個人事業税とは?計算方法や対象となる事業者、経費計上のしかたまでわかりやすく解説 - 節税や実務に役立つ専門家が監修するハウツー - 税理士ドットコム

税理士の無料紹介サービス24時間受付

05075866977

  1. 税理士ドットコム
  2. 税金・お金
  3. 税金・お金のハウツー
  4. 個人事業税とは?計算方法や対象となる事業者、経費計上のしかた

個人事業税とは?計算方法や対象となる事業者、経費計上のしかた

監修: 木地 健介 税理士

フリーランスなど、個人事業主として事業活動を行っている場合は、毎年さまざまな税金を納める必要がありますが、そのひとつに「個人事業税」があります。

個人事業税は特定の事業を行っていて、一定の所得を超えると課税対象となります。ただし、所得税や住民税などの税金と異なり、経費として計上することが可能です。

このページでは個人事業税とはどういった税金なのか、課税対象となる条件、税額の計算や納税方法、経費計上のしかたについて解説します。

目次

個人事業税とは?

個人事業税」とは、一定の事業を営む個人事業主が納める税金のことです。

事業を営む人にかかる事業税には「個人事業税」のほか「法人事業税」があり、こちらは法人が営む事業に課されます。

このような事業税は「地方税」の1種で、事務所や事業所が所在地する都道府県に対して納税します。よって個人事業を開始した際は、税務署への開業手続のほか、都道府県税事務所へ「事業開始等申告書」を提出します。

徴収された事業税は各都道府県が行政サービスを提供するための財源として使われます。

※法人にかかる税金については以下の記事で解説しています

個人事業税が課される人

個人事業税は、以下3つの条件に当てはまる場合に課税対象となります。

  • 個人事業主である
  • 法定業種に該当している
  • 所得合計額が290万円を超えている

個人事業主である

前述したとおり、個人事業税の対象者は個人で事業を行っている人です。法人の場合は法人事業税に該当するので対象ではありません。

法定業種に該当している

個人事業税が課される事業は「法定業種」として、70種類の業種が該当し、それぞれ3つの区分に分けられています。

この法定業種に該当しない場合は、個人事業税は課税されません。ただし、多くの事業はいずれかの区分に当てはまるため、ほとんどの方は個人事業税の対象者となります

なお、法定業種に該当しているかは事業の実態から判断されます(法定業種の詳細については後述します)。

所得合計額が290万円を超えている

個人事業税は対象者の年間合計所得額に対して課税されます。ただし個人事業税には年間290万円の事業主控除が設けられています。

つまり、合計所得額が290万円を下回る場合は、個人事業税は課税されません

個人事業税の計算方法

個人事業税の金額は以下の計算式で算出できます。

個人事業税 =(合計所得額 + 青色控除額 - 各種控除額)× 税率

合計所得額:収入から必要経費や青色申告特別控除等を差し引く

前年1月1日~12月31日の1年間に発生した収入から、必要経費や青色申告特別控除等を控除して計算します。

個人事業税で対象となる所得は「事業所得」または「不動産所得」で、場合によっては「雑所得」も含まれることもあります。

専従者がおり、各要件を満たす場合には、事業専従者給与(または控除)の額も差し引きます。

事業専従者給与(または控除)の額

  • 青色申告の場合
     その給与支払額(所得税の事業専従者給与額)
  • 白色申告の場合
     専従者が配偶者のとき・・・控除額最大86万円
     上記以外・・・1人につき最大50万円

青色申告特別控除:全額を足し戻す

青色申告特別控除は所得税の控除制度であり、所得税にのみ適用されます。そのめ、個人事業税を算出する際には青色申告特別控除によって控除した65万円(または10万円)を足し戻して計算します。

各種控除額:最大290万円の事業主控除額+繰越控除

個人事業税の控除項目には「繰越控除」と「事業主控除」の2種類です。所得における「基礎控除」は適用されません。

繰越控除
損失の繰越控除青色申告者で、事業所得が赤字の場合、翌年以降3年間、繰越控除ができる
被災事業用資産の損失の繰越控除白色申告者で、地震・風水害などの自然災害で事業性資産に損失が出た場合、翌年以降3年間、繰越控除ができる
譲渡損失の控除と繰越控除直接事業に使う資産を譲渡して出た損失額を控除できる(青色申告者なら翌年3年間可能)
事業主控除
年間290万円控除できる。事業年数が1年未満の場合は、事業月数に応じた月割りで計算した控除額を適用

税率:法定業種に応じて3〜5%

法定業種には3つの区分が設けられており、税率は業種に応じてそれぞれ3〜5%となっています。各種控除額を差し引いた課税価額に税率を乗じることで、個人事業税額を算出できます。

