『勘定より感情』・・・「100億円相続事典」から学ぶ“超”富裕層の思考パターンと相続の本質
相続税

20年以上にわたり、富裕層の相続をサポート・コンサルティングしてきた相続専門の税理士法人をグループにもつレガシィマネジメントグループが、長年培った知恵を結集した書籍を出版した。それが「100億円相続事典 1億円との徹底比較で見えてくる違い」だ。
資産100億円の“超”富裕層と、資産1億円の富裕層の相続のあり方を比較することで、それぞれの考え方や生き方を浮き彫りにすることを試みる形式の書籍となっている。
事典という名の通り、五十音順に項目が並び、100億相続と1億相続を比較。項目も愛人、跡取り(後継者)、人間関係、ボランティア、美術品など、興味深いキーワードが並ぶ。
そこで、著者であるレガシィマネジメントグループにインタビュー。今回出版に至ったいきさつや、超富裕層と富裕層の相続の違いなどを伺った。
●相続の本質は「勘定」より「感情」
ーー今回なぜ、資産100億円の”超”富裕層と、資産1億円の富裕層の相続のあり方を比較しようと思われたのでしょうか。
「当グループは、100億円規模の超富裕層のお客様をはじめ、多くの高額資産を持つ方々に寄り添い、長年相続をサポートしてきました。この経験から、相続は目に見える財産の承継だけではなく、目に見えない『理念』『社会的責任』『家族の価値観』なども、超富裕層では特に重要になると感じています。
100億円の超富裕層と1億円の富裕層の相続のあり方を比較することで、お金や税金の勘定以上に心の感情こそが大事(『勘定より感情』)という相続の本質を、より深く考えられるきっかけになればと考えました。」
●「社会貢献活動」「愛人」、同項目でも資産規模により、捉え方が異なる
ーー今回の本では事典形式が取られていて、興味深い項目が多数ちりばめられています。超富裕層と富裕層とでは、やはり項目ごとに捉え方が異なるのでしょうか。
「例えば『ボランティア』や『社会貢献活動』の捉え方は、資産規模によって大きく異なります。
超富裕層の場合、単なる慈善活動としてではなく、資産や事業を通じた社会的責任の実現という側面が強くなります。具体的には『財団の設立』や『大規模な寄付』など、より組織的・継続的な形での社会貢献を検討されることが多く、これらを相続計画に組み込むことも重要になってきます。
また、『愛人』や『人間関係』については、財産規模が大きくなるほど関係者が増え、相続に影響を与えるケースも増えます。家族関係が複雑な場合も多く、信託スキームの構築など、より感情に配慮した高度な相続対策が必要になります。」
ーーこの書籍はどんな方に読んでいただきたいと思われますか?
「本書は、100億円規模の財産所有者の方はもちろんのこと、ファミリービジネスオーナー、その後継者(アトツギ)やご家族、顧問税理士・弁護士の先生方、金融機関にお勤めの方にもお読みいただきたい一冊です。
また、現在富裕層でない方でも相続の本質を学び、超富裕層の思考を知ることで、未来の資産形成や家族との向き合い方や、超富裕層である取引先やビジネスパートナーとの関係構築にも役立つと考えています。」
●「高度な専門性」と「寄り添い力」で、最適な相続対策を提供
ーーレガシィマネジメントグループについてお聞かせください。相続のプロ集団として、日頃からどのようにお客様へ対応されているのでしょうか。
「当グループは創立以来60年以上にわたり、高い専門性と『勘定より感情』を重視したきめ細やかな対応を心がけております。相続は一度きりの出来事ではなく、次世代への円滑な承継のために、10年、20年という長期的な視点での計画立案と実行が必要となります。
お客様に最適な相続対策を提案させていただくために、当グループには2つの強みがあります。
ひとつは、相続専門家歴20年以上の経験をもち、高度で複雑な税務にも対応できる『プレミアム税理士』。
もうひとつは、家族の相続以外のお悩みも含め、世代を超えて真摯に寄り添い伴走する『レガシィ・コンシェルジュ』です。
この専門性と寄り添い力という2つの強みで、お客様一人ひとりに最適な相続対策を提供しています。」
●相続は単なる財産の分配ではなく、家族の想いや関係性が深く関わるもの
ーー現在、相続に関してお悩みの方へ何かアドバイスをいただけると幸いです。
「相続は単なる財産の分配ではなく、家族の想いや関係性が深く関わるものです。特に、高額な財産をお持ちの方ほど、事前の準備と専門家への相談が重要になります。
また、最近では相続・事業承継の分野においても、デジタル化のニーズも非常に高まっています。当グループでは、デジタル遺言アプリを開発中ですが、これは単なる遺言書作成ツールではなく、AIを活用し、ご自身の想いを適切に伝える遺言書を残すこと自体を、よりウェルビーイングに感じていただくことができるものです。
遺言は『財産を残す』だけでなく、『どのように生きたか』を表現する手段にもなります。ぜひお気軽にご相談いただければと思います。」
ーー最後に、この書籍の魅力について総括いただけますか。
「最大の魅力は、30年以上にわたり超富裕層の相続支援から得た、実践的な知見や相続の本質が詰まっている点です。相続専門家歴20年以上のプレミアム税理士が多数在籍し、3万件以上の相続案件実績があるからこそ、具体的で実践的な情報が盛り込まれています。
また、事典形式なので、気になる項目から自由に読めるのも特徴です。相続に関心があるすべての方に、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。」
【書籍概要】
『100億円相続事典 1億円との徹底比較で見えてくる違い』
価格:1,980円(税込)
著者:レガシィマネジメントグループ
発行元:日経BP
<レガシィマネジメントグループについて>
1964年創業、今年60年を迎える相続・事業承継専門の税理士法人を中心としたグループ。相続税・贈与税など資産税専門の税理士法人として業界の先陣を切って歩んできた税理士法人レガシィは、相続税申告・手続きをはじめとして、遺言作成支援等の相続対策、財産10億円以上の方のための富裕層向けプレミアムプラン、不動産コンサルティング、事業承継・M&Aコンサルティング、士業向け実務支援など様々なサービスを展開しており、累計相続案件実績件数は30,000件を超える。また近年では、デジタルサービスにも注力しており、『相続のせんせい』、『Mochi-ya』、『レガシィクラウド』、『サムシナ』、『デジタル遺言』など、幅広いデジタルソリューションを提供。
・URL:https://legacy.gr.jp/