年末調整|アウトソーシングの料金やメリットは?税理士と専門業者のどちらにすべき? - 節税や実務に役立つ専門家が監修するハウツー - 税理士ドットコム

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年末調整をアウトソーシングしたときの料金やメリットは?税理士と専門業者のどちらにすべき?

監修: 中田 博文 税理士

企業にとって、年末年始はさまざまな業務が立て込む慌ただしい時期ですが、中でも手間がかかる業務が「年末調整」です。特に中小企業では、総務や経理に多くの人手を割くことが難しいため、年末調整にかかる膨大な業務が大きな負担となります。

そこで、年末調整業務を外部委託(アウトソーシング)することを検討してみましょう。この記事では、年末調整をアウトソーシングしたときの料金やメリット、注意点について解説します。

目次

年末調整のアウトソーシングとは

年末調整とは、従業員の1月〜12月までの給与・賃金・賞与を元に所得税を計算し、源泉徴収した金額との差額を精算する手続きのことです。

年末調整の業務は、10月〜11月に税務署から送られてきた必要書類を従業員に配布し、書類と証明書を回収し、記述内容のチェックを行うことから始まります。12月の給与が確定したら正しい所得税額を算出し、還付または追加徴収を行います。

その後、翌年1月31日までに源泉徴収票や支払調書などの「法定調書」を税務署に、従業員が居住している市区町村へは「給与支払報告書」を提出します。

このような年末調整にかかる税額計算や書類の作成などの業務を外部に委託することを年末調整のアウトソーシング(代行)といいます。

年末調整業務の委託先としては、税理士のほか、専門業者からも選べます。

年末調整のアウトソーシング先と料金相場

原則として、税務書類の作成や税務代行は税理士だけが行える独占教務です。そのため、年末調整代行を依頼するときは、税理士または税理士が所属する専門業者に依頼することになり、それぞれの特徴や費用相場が異なります。

税理士

税務の専門家である税理士へ依頼した場合、年末調整業務のほかにも、税務相談や節税対策、資金調達などの相談ができるというメリットがあります。

料金は、従業員が10名前後の中小企業であれば、基本料金1〜3万円程度が相場となっています。従業員が一定数以上であれば、1人あたり1000円〜3000円ずつ加算される従量制となっていることが多いです。

さらに、源泉徴収票や給与支払報告書、支払調書、法定調書合計表などの書類の作成については別料金というケースもあります。

また、従業員がごく少数しかいない場合には顧問料の範囲で年末調整も対応可能な場合もありますので、税理士と顧問契約を結ぶ際にどこまで顧問料で対応できるのか確認してみましょう。

専門業者

税理士のほか、年末調整の代行業務を専門としている業者もあります。

料金形態は税理士に依頼した場合と同様に、基本料金+従業員人数に応じて加算される場合が多いですが、価格設定は税理士に依頼した場合よりも若干低めとなっていることが多いです。

そのため、給与計算は自社で対応できているが「年末調整だけスポットで依頼したい」「とにかくコストを抑えたい」という場合には、専門業者をアウトソース先として選ぶとよいでしょう。

年末調整をアウトソーシングするメリット

年末調整をアウトソーシングすることで、企業にとって次のようなメリットがあります。

法改正へ迅速に対応

年末調整は、度々行われる税制改正の影響を受けるため、税制改正に関する情報のインプットが欠かせません。税金の専門家ではない企業の担当者や経営者が年末調整を行う場合、最新の税法へ対応するのはなかなか困難です。

その点税務の専門家にアウトソーシングすれば、法改正にもきちんと対応したミスのない年末調整を行ってもらうことができます。

手間が省ける

年末調整業務が発生する11〜12月は、年末に向けて賞与計算や売上計上などの業務が立て込む時期です。その上担当者が年末調整業務に慣れていない場合は、対応が遅れがちです。ところが年末調整は、翌年1月31日までに申告を終えないと、不納付加算税延滞税などのペナルティが発生する可能性があるため、優先すべき業務となります。

