二審無罪の「ドン・ファン」元妻、6.5億円ゲットの可能性 相続税はどうなる?
相続税
「紀州のドン・ファン」として知られる実業家・野崎幸助さん(当時77)の急性覚醒剤中毒死をめぐり、殺人罪などに問われた元妻(30)の控訴審判決で、二審の大阪高裁も無罪を言い渡した。
報道によると、検察側が最高裁に上告する公算が大きいが、最高裁でも無罪になる可能性がある。その場合、野崎さんの13億円の遺産については、相続の欠格事由にはあたらないことになる。
ただ、「全財産を田辺市にキフする」とした野崎さんの遺言書をめぐり、無効を訴える野崎さんの親族と田辺市との間での裁判が続いている。一審、二審ともに親族側の訴えを棄却しており、最高裁の判断待ちだ。
元妻が刑事で無罪になった上で、遺言書が有効とされた場合、田辺市が全額を取得した上で、遺留分(兄弟姉妹を除く法定相続人に最低限保障された遺産の取得分)の請求により、元妻が半分の6億5,000万円を得ることになるという。
この6億5,000万円にはどれくらいの相続税がかかるのか。鈴木洋輔税理士に聞いた。
●配偶者に認められた優遇制度がある
結論から言えば、相続税はゼロで、6億5,000万円がそのまま手元に残る可能性が高いです。
その理由は、配偶者に認められた特別な税の優遇制度にあります。
「配偶者が相続する場合、①法律で定められた取り分(配偶者の法定相続分相当額)、または②1億6,000万円のいずれか高い金額までは、相続税がかからない」という仕組みが税法上に定められています(相続税法第19条の2)。いわゆる「配偶者の税額軽減」です。
つまり、仮に1億6,000万円を超える額を相続しても、法定相続分の範囲内であれば相続税は課されないということです。
●受け取った額がそのまま手元に残ることに
今回のケースの相続人は、配偶者(元妻)と野崎さんの兄弟姉妹にあたります。この場合、法律上の配偶者の取り分(法定相続分)は遺産全体の「4分の3」。一方、元妻が遺留分として受け取れる割合は「2分の1」です。
受け取る割合(2分の1)が法律上の取り分(4分の3)の範囲内に収まるため、配偶者の税額軽減を適用すると相続税はゼロになります。遺留分として受け取る金銭債権も課税対象にはなりますが、この優遇制度を使えば税負担はかかりません。
最終的には、受け取った約6億5,000万円は基本的にそのまま手元に残ることになります。
【取材協力税理士】
鈴木洋輔(すずき・ようすけ)税理士
地主様の相続と土地活用を支える税理士。ご家族の想いや悩みに寄り添いながら、財産を守り、想いを次の世代へつなぐサポートをしている。
税務の専門知識はもちろん、「家族を想う気持ち」や「将来への不安」にもしっかり耳を傾け、安心して相談できる存在として、相続や土地のことで悩む方々から日々多くのご相談を受けている。
事務所名 :鈴木洋輔税理士事務所
事務所URL:https://famvision.jp/














