税務調査の対象となりやすい個人事業主とは?【税務調査ガイド】 - 節税や実務に役立つ専門家が監修するハウツー - 税理士ドットコム

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税務調査の対象となりやすい個人事業主とは?【税務調査ガイド】

「税務調査なんて、大企業に対して行われるもの」と考えている個人事業主の方もいるかもしれません。残念ながら、それは大きな間違いであって、税務調査は個人事業主に対しても実施されます。では、税務調査の対象となりやすいのはどういった個人事業主でしょうか。税務調査の対象になった場合に気をつけることと合わせて解説します。

目次

税務調査の実態

国税庁が発表している「平成28年度 所得税及び消費税調査等の状況」によれば、所得税に関する税務調査(実地調査)件数は約7万件となっています。この実地調査には「一般調査・特別調査」と「着眼調査」があって、それぞれの調査目的は次のとおりになっています。

  • 一般調査、特別調査:高額・悪徳な不正計算が見込まれる納税者を対象に行う調査
  • 着眼調査:申告漏れ所得などを把握するために短期間で行う調査

このように、所得税の実地調査は納税者が「不正や脱税をしていないか」「申告誤りをしていないか」などを確認するために行われています。

個人事業主の場合、一般的に以下のような特徴が見られると税務調査の対象となりやすいと言われています。

  • 売上高が大きい
  • 売上高に比べ所得金額が極端に少ない
  • 売上高や所得金額の変動が大きい
  • 脱税や申告漏れが多いとされる業種(風俗業、IT業、建築業など)

ただし、これらの項目に該当するからといって、必ずしも税務調査が入るわけではありませんし、反対に該当しない場合でも、税務調査の対象となる可能性は十分にありえます。そのため、税務調査を他人ごとと思わず、いつでも対応できるように準備しておくに越したことはありません。

業種別に見る税務調査の対象となりやすい個人事業主とは?

続いて、業種別に申告書でやりがちな間違いなど「税務署から目をつけられやすい点」を説明します。

フリーランス

フリーランスとして働いている場合、「売上の実態が把握しづらい」「報酬金額が高額になりやすい」などの理由から税務調査の対象となることがあります。

日頃から注意すべきこととしては「取引関係を明らかにしておく」という点です。報酬の出所はどこで、いくら報酬をもらったのかを証明できるようにしておきましょう。とくに、フリーランスのエンジニアやプログラマーといったIT関係の仕事ではあまり経費が発生しないと想定されるため、必要経費が多い場合は目がつけられやすくなるでしょう。

一人親方

とび工事や解体工事、防水工事などの建築関係の事業を行なっている「一人親方」と呼ばれるような、個人事業主が注意すべきは「外注費関係」です。

従業員を雇っていない場合、業務の一部を外注するケースも多いと思います。そのときに必ず領収書を受け取って、事業に必要な経費であることを証明できるようにしておきましょう。

農家

少し前の話ですが、2014年11月に大阪国税局が京都府、滋賀県、兵庫県の米農家に対して一斉に税務調査を行なったという事例があります。農業といえば昔は課税所得の捕捉率が低い業種でしたが、このように税務調査の対象となる可能性は十分にあります。

ですが、農家の方でいまだに確定申告をきちんと行なっていない方も少なくないようです。まずは毎年の確定申告を怠らないこと、そしてそのために日々の売上や費用を記録し、帳簿を作成しておきましょう。また、インターネットや道の駅などで直売している場合は、その売上管理も漏れやすいので気をつけましょう。

飲食店

飲食店のような現金商売の場合は、抜き打ちでの税務調査(無予告調査)が行われやすいといいます。

ただし、無予告調査はあくまでも「税務当局に正確な所得額などを把握させないように、納税者が違法行為・不法行為を行う恐れのある場合」に限られています。もし無予告調査が行われた場合、調査自体の拒否はできませんが、「税理士が来るまで待ってもらう」「調査日を改めてもらう」といった対応を取ることは可能です。なるべくお店の営業に影響しないような状況で税務調査を受けるといいでしょう。

その上で飲食店が気をつけるポイントは「売上管理」と「所得隠し」です。日々の売上高の記帳はもちろん、レジの打ち忘れや売上の不正な除外は行わないようにしましょう。

美容室や美容院

美容室や美容院に加え、エステサロンなども飲食店と同様に現金商売を行っているため税務調査の対象となりやすいです。特に、エリアや店舗の規模が同じくらいの同業者と比べて、売上が著しく少ない場合には、税務署の目に留まりやすいです。

気をつけるポイントも飲食店と同様に「売上管理」と「所得隠し」です。税務調査官は来店管理表などから正しく売上管理がされているかをチェックします。日ごろから来店数や売上高を管理して、指摘を受けないように努めましょう。

ネットショップ(EC)

最近では個人でネットショップを開業している方も多いです。そのため、税務当局もこうした人に向けた税務調査に力を入れるようになっています。

なかでも「複数のネットショップモールに出店している」ような場合には「すべてのショップの売上管理」に気をつけましょう。たとえネットショップの店舗名が違っても、リアルな小売業と同様に、すべての店舗の売上・費用を管理してしっかりと帳簿を作成することが大事です。

税理士に立会いを依頼した方がいい?

税務調査の対象となったときには税理士に調査当日立会いを依頼できます。そこで税理士が対応してくれること、税理士に依頼するメリット、依頼するタイミングなどを解説します。

税理士が対応してくれること

税理士は税務調査の当日だけではなく、「必要書類の準備・確認」や「書類の不備の指摘・是正」などといった事前準備にも協力してくれます。調査当日には「質疑応答のサポート」や「指摘内容の妥当性の判断」といった対応をしてもらえたり、もし税務署から指摘事項があった場合には修正申告が必要になりますが、その手続きまで対応してくれます。

税理士に立会いを依頼するメリット

税理士に立会いを依頼するメリットとしては、税務署とのやり取りや交渉を一任できる点や、不要な追徴課税を回避できる点があります。

税理士への報酬こそ発生しますが、納税者である個人事業主本人がひとりで対応するよりも身体的・時間的・精神的に負担が少なくて済むケースが多いです。

ただし、税理士といえども全員が税務調査に精通している訳ではありません。それぞれの税理士、税理士事務所によって得意とする税務の分野が異なりますので、なるべく税務調査に強い税理士を選ぶようにしましょう。

税理士に依頼するタイミング

税務調査は原則として事前通知によって実施予定日が連絡されます。事前通知が行われる目安は決まっていませんが「通知から調査までは相当の時間的余裕を置く」とされているため、事前通知が来た時点で、なるべくすぐ税理士に相談するといいでしょう。

とはいえ調査直近でも依頼を受けてくれる税理士もいるので、「やっぱり税理士にお願いしよう」と思った時点ですぐに探しましょう。

依頼費用の相場は?

税務調査の依頼料は、依頼内容・依頼日数などによって異なります。税理士や税理士事務所によって金額に差はありますが、依頼料の目安金額はおおよそ以下のとおりになっています。

  • 調査前の対応:3万円~5万円/1日あたり
  • 調査当日の立会い:3万円~5万円/1日あたり
  • 修正申告の代理手続き:10万円~20万円/1回あたり

なお、通常であれば税務調査は1~2日程度で終了となりますが、場合によってはそれ以上の調査日数を要することもあります。そのため、税理士に依頼する際には、報酬についてもよく考えるようにしましょう。

おわりに

大切なのは、日頃から売上管理や帳簿管理などをきちんと行っておくことです。それでも税務調査の対象となった場合には、事前通知が来た時点でなるべく早めに税理士に立会いの依頼をするといいでしょう。

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