元国税局職員の芸人による税務調査体験談「コピーを使って印紙税を不正、バレたらどうなる?」 - 節税や実務に役立つ専門家が監修するハウツー - 税理士ドットコム

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元国税局職員の芸人による税務調査体験談「コピーを使って印紙税を不正、バレたらどうなる?」

元・国税局職員、さんきゅう倉田です。好きな自販機は「収入印紙の自販機」です。

印紙税」という税金があります。印紙税に不可欠な「印紙」は、身近なところだと、領収証やレシートに貼られていて、印紙を貼ることで税金を納めたことになります。

税金ではないですが、役所で手数料を払う際にも印紙での支払いが求められることがあります。また、印紙の購入は、郵便局でもコンビニエンスストアでも可能で、入手難度は高くありません。

印紙税がもったいなくて貼るのを渋ったら

印紙税は、書類の作成に伴って納税義務が発生しますが、印紙を貼らなければならない書類は具体的に決まっています。

例えば、請負契約書とか不動産の売買契約書とか領収証などいろいろありますが、そういった取引があっても、書類を作成していなければ納税義務が発生しません

「印紙税がもったいないから」という理由だけで、大切な取引に関わる書類の作成を放棄するというのは理解に苦しみますが、実際にはそういった方もいますし、書類は作成するけれど印紙を貼らない人、貼ったように見せかける人もけっこういるものです。でも、調査が入ればそんなのはバレてしまうのです。

印紙税の不納付が発覚しやすい不動産業界

ある日、とある不動産会社に税務調査が入りました。不動産業といえば、印紙税の納付義務が発生する契約書がたくさんあります。調査官には印紙税の否認のノルマがありますから、他の税務調査で印紙税の不納付がなかなか見つからない分、不動産業には期待してしまいます。

一つの調査で1枚見つけるも2枚見つけるのも一緒ですが、たくさん見つけることにやりがいを感じる職業です。多くの時間を割いて、契約書を閲覧します。

調査対象の不動産会社は、不動産の売買を行っていました。1億円を超える取引はざらですから、当然、取引ごとに売買契約書を作成します。通常契約書は、自社の分と取引相手の分とで2通作成します。しかし、この会社は相手に契約書を渡し、自社ではそのコピーのみを保管していました。自分が良ければそれで良いのでしょうが、どうにもみっともない印象を受けます。

ただ、ここで、「みっともないなあ」と思うだけで終わらせないのが、税務調査。コピーをチェックします。印紙を貼り、印鑑を押して割り印とした上で、コピーを取っているようです。しかし、本当にそれだけなのでしょうか。自社の分はコピーを取って印紙税代を節約しようと考える会社です。もっと、悪巧みを画策するのではないでしょうか。

不動産の売買契約の印紙税は高額です。1億円以上の物件であれば、現在なら6万円の印紙税を納める必要があります。2通作成するなら単純計算で12万円。毎日取引があれば、膨大な金額になるでしょう。不正をしようと考える人間がいることに疑問を挟む余地はありません。

契約書のコピーから印紙税の不正を炙り出す

そこで、いくつか「契約書のコピー」のコピーを取って、不動産会社が契約書を交わした取引先へ反面調査に行くことにしました。反面調査とは、調査対象者の取引先に対して行う税務調査のこと。ただし、一般の方のところに行って反面調査をするのはやはり気が引けるもの。また、契約書も破棄している可能性だってありますので、不動産業者に絞って出向くことにしました。世間知らずと罵られる国家公務員も、仕事の効率と市民の皆様への心遣いは忘れないのです。

いくつかの不動産業者に反面調査をすると、やはり印紙が貼付されていない契約書が出てきました。今回の調査対象者との取引に関するもので、税務官の手元にあるコピーのコピーと内容がまったく一緒なので、原本のようです。ただし、コピーのコピーには印紙の跡がありますが、原本は印紙がついていない、まっさらの状態でした。原本のコピーを取らせていただき、早々に立ち去ることにしました。

さて、印紙税の不正を行っているであろう証拠が揃ったところで、調査対象の法人の社長を呼び出します。このような場合、こちらから再度出向くことはありません。基本的に呼び出しです。悪いことをしていてもしていなくても呼び出しです。今にして思えば、忙しい社長を気軽に呼び出すなんて、よくなんの負い目もなくできたものです。

やってきた社長に、印紙のことを聞いてみます。もちろん、反面調査に行っていたことは言いません。こちらの執拗な質問に対しても「貼ってますよ」の一点張りのまま。これは証拠資料を突きつけるしかありません。いよいよ、手元のファイルから、「原本のコピー」と、「コピーのコピー」を提示します。すると今までの強気はどこへやら、すっかり観念して、どのような方法で不正を行ったのか、白状したのです。

印紙税の不正で課される「過怠税」というペナルティ

その方法とは次のとおりです。契約書を作成すると、印紙を貼付する場所に印紙を置いてコピーを取ってから、そのコピーに割り印する方法で、印紙税の納付を免れていたそうです。モノクロコピーに割り印をすると、そこだけカラーになってしまうので、割り印ののちにコピーをし、それを保管していました。調査対象の不動産会社が保管していたのは、「コピーのコピーのコピー」だったのです。

さて、印紙税の不正を行うと、「過怠税」が賦課されます。もともと納付しなければならない印紙税の3倍の過怠税が課せられてしまいます。つまり、印紙税が6万円であれば、18万円も納めなければなりません。さらに、反面調査の分だけでなく、それ以外の契約書にも波及してしまうことを忘れてはいけません。

本来の3倍の税金が課せられるというのは、不正の罰則としては比較的重いものになります。今回の調査対象者も、割に合わないと感じて、以後改めるのではないかと思います。

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