法人決算の手順や必要書類・納税期限のまとめ - 節税や実務に役立つ専門家が監修するハウツー - 税理士ドットコム

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【はじめての法人決算と申告】提出書類や手順・申告期限をわかりやすく解説

監修: 林 繁一 税理士

法人を設立して初めて迎える決算は、すべての経営者が乗り越えなければならない試練といっても過言ではありません。法人決算は企業の成績表である「決算書」と、税金を申告するための「申告書」のほか、作成しなければならない書類は多岐にわたるため、税理士など専門家の力を借りながら対応することが大切です。

そこで本記事では、初めて法人決算を迎える中小企業の経営者の方のために、法人決算の基本的な流れや、税理士に決算申告を依頼するメリットについて解説します。

目次

決算とは

決算とは、会計期間の経営成績と期末の財務状態を明らかにして、株主に対する業績報告と税務署への税務申告を主な目的とした手続きです。

おおまかには、決算業務で作成した決算書を受けて申告書を作成するという流れになり、その手続きをまとめて「決算申告」ともいわれています。

毎年2月15日から3月15日までの決められた期間に行う確定申告とは違い、法人決算は「会社が定めた事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内」に行う必要があります。

決算から納税までの手順

法人決算の大まかな流れについて解説していきます。

1)決算事項の確認・整理

法人決算に着手するにあたり最初に行うのが、決算事項の確認と整理です。次の3つの情報について間違いがないか確認しながら期首残高や期中仕訳を整理していきます。

  1. 帳簿類の整理
    領収書、請求書、通帳のコピーなどを確認し整理します。損金として適切に計上するためにはこれらの書類はとても重要なので、漏れのないよう確認することが重要です。
  2. 資産価額の確認
    帳簿上の資産価額に間違いがないか、現金や口座残高、その他固定資産などについて確認します。
  3. 負債の確認
    買掛金、借入金、支払手形などの金額について確認します。

整理した決算事項の内容は試算表にまとめます。

2)決算整理仕訳

決算整理仕訳とは、年をまたぐお金の動き(取引)について当期分と来期以降の分に仕訳けをする作業のことです。たとえば、すでに請求書を発行しているが入金予定が来期である取引を来期の売上げにしたり、来期に支払予定の請求書がすでに届いている取引は当期分の経費とします。

原則として取引の発生した時点を基準として計上する「発生主義」が基本となるため、現金の受け渡しに関係なく、取引の発生を基準として仕訳けすることがポイントです。決算整理仕訳の具体例としては以下の通りです。

  • 減価償却費の計上
  • 貸倒引当金の計上
  • 経過勘定(未払費用など)
  • 売上原価の確定
  • 棚卸資産の評価
  • 有価証券の評価替え

決算整理仕訳を終えたら、試算表を改めて確定させます。

3)決算報告書(決算書)などの作成

決算整理仕訳後の試算表をもとに、決算報告書などの作成をします。

決算報告書(決算書)とは、「貸借対照表、損益計算書、個別注記表、株主資本等変動計算書」など、1年間の収支や資産状況をまとめた書類のことです。会社法、税法、金融商品取引法上により、上記のほかキャッシュ・フロー計算書、事業報告書、附属明細表の作成・提出も求めらます。

決算報告書は税務署に対する開示義務があるほか、株主に対する報告や金融機関から融資を受ける際に提示することになります。

決算報告書に加えて、決算時には以下のような書類の作成も必要となります。

総勘定元帳

すべての取引を勘定科目ごとに記録した主要帳簿です。7年間の保存が義務付けられており、税務調査の際には必ずチェックされます。

勘定科目内訳明細書

勘定科目内訳明細書とは、貸借対照表や損益計算書における勘定科目の内訳書のことで、税務申告の際にも提出が必要になります。

預貯金等・受取手形・売掛金・棚卸資産など、勘定科目に応じて16種類に分かれているおり、会計ソフトを利用することで総勘定元帳や補助元帳などのデータから作成できます。

