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【2020年最新版】年金受給者の年末調整はどうする?確定申告が必要なケースは?

著者: 山田 大悟 代表税理士

急速な少子高齢化により労働人口が減少する中、就労意欲のある高齢者が働き続けられる環境が求められ、それに応じて各企業の定年も延長される傾向にあります。

また、平均寿命の延びや高齢化の進行にあわせ、公的年金の受給開始年齢についても繰り下げ受給などの選択肢が用意され、老後の働き方もより多様化してきました。

このような世の流れの中で、年金受給者となっても継続して働き続けることは珍しいことではなくなってきており、従業員に年金受給者がいるケースも増えてきています。では、「従業員に年金受給者がいる場合の年末調整」はどのように行えばよいのでしょうか。

目次

年末調整の対象となる人

そもそも年末調整は、給与所得者の月々の給料から差し引かれている、源泉所得税および復興特別所得税の総決算をする手続きのことです。

日本では、所得税は所得者自身が自分の所得とそれに対する税金を計算して納付する「申告納税制度」を建前としていますが、給料や賞与などの給与所得については、その支払者(会社側)が所定の税額表によって、あらかじめ税金を天引きして納付する「源泉徴収制度」が採用されています。

しかし源泉徴収制度は、たとえば期中での扶養親族の異動や各種の保険料控除、住宅ローン控除のような、年間の税額計算に必要な項目をすべてフォローしているわけではありません。

よって、1年間で計算された税額と源泉徴収の金額は、通常の場合一致しておらず、その不一致を精算するために年末調整という手続きがあります

このように、年末調整は給与所得者を前提とした手続きであるため、基本的にはパート・アルバイトも含めて対象者となります。

年金受給者の年末調整はどうなる?

それでは、従業員に年金受給者がいる場合、年末調整の事務においてどのような影響があるのでしょう。結論から言うと、年末調整の業務においては、年金の受給の有無は考慮しません

というのも、年金収入は所得税法の区分では「雑所得」となります。一方、給与収入は「給与所得」であり、前述のとおり年末調整の対象者はあくまでも給与所得者のみです。

そのため、年金受給者である従業員がいる場合であっても、年末調整で精算するのは給与所得のみとなります。

従って、年末調整の事務を実施する企業側の処理としては、従業員が年金を受給していようがしていまいが、年末調整の事務処理内容に変更はありません。

年金を受給している従業員は自身での確定申告が必要

一方、年金受給者でありながら年末調整を受ける従業員にとっては、年金が考慮されず、年末調整だけでは年間を通じた税金の額を計算することができません。

よって、給与収入と公的年金による収入の両方がある人は、原則として受給者自らが、年末調整された後に確定申告を行う必要があります。

確定申告の際、雑所得の金額は通常収入金額から必要経費を差し引いて計算しますが、公的年金等を受け取った場合は、年齢および年金額に応じて決められる「公的年金等控除額」を収入金額から差し引いて計算します。

年金受給者で確定申告が不要なケース

公的年金受給者であれば必ず確定申告をしなければならないかというと、そういうわけではありません。これは、公的年金等による収入が400万円以下で一定の要件を満たす場合には、所得税等の確定申告をしなくてもよいという制度があるためです。

具体的には、次の要件をすべて満たす場合には、確定申告不要制度の対象となります。

  • 公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下であり、かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる
  • 公的年金以外の所得金額が20万円以下である
    ※ただし、所得税の確定申告書を提出しない場合であっても、住民税の申告が必要な場合があるため、住民税については居住地の市町村に確認する必要があります

なお、遺族年金や障害年金は所得税法において非課税とされているため、そもそも所得税の対象にはなりません。

確定申告不要の場合でも、確定申告したほうがよいケース

確定申告が不要なケースに該当している年金受給者でも、以下のケースにあてはまれば確定申告をすることで還付を受けられる場合もあります。

一定額以上の医療費を支払った場合

その年の1月1日から12月31日までの間に。自己または生計を一にする配偶者やその他の親族のために一定額を超える医療費を支払ったときは、その医療費の額を基に計算される金額を所得から差し引くことができます。これを「医療費控除」といいます。

医療費控除は年末調整では考慮されません。大雑把な目安として、医療費が10万円を超えていれば、確定申告をすることで還付を受けられる可能性があります。

ふるさと納税など寄附金控除を受ける場合

国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、特定寄附金を支出した場合には「寄附金控除」といって、寄附金の額から計算される額を所得から差し引くことができます。

近年はふるさと納税として地方公共団体に寄付をするケースが増えていますが、ふるさと納税をした場合は確定申告を行って寄附金控除を適用しましょう。

ただし、ふるさと納税を行った場合でも「ふるさと納税ワンストップ特例」を利用すれば、確定申告をしなくてもふるさと納税の寄附金控除を受けることができます。

災害や盗難に遭った場合

災害または盗難や横領によって損害を受けた場合にも、確定申告を行うことで「雑損控除」という所得控除を受けることができます。ただし損害の原因となるものは次のいずれかの場合に限られます。

  • 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
  • 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
  • 害虫などの生物による異常な災害
  • 盗難
  • 横領
    ※詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けられません

「扶養親族等申告書」が届いた場合

公的年金の源泉徴収の対象者には、「扶養親族等申告書」が送付されます。これは、年金から源泉徴収される所得税について、配偶者控除等や各種控除を受ける際に必要な申告書です。

ただし、本人が障害者または寡婦・ひとり親に該当せず、控除対象となる配偶者・扶養親族がいない場合は、提出の必要はありません。また、勤務先に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している場合も、扶養親族等申告書の提出は不要です。

おわりに

年末調整は給与支払いの総決算の手続きであり、間違いの許されない極めて重要な事務です。年金受給者である従業員が今後増えていく中で、事務内容としては年末調整の対象外とはいえ、実際問題として従業員からの給与と年金に関する各種の質問を無視するわけにはいきません。

より複雑になっていく状況への対応と、誤りが許されない給与関連業務を確実に遂行していくために、アドバイザーとして税理士など専門家の力を借りることも検討するとよいでしょう。

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