法定業種と税率 : 東京都の場合
区分税率事業の種類
第1種5%物品販売業、保険業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、電気供給業、土石採取業、電気通信事業、運送業、運送取扱業、船舶定係場業、倉庫業、駐車場業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、料理店業、飲食店業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、両替業、公衆浴場業(むし風呂等)、演劇興行業、遊技場業、遊覧所業、商品取引業、不動産売買業、広告業、興信所業、案内業、冠婚葬祭業
第2種 4%畜産業、水産業、薪炭製造業
第3種5%医業、歯科医業、薬剤師業、獣医業、弁護士業、司法書士業、行政書士業、公証人業、弁理士業、税理士業、公認会計士業、計理士業、社会保険労務士業、コンサルタント業、設計監督者業、不動産鑑定業、デザイン業、諸芸師匠業、理容業、美容業、クリーニング業、公衆浴場業(銭湯)、歯科衛生士業、歯科技工士業、測量士業、土地家屋調査士業、海事代理士業、印刷製版業
3%あん摩・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復その他の医業に類する事業、装蹄師業

システムエンジニアは個人事業税の課税対象になる?

システムエンジニアやプログラマーなどの職種は、各都道府県によって課税対象かの判断が異なります。基本的には「業務委託契約」ではなく「請負契約」の場合、第1種の請負業に該当するとみなされ、課税の対象となるケースが多いとされています。実際には、都道府県に問い合わせたり、税理士などの専門家に相談するなどして確認しましょう。

個人事業税の計算例

実際に個人事業税がどれだけかかるか、下記の条件で計算してみましょう。

【CASE】
事業:レストラン経営(2年目)
合計所得額500万円、青色控除額65万円、各種控除:事業主控除のみ

  • 課税価額の計算
       500万円+65万円-290万円=課税価額:275万円
  • 税額の計算
       このケースでは第1種に区分されるため、税率は5%です。
       275万円 × 5%=個人事業税:13万7500円

個人事業税の申告方法

個人事業主として、所得税の確定申告や住民税の申告を行っている人は、個人事業税の申告は原則不要となっています。その際には、確定申告書Bの事業税の欄において、該当する項目を書き加えます。

確定申告書B

ただし、年の途中で事業の廃止手続きをした場合には、所得税の確定申告や住民税の申告とは別に、個人事業税の申告手続きをする必要があります。その場合は廃止日から1か月以内に行いましょう。

いつまでに支払う?納付期限と納付方法

8月になると、都道府県から個人事業税の納税通知書が送付されてきます。納付は原則8月11月の年2期に分かれ、納付期限はそれぞれ8月31日、11月30日となります(休日の場合はその翌日)。

なお、年の途中で事業を廃止した場合には、納税通知書に記載されている納期限までに納税を行いましょう。

納付方法

都税事務所や県税事務所の窓口で支払う以外にも、口座振替や金融機関の窓口やATMでの支払い、コンビニ払い、クレジットカード払いなどにも対応している場合があります。納税方法を確認した上で、都合のよい方法で納めるようにしましょう。

個人事業税は経費にできる

個人事業税は事業に関連して発生する税金のため、経費として計上することができます。個人事業税は「租税公課」という勘定科目で仕訳を行います。

租税公課とは、税金や公のために支払うお金のことで、国税や地方税などの「租税」と、国や地方公共団体への会費や組合費、賦課金などの「公課」を合わせた、会計上の勘定科目となっています。

個人事業税を支払ったときの仕訳

それでは、個人事業税を支払ったときの仕訳の例を紹介します。

CASE1 : 個人事業税10万円を事業用の銀行口座から引き出して支払った場合

借方貸方摘要
租税公課10万円普通預金10万円個人事業税

CASE2 : 個人事業税10万円をクレジットカード(決済手数料1,000円)で支払った場合

(1)クレジットカードで支払ったときの仕訳
借方貸方摘要
租税公課10万円未払金10万1,000円個人事業税
決済手数料1,000円   
(2)クレジットカード利用分の引き落とし時の仕訳
借方貸方摘要
未払金10万1,000円普通預金10万1,000円個人事業税

おわりに

個人事業主は、所得税や住民税を納める義務があることはわかっていても、個人事業税の納税については、あまり意識していないという方もいるでしょう。ところが多くの個人事業主は、個人事業税の課税の対象になります。

個人事業主やフリーランスの方は、あらかじめ個人事業税がかかるか、納税額や納税時期を把握するとともに、納税資金の準備などの対策を講じておくといいでしょう。

税金・お金に関する他のハウツー記事を見る

もっと見る

協力税理士募集中!

税理士ドットコムはコンテンツの執筆・編集・監修・寄稿などにご協力いただける方を募集しています。

募集概要を見る

ライター募集中!

税理士ドットコムはライターを募集しています。

募集概要を見る

税金・お金に関する税務相談Q&Aをみる

顧客満足度の高い税理士を無料でご紹介します。

このようなニーズがある方は、お気軽にご相談ください。

  • 税理士を変更したい
  • 初めての税理士を探したい
  • 相続税の申告をしたい
  • 会社設立・開業をしたい
  • 個人事業主の節税・申告をしたい
税理士選び〜契約までをサポート
  • 最短当日
  • 24時間受付
  • 年中無休
  • 全国対応