こうした状況で年末調整業務をアウトソーシングすれば、担当者の事務的な負担を大幅に軽減することができます

コストが軽減される可能性も

社内業務を外注するとその分コストが発生しますが、年末調整のアウトソーシングに関しては、反対にコストを削減できる可能性があります。

年末調整のために、担当部署の残業が一時的に増加したり、追加人員を雇用すると、企業にとっては人件費増につながります。人件費がどれだけかさむかにもよりますが、専門家に委託したほうが、コストが低く済む可能性があるのです。

年末調整をアウトソーシングする際のポイントと注意点

企業にとって多くのメリットがあるアウトソーシングですが、依頼する際には以下のポイントに注意しましょう。

有資格者に依頼する

年末調整に伴う税務代行、税務書類の作成、税務相談は税理士のみが代行できる独占業務です。そのため、有資格者でないと法律違反となります。

また、税務のプロフェッショナルでないと、法改正への対応が不十分で、間違った内容で申告してしまうリスクもあります。委託する際には、税理士または税理士を抱える専門業者に依頼するようにしましょう。

セキュリティ管理を確認

アウトソーシングすると、従業員のマイナンバーや住所などの個人情報が記載された書類を委託先に預けることになります。

そのため、プライバシーマークなどの認証を取得しているかなど、万全なセキュリティ対策を講じているかどうかを事前に確認し、慎重に委託先を選ぶ必要があります。

費用対効果を検証

アウトソーシングをすると、委託先への外注費が発生します。料金は従業員の人数に応じて費用が変わる場合が多く、人数が増えるほど外注費も高くなります。そのため、あらかじめ見積もりを取り、社内で行なった場合と外注した場合とでかかる費用を比較し、検討しましょう。

その際には料金だけでなく、経営者や担当者が本業に専念できる時間を確保できるといった費用対効果もあわせて確認するといいでしょう。

相談しやすい委託先を選ぶ

アウトソーシングすることで、年末調整に関する知識やノウハウが社内に蓄積されません。そのため、たとえば書類に不備があっても見逃してしまったり、従業員から問い合わせがあってもすぐに対応できないといった恐れがあります。

そこでアウトソーシング先を選ぶ際には問い合わせに即時対応してくれたり、柔軟なアドバイスが受けられるかどうかを選択基準のひとつとしましょう。

アウトソーシングできる年末調整業務

アウトソーシングできる業務の範囲は次のとおりで、個々の業務ごとに依頼することも可能です。

申請書のチェック

従業員に提出してもらった各種申請書や添付証明書を取りまとめてアウトソーシング先に渡し、内容のチェックをしてもらいます。具体的には、扶養控除、保険料控除、配偶者特別控除、住宅ローン控除など各控除に応じ、申請書の記入漏れや添付証明書の不備などのチェックを行います。

年末調整データの作成

年末調整の情報が確定したら、従業員ごとに所得金額や各種控除などをまとめた年末調整データの作成が行われます。このデータは源泉徴収票の作成や、社内の給与システムに取り込むこともできます

源泉徴収票の作成

年末調整のデータを元に、従業員に配布する源泉徴収票の作成を行います。この書類には、1年間の給与や源泉徴収税額、社会保険料などが記載されていて、従業員への配布と税務署への提出が必要です。なお、税務署への提出は翌年の1月31日までと決められています。

給与支払報告書の作成

給与支払報告書とは、従業員の1年間の給与所得が記載された、住民税を算出するために必要な書類です。従業員の住所地を管轄する市区町村役場に対し、翌年1月31日までに提出する必要があります。

法定調書合計表の作成

法定調書は、税法によって税務署に提出が義務付けられている書類です。法定調書の内容をすべて記載したものが法定調書合計表で、主に従業員の給与、外部に支払った報酬、源泉徴収税額などについて記載し、翌年1月31日までに提出します。

おわりに

年末調整は年に1回の頻度ではあるものの、作業負担が大きい業務です。アウトソーシングすることで業務の手間を省けるほか、社内で行う場合よりも人件費を削減できる可能性もあります。

さらに税務の専門家である税理士に委託をすれば、より正確な申告を行うことができ、年末調整以外にも決算申告などさまざまな税務関連業務をサポートしてもらえます。

節税対策や決算対策などについても適切なアドバイスを受けることができるので、年末調整だけでなく、顧問契約を結ぶことも検討してみましょう。

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