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“法人一年目”必見!「法人成り」した初年度の決算で注意すべき8つのこと

個人事業が波に乗ると、「法人成り」で法人事業へシフトする人もいます。いざ法人になったとき、個人事業主としてすでに「確定申告」を経験していても、初めての決算月を迎えるにあたり不安なことも多いでしょう。そんな“法人一年目”の方のために、初めての決算申告時に知っておくべき8つのポイントをまとめました。

目次

法人としての決算申告

毎年2月15日から3月15日に行う個人の確定申告とは異なり、法人の場合は「法人税・法人住民税・法人事業税・消費税」などについて決算日の翌日から2か月以内に決算申告を行います。

決算申告の流れは「帳簿の整理→書類の作成→申告・納税+書類の保存」となり、大きくは個人の確定申告と異なりませんが、「総勘定元帳、領収書綴り、決算報告書、法人税申告書」など複数の書類を作成し、提出しなくてはなりません。

それには、決算整理仕訳や勘定科目内訳明細書の作成、残高試算表の作成などいくつかの複雑な手順がありますが、ここではまず基本的なポイントを押さえておきましょう。

事業開始日は登記申請をした日になる

決算申告は、事業が開始された日から決算日までの期間で申告します。「事業が開始された日」というのは必ずしも法人として実働を開始した日ではなく、登記申請をした日を指します。
つまり法務局が会社設立に関する書類を受理した日になるので、郵送で提出したのであれば書類が法務局に到着した日になります。

あるいは、オンライン申請の場合は受付時間が「8時30分から17時15分」ですので、17時15分以降に申請登録が完了した場合は翌日に受理されることになります。さらに、法務局の業務日は「月曜日から金曜日まで(国民の祝日・休日、12月29日から1月3日までの年末年始を除く)」のため、金曜日の17時15分以降に申請登録が完了した場合だと翌週月曜日となりますし、月曜も祝日であれば火曜日に受理されることになりますので注意しましょう。

そしてこの登記申請をした日が登記簿謄本の記載事項において「会社設立の年月日」として表示されます。

また、法人成りする際には必ず「定款」と呼ばれるその会社のルールをまとめた書面も作成しますが、定款には会社設立日は記載されていません。まれに、初めての決算申告時に会社設立日を忘れてしまうなんてこともあるようですが、その場合は定款ではなく「登記簿謄本」の確認が必要ですので、法務局の窓口や郵送、オンラインで請求し、内容を確認しましょう。

法人設立時にかかった費用は繰延資産として処理

法人成りするときにかかる費用は主に、会社設立までに必要な「創立費」と、事業開始までに必要な「開業費」とに分けられ、それぞれ具体的には以下のようなものが対象になります。

  • 開業費・・・広告宣伝費、交際費、交通費
  • 創立費・・・登録免許税、定款の印紙代、公証人などの手数料

いずれも法人としての事業が始まる前(=個人事業主であるとき)に費やしたお金ですが、個人事業の経費として計上するのではなく、法人成りした後の決算時に会計上の「繰延資産」として処理することになります。

償却方法は「均等償却」または「任意償却」のどちらかを選択でき、均等償却の場合は5年以内に均等して償却任意償却であればタイミングも金額も好きに決めて償却できます。つまり任意償却の場合、赤字の年は資産として計上せず、利益が出るようになったら計上し償却することが可能ですので、実際は任意償却で処理する場合が多いようです。

一方、オフィスの賃借料や水道光熱費、スタッフの人件費などは開業費・創立費にあたらないので、それぞれに適した勘定科目で処理することになります。

なお、個人事業の廃業日から法人としての事業開始日までは開業準備期間となりますが、その期間に売り上げが発生した場合は個人事業の事業所得として申告が必要になりますので注意しましょう。

帳簿はきちんとつけておく

帳簿には仕訳帳・総勘定元帳・日記帳からなる「主要簿」と、必要に応じて作成が必要な「補助簿」がありますが、最初に説明したとおり、法人の決算申告ではまずこの帳簿整理が必要です。

帳簿を付けてなかったり内容があいまいに記帳されていると、まずこの帳簿整理にものすごく時間がかかることになります。お金の流れを意識づけるという意味でも、決算申告時にミスをしないためにも、日頃から適時記帳しておきましょう。

また、記帳する際は請求書や領収書を失くさないよう管理・保管しましょう。 たとえば、領収書を失くしてしまうと決算申告時に「費途不明金」という扱いになり、「損金」(費用)の額として算入されず経費として計上できない恐れがあります。また、領収書はあっても請求書を失くしてしまった場合、現金の支出は証明できてもその支出の費用性の証明が困難になる恐れがあります。

帳簿を付ける、というと難しいイメージもあるかもしれませんが、最近は簡単に入力・計算できる会計ソフトやクラウドサービスもあるのでそちらの利用もおすすめです。

第3期以降の消費税の課税方法を選択する

なぜ第1期がやっと終わったところで、もう第3期の話が必要なのでしょうか?

