企業向け【2025年最新】税制改正で押さえておくべき5つの変更点を解説 - 税理士ドットコム

税理士の無料紹介サービス24時間受付

05075866012

  1. 税理士ドットコム
  2. 経理・決算
  3. 企業向け【2025年最新】税制改正で押さえておくべき5つの変更点を解説

企業向け【2025年最新】税制改正で押さえておくべき5つの変更点を解説

経理・決算

企業向け【2025年最新】税制改正で押さえておくべき5つの変更点を解説
ELUTAS / PIXTA

2025(令和7)年度の税制改正関連法案が、3月31日にようやく成立した。

一方で、日々の業務に追われて、まだ内容を把握できていないという担当者の方も多いだろう。そこで改めて、2025年からの税制がどのように改正されたか、法人税に関連する改正について、以下5つの事項を見ていこう。

1)中小企業者等の法人税の軽減税率の延長
2)防衛特別法人税(仮称)の創設
3)各種設備投資減税の延長
4)新リース会計基準への対応
5)電子帳簿等保存制度の電子取引に関する重加算税適用対象の見直し

●1)中小企業者等の法人税の軽減税率の延長

中小法人などの税金が優遇される制度として、中小法人の所得のうち、所得800万円以下の部分の法人税が本則19%のところ、15%に優遇される「法人税率の軽減措置」。

今回の改正により、期間が2年延長され、2027年3月31日まで適用となった。なお、所得金額が年10億円を超える事業年度は、所得800万円以下に適用される税率が17%に引き上げられた。さらに、適用対象法人の範囲からグループ通算制度を適用する法人が除外された。

●2)防衛特別法人税(仮称)の創設

防衛力を安定的に支える必要財源を確保するため、法人税額に対して税率4%を課税する「防衛特別法人税」が創設された。基準法人税額が500万円を超える企業が対象となる。2026年4月1日以後に開始する事業年度から適用される。

<計算式>
・(基準法人税額ー基礎控除500万円)✕4%ー税額控除

●3)設備投資にかかる優遇税制の延長

中小企業等が一定の設備投資をした場合に、特別償却または税額控除の適用が受けられる「中小企業投資促進税制」について、みなし大企業における判定の見直しを行った上で、期間が2年延長され、2027年3月31日まで適用となった。

また、中小企業等が特定経営力向上設備等を取得した場合に、特別償却または税額控除の適用が受けられる「中小企業経営強化税制」について、適用要件など一部見直しを行った上で、期間が2年延長され、2027年3月31日まで適用となった。

さらに、地域経済の活性化を目的として設備投資をした場合に、特別償却または税額控除の適用が受けられる「地域未来投資促進税制」について、設備投資額を1億円以上に引き上げるほか適用要件など一部見直しを行った上で、期間が3年延長され、2028年3月31日まで適用となった。

●4)新リース会計基準への対応

リース取引の会計処理について、2027年4月1日以後に開始する事業年度から新ルールが適用される。

なお、新リース会計基準を適用するのは、上場企業など金融商品取引法の適用を受ける企業やその子会社・関連会社が対象となり、中小企業等はその影響を受けない。

●5)電子帳簿等保存制度の電子取引に関する重加算税適用対象の見直し

電子取引では、申告所得税、法人税および消費税における電磁的記録に記録された事項に関し、隠蔽または仮装された事実に基づき期限後申告等があった場合には、重加算税の割合に10%が加重される。

ただし、特定電磁的記録であり、その保存が要件を満たす場合は重加算税の加重の対象から除外することとなった。これは2027年1月1日から適用される。

以上が企業にとって関係がある税制改正の内容だ。これらを踏まえ、鍵田貴之税理士に注意点や見解をいただいた。

●今後の経営判断に活かすためにも、自社に関連する改正がないか改めて確認を

ーー今回の企業向けの税制改正内容について、注意点などはあるでしょうか。また、全体を通じてなにか見解・ご意見などあればいただければ幸いです。

「今回の税制改正は、所得税などの個人課税に関する見直しが中心で、法人に関わる大きな制度変更はそれほど多くありません。『賃上げと投資が牽引する成長型経済』への移行を掲げた改正ではありますが、実際には防衛費の確保を目的とした新たな法人税が創設されるなど、企業にとっては負担が増える側面もあります。

また、中小企業向けの投資に関する税制では、条件の厳格化や投資金額の引き上げなどにより、制度を活用するためのハードルが上がっています。

一方で、売上高100億円超を目指す企業に対する支援策として、中小企業経営強化税制の対象に建物が加えられるなど、成長企業にとっては前向きな見直しもありました。

今後の経営判断に活かすためにも、自社に関係する税制改正がないか、今一度ご確認いただくことをおすすめします。」

【取材協力税理士】
鍵田 貴之(かぎた・たかゆき)税理士
2024年11月に独立開業。会計事務所のあるべき姿は「経営者・事業主の皆様にとって専門家の『仲間』であるべき」をモットーに、フレッシュな視点を持つ、税務のプロフェッショナルとして、経営者の成功を共に喜び共に目指している。新規開業サポートほか、建設業特化サポート、不動産特化サポートなども行う。
事務所名 :GOODSUN税理士事務所
事務所URL:https://goodsun-tax.jp/

経理・決算の他のトピックスを見る

新着記事

もっと見る

会員登録でメルマガをお届け!

税務のお役立ち情報を
無料でお届けします

登録する

公式アカウント

その日配信した記事やおすすめなニュースなどを、ツイッターなどでつぶやきます。

協力税理士募集中!

税理士ドットコムはコンテンツの執筆・編集・監修・寄稿などにご協力いただける方を募集しています。

募集概要を見る

ライター募集中!

税理士ドットコムはライターを募集しています。

募集概要を見る

「税理士ドットコム」を名乗る業者にご注意ください!