白色申告のメリットとは?青色申告の違いと申請手続き
白色申告とは、所得税と法人税の確定申告の種類のひとつで、もう一方の青色申告に比べて帳簿付けや確定申告が簡単という特徴があります。青色申告はさまざまな税制のメリットがあるので、青色申告を選ぶ事業者が多いですが、簿記の知識がない、手間をかけたくないという理由で白色申告がよいという事業者もいます。
- 白色申告ってなに?
- 青色申告と白色申告にはどんな違いがある?
- 白色申告にはどんなメリットがある?
- 白色申告をはじめるにはどうすればよい?
- 白色申告は自分でできる?
帳簿付けや申告が簡単という以外に、あえて白色申告を選ぶメリットはあるのでしょうか?このページでは、白色申告とはなにか、メリットや申請手続きについて解説いたします。
目次
青色申告と白色申告の違い
所得税および法人税の確定申告には、青色申告と白色申告の2つの種類があります。
事前に申請をする必要がなく、青色申告よりも簡単に記帳や申告ができるのが白色申告です。
青色申告は、事前申請と複式簿記での記帳が必要なので、この点が白色申告との違いです。手続きが煩雑な分、税制面で大きく優遇されています。たとえば、青色申告法人であれば「欠損金の繰越しや繰戻し」、青色申告者であれば「最大65万円の所得控除」などの特例制度があります。
白色申告の3つのメリット
白色申告には、青色申告のような税制優遇はありませんが、以下のようなメリットがあります。
事前申請の必要がない
白色申告は、事前に申請をする必要はありません。青色申告を選択しないときは自動的に白色申告となります。
青色申告をする場合は、税務署に事前に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。つまり、青色申告承認申請書を出しそびれた場合は白色申告になります。
帳簿付けが簡単
白色申告では、「現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳」の5つの帳簿が必要になります。
単式簿記での記帳が認められているため、簿記に詳しくない人や経理の経験がない人でも簡単に帳簿を作成することができます。1日分の合計金額を記入する、といった簡易的な方法での記帳が可能です。なお、これらを作成するために、領収書などはしっかりと保管しておきましょう。
税務申告がラクになる
白色申告は、青色申告よりも少ない書類で税務申告をすることができます。
個人、法人共に必要な書類は、収支内訳書と確定申告書です。収支内訳書は表裏2枚で構成されているため、ラクに作成ができます。青色申告で必要な貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を作成する必要はありません。
白色申告のやり方
メリットでも挙げたとおり、事前申請は必要ありません。確定申告書と収支内訳書があれば、白色申告をすることができます。
収支内訳書が必要
収支内訳書とは、白色申告で確定申告を行う際に提出する書類で、1年間の売上や仕入、経費等を記載します。また、収支内訳書には一般用、不動産所得用、農業所得用の3種類があるので、自身が該当するものを選択して使用しましょう。ちなみに、事業所得者は一般用を用います。
帳簿の保存が必須
以前は所得が300万円以下の白色申告者は、記帳と書類等の保存義務がありませんでした。しかし、2014年の法改正後から、事業を行っているすべての白色申告者に記帳と保存が義務付けられました。
2018年現在の保存期間は、以下のように定められています。
種類 | 期間 |
---|---|
法定帳簿 | 7年間 |
任意帳簿 | 5年間 |
その他書類(領収書、請求書、棚卸表等) |
法定帳簿は、白色申告者が単式簿記で記帳した帳簿のことで7年間の保存が必要です。収入金額と必要経費が記載されていれば書式は定められていないため、自由に作成することができます。のちに、収支内訳書に転記することを考えると、同じ科目で作成するのがおすすめです。
任意帳簿は、法定帳簿以外に任意で使った帳簿のことで、これと領収書や請求書などの書類は5年間の保存が必要です。
白色申告がおすすめなケース
2014年以前は、記帳と帳簿の保存義務がなかったため、この点が白色申告の大きなメリットでした。しかし、現在は単式とはいえ記帳と帳簿保存の義務があるので、昔ほど白色申告のメリットはありません。
その中でも、全く簿記の知識がなかったり事業規模が小さい、利益がほとんどないといったケースでは白色申告で問題ないといえます。
売上が上がってきたら青色申告がおすすめ
売上が上がるとその分支払う税金が増えます。青色申告であれば様々な場面における税制面での対応があるため、売上が上がったタイミングで青色申告を検討するのが良いでしょう。
また、複式簿記での記帳ができない、面倒という理由で白色申告を選ぶ方もいるでしょう。そういったケースでは、会計ソフトを導入することをおすすめします。最近の会計ソフトは、簿記の知識がなくても複式簿記での記帳ができるようにサポートが充実していたり、財務諸表も作ることができます。
なお、記帳や税務申告が面倒・できないという場合は、税理士にこれらの業務を依頼することもできますので、そちらも検討してみるとよいでしょう。
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※ショッパーズアイ調べ 2020年6月調査