新設法人の場合は、一般的には設立後の2事業年度は消費税の免税事業者となりますが、設立1期目の課税売上高が1000万円を超えると、第3期からは課税事業者となります。

消費税額の計算は「一般課税」あるいは「簡易課税」という計算方法があり、同じ売上金額でもどちらを選択しているかで税額大きく異なる場合があります。

これらの選択については法人にとって有利な方を選択すればいいのですが、もしも「簡易課税」を選択した方が有利であるなら、その届け出を第2期中に提出する必要があります。そして、そのどちらを選択するかを決定するタイミングは第1期の決算時であり、この最適なタイミングを逃すと忘れてしまいがちです。

翌期の役員報酬の決定について

役員報酬の金額は、毎月定期同額支給しないと法人税法上の費用に算入できません。
株式会社の場合、この役員報酬の金額変更は年に一度の株主総会でしか変更できず、決定した内容は「株主総会議事録」に記載することになります。
「株主総会議事録」は税務署へは提出しませんが、税務調査の際には不可欠となるので確定申告書と同じくらい重要な書類であることを認識しておきましょう。

個人事業主としての確定申告

法人成りする際にはまず、個人事業を廃業する手続きが必要です。

そして、個人事業を廃止した(=法人成りした)年の翌年の2月15日から3月15日には個人事業主として最後の確定申告が必要になります。個人の確定申告は法人の決算申告ほど大変ではないですが、以下の点に注意しましょう。

予定納税はしない

前年度に山林所得や退職所得、譲渡所得、一時所得、雑所得、または平均課税を受けた臨時所得がなく、災害減免法も適用されていない場合において、その年の5月15日の時点で前年度の事業所得にかかる所得税が15万円以上と確定されているのであれば、7月・11月の年2回にわたって所得税を前もって支払う「予定納税」の義務があります。
通常、予定納税の通知を受け取った個人事業主は、前年度に納付した所得税の1/3の金額を7月・11月それぞれで納付しなくてはなりません。

ところが、法人成りをした場合は個人としての事業所得が前年度より少なくなる場合がほとんどですので、「予定納税額の減額申請書」を提出することで予定納税額を減額できます。
もしくは予定納税額の減額を申請せず通知通りに納付した場合は、翌年の確定申告で多く支払った分に利子(還付加算金の利率)がついた金額で還付されます。

いずれにせよ、法人成りした翌年は個人事業主としての予定納税は免れますので覚えておきましょう。

給与所得も忘れずに申告する

法人成りすることで個人が会社から受け取る収入は「事業所得」から「給与所得」に変わります。このため、確定申告の際は、個人事業で受けた年の途中までの事業所得と、法人成り後に会社からもらった給与所得を合わせて確定申告を行います(退職所得以外でほかの所得があれば、そのいずれも合わせて確定申告が必要です)。

そのとき、給与所得の源泉徴収票も確定申告書に添付して提出する必要があるので忘れないようにしましょう。

青色申告特別控除は全額適用される

法人成りする個人事業主の多くは「青色申告」で確定申告をしているかと思います。
青色申告には最大65万円の特別控除がありますが、その特別控除は1年のうちどのタイミングで個人事業を廃業しても、控除は全額適用されます。

つまり、たとえば7/31で個人事業を廃業した場合、控除の対象となるのは7か月分の事業所得ですが、控除金額が12分の7に期間按分されることなく、全額分が適用されるのです。

個人事業税は見込控除で計上できる

個人事業の場合、事業所得には「個人事業税」が課されますが、同時に「事業主控除」が290万円まで適用されます。
言い換えれば、前年の事業所得が290万円以上であれば翌年から個人事業税が課される、ということになり、その金額は次のように計算されます。

{ 所得金額 + 基礎控除(290万円)}× 3〜5%

※税率は業種により異なります
5%:物品販売業、製造業、飲食店業、理容・美容業、医師、税理士、弁護士、薬剤師など
4%:畜産業、水産業など
3%:あんま・鍼灸、柔道整復、その他の医業に類する事業

上記の計算式で確定した納税額が書かれた納付通知が8月に届き、その後期限内に納付することになります。納付した個人事業税は、通常、次の年の確定申告で「租税公課」として計上できるのですが、タイミングによっては納付時にすでに個人事業を廃止し、法人として事業を開始していることもあるでしょう。

たとえば、個人事業を6月30日で廃業し、法人事業を7月1日に開始した場合などは、確定申告の対象期間が1月1日〜6月30日になるので、8月に納付した個人事業税は計上できません(もちろん、法人の決算でも計上できません)。

その場合、個人事業税の「見込控除」という制度を利用することで、租税公課として計上できます。計算方法は次のとおりです。

(A ± B)× R ÷ (1 + R)= 見込控除額

A:事業税の課税見込額を控除する前の、廃業した年の事業所得額
B:Aに対して加算または減算する金額
  ・加算する金額:青色申告特別控除額(65万円又は10万円)
  ・減算する金額:事業主控除額290万円(月数按分)
R:事業税の税率(5%~3%)

所得税は住民税は経費として計上できませんが、個人事業税に関してはこの計算で出た金額を経費計上できるので、法人成りした翌年の確定申告では忘れずに処理しましょう。

おわりに

個人と法人の確定申告は、税額計算の考え方や作成書類がまったく異なるものです。

法人の決算も個人の確定申告同様、正しい知識があれば自分で行うことが可能です。ただし、税務についてよほど詳しい場合でない限り、担当者にとってかなりの負担になるでしょう。

したがって、ある程度売り上げが見込めるならば、税理士に依頼して決算申告を代わりに行ってもらう方がよいかもしれません。決算書の作成だけを依頼することもできますし、毎月の記帳を代行してもらうこともできます。

また、「顧問税理士」として契約するのもひとつの手段です。顧問税理士であれば、記帳の代行から決算書の申告はもちろん、税務のプロの目線で節税対策や経営アドバイスをしてもらうこともできますので、法人成りをすることになったら、頼れる税理士を見つけておくといざというときにも安心です。

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