また、勘定科目明細書の作成が後になると利益が変動して法人税の再計算が必要になるため、できるだけ早めに作成することをおすすめします。

領収書綴り

領収書関係を整理して綴ったものです。7年間の保存が義務付けられており、税務調査の際には必ずチェックされます。

4)法人税申告と納税

決算残高の確認ができたら、各種税金の申告書を作成し納税します。

法人決算で申告納税する主な税金は「法人税・消費税・法人住民税・法人事業税」で、決算日から2か月以内に申告・納税が必要です。申請書類と提出先は以下のとおりです。

なお、どうしても期限までに間に合わない場合、法人税など一部の申告については一定の要件のもと手続きを行うことで期限を1か月延長することができます。

申請書類提出先
法人税申告書
(法人税及び地方法人税確定申告書)
複数の別表に加え、勘定科目明細書や決算申告書などを添付して提出します。別表は20種類あり、会計ソフトで作成できない書類なので、基本的には税理士などに作成を依頼するのが一般的です。税務署
法人事情概況説明書法人税申告書と併せて税務署への提出が義務付けられている書類で、事業内容、従業員数、経理状況、取引状況などについてまとめて記載します。税務署
消費税申告書消費税、地方消費税の申告する際に提出する書類で、課税事業者は課税区分により、以下の付表を添付します。
<本則課税>
・付表2−課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算表
・消費税の還付申告に関する明細書(還付申告の場合)
<簡易課税>
・付表5−控除対象仕入税額の計算表
税務署
地方税申告書法人住民税や法人事業税の申告書をする際に必要な書類です。都道府県によって提出する書類の様式や種類が異なります。都道府県税事務所・市町村

また、決算業務を税理士に委託した場合には「税務代理権限証書」も必要となります。

決算業務を税理士に依頼するメリット

決算から税務申告までの業務は、書類の多さや手続きの複雑さなどを考えると税理士に依頼したほうがよいでしょう。決算業務を税理士に依頼することで、大きく2つのメリットがあります。

ミスや申告漏れを防げる

税務申告をするためには、決算書の作成をはじめ申告書など多岐にわたる書類を期限までに作成しなければならないため、起業後まもない経営者の方が自ら対応するのは簡単ではありません。

また、税務申告は期限に1日でも遅れてしまうと期限後申告扱いとなってしまい、加算税や延滞税が加算されてしまいますし、申告内容にミスがあると修正申告が必要となったり、あるいは税務調査の対象となってしまう恐れもあります。

決算処理から税務申告までを税理士に依頼することで、期限までに正確な内容で申告が可能になるだけではなく、書類の作成にかかるコストを省くことができ、その分事業活動に専念することができるのです。

そのため、税理士報酬を支払ったとしても費用対効果で考えれば十分プラスになるでしょう。

決算のみなら報酬が安く抑えられる

ある程度の規模の企業であれば、決算業務は顧問をお願いしている税理士にそのまま依頼するのが一般的です。

しかし起業したてだったり、売上がまだ不安定な場合などで税理士との顧問契約が難しい場合には、決算業務だけをスポットで依頼することもできます。

税理士と顧問契約をした際の報酬相場は、毎月約3万円程度、年間で36万円が顧問料としてかかるほか、決算申告についても約10万円程度となっています。決算業務のみをスポットで依頼した場合の費用の相場は、約15〜25万円程度なので、費用を抑えたい場合はスポットでの依頼がおすすめです。

税理士と顧問契約をするメリット

前述のとおり、費用を抑えたい場合には決算業務のみを税理士に依頼するのもひとつの手ですが、税理士との顧問契約は、顧問料というランニングコストがかかるものの、決算業務のみを依頼した場合にはないメリットもあります。

効果的な節税対策が行える

決算申告のみの依頼では、税理士は年に一度しか企業の財務状態を確認できないため、効果的な節税アドバイスができません。

顧問契約を結び、日頃から税理士が企業の財務状態を把握することで、より総合的な判断からの節税アドバイスが受けられます。

資金調達のアドバイスが受けられる

決算書は税務申告だけでなく、金融機関から融資を受ける際にも重要な資料となります。

たとえば、とにかく節税を意識して利益をできる限り圧縮するような決算書を作成してしまうと、内容に間違いがなくとも利益の少ない会社とみなされ、融資審査が厳しくなることも考えられます。

顧問税理士であれば節税や融資など目的が偏った決算書を作るのではなく、経営全体を意識した決算処理が期待できます。

また、金融機関に提出する事業計画書の確認をしてもらえたり、面談の際には顧問税理士に同席してもらうことも可能です。

おわりに

法人の決算は当期の成績や財務状況を決算書で明らかにするとともに、法人税をはじめとする税務申告や納税も伴う手続きです。

実際、国税庁が発表している「国税庁実績評価書」の平成29年(2017年)度分によると、法人税における税理士関与割合は88.9%となっており、法人の多くが税理士に手続きを依頼していることがわかります。

また、万が一税務調査が入った場合にも顧問税理士の方が企業の現状を把握しているため、スムーズに対応することが可能です。

決算業務を税理士に依頼する際には、顧問契約とスポットによる依頼の仕方があり、どちらがより自社にとってメリットがあるのかについてよく検討しましょう。

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