,500円の節税効果

ここでは所得税を10%で計算しましたが、所得税の税率は、課税所得金額によって7段階に区分されています。また、住民税も住んでいる地域によって税率が変わってきますので、実際の節税効果をシミュレーションするときは、自分のお住まいの地域の税率を調べてから計算してみてください。

ただし、節税目的で生命保険に加入することはおすすめできません。なぜなら、生命保険は将来に備えて加入するべきものだからです。

生命保険料控除が制度化されている背景は、生命保険に加入した人の税金負担を少なくするためです。単に節税目的で生命保険に加入すると、最終的には出費だけが嵩んだりと加入者にとって不利になる可能性もあるので慎重に判断してください。

生命保険料控除の申請手順

生命保険料などの各種控除は、確定申告、あるいは年末調整で申請をします。具体的な書き方については以下の記事で解説しています。

わからないことがあれば、税理士に無料で税務相談ができる「みんなの税務相談」を活用してみてください。また、自分では手続きが難しい・面倒という方は、税理士に確定申告を代行してもらうという方法もあります。

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