個人にも税務調査は行われる?対象となる人や対処法を解説【税務調査ガイド】 - 節税や実務に役立つ専門家が監修するハウツー - 税理士ドットコム

税理士の無料紹介サービス24時間受付

05075866775

  1. 税理士ドットコム
  2. 税務調査
  3. 税務調査のハウツー
  4. 個人にも税務調査は行われる?対象となる人や対処法を解説【税務調査ガイド】

個人にも税務調査は行われる?対象となる人や対処法を解説【税務調査ガイド】

監修: 唐澤 寛 税理士

「税務調査」と聞くと大企業に対して調査が行われるようなイメージが強いかもしれませんが、法人や個人事業主として所得がある人以外でも、税務調査の対象となる可能性があります。

たとえば相続や贈与で財産を受け取ったり、会社員でも副業や投資で所得があった人などはその内容によっては税務調査の対象となり得るのです。

この記事では、一般的には縁がないと思われがちな「個人」を対象にした税務調査について詳しく説明します。

目次

そもそも税務調査とは

原則として日本では、納税者が自ら税金の計算をして申告・納付する「申告納税制度」が採用されています。しかし、すべての納税者が税の仕組みを完全に理解している訳ではないので、申告内容に誤りがあることも想定されます。

そこで税務署など国税庁の組織は、納税者に正しく納税してもらうよう「税務調査」を行っているのです。調査の対象は法人や個人事業主などの事業者のみならず、個人の納税者に対しても行われます

また、税務調査が行われる時期は税務署内の組織編成などの関係で夏の終わりから秋頃が多く、確定申告の時期である2〜3月ごろはあまり実施されないといわれています。

平成30事務年度における税務調査の概要

国税庁発表によると、所得税における平成30事務年度の実地調査件数は約7万3000件(特別調査・一般調査:約5万件、着眼調査:約2万3000件)、文書や電話での聴き取りなどによる簡易な接触は約53万7000件となっています。

なかでも富裕層や海外投資、インターネット取引を行っている個人に対して積極的に調査の取り組みがあったようです。

このうち申告漏れ等の非違があったのが37万4000件。申告漏れによる追徴税額は1195億円にものぼります。

税務調査が実施される確率としては法人に比べるとかなり低くはなりますが、それでも個人が税務調査の対象となり得る可能性はあるのです。

税務調査の対象となる可能性がある人

では、事業者では無い個人が税務調査の対象となり得る例を見ていきましょう。

遺産を相続したことがある

遺産を相続し、相続税の申告をした人のうち、相続財産2億円を超えるような人や、海外資産を保有しているような人は、調査の対象となりやすいようです。

相続税の申告を行なった人がどれくらいの割合で調査を受けるのか、というデータも公開されています。国税庁によると平成28事務年度では、相続税申告件数のうちおよそ20%に相当する12,116件に対して税務調査を行ったという結果も出ています。

これは、法人税などの税目に比べて高い割合となっています。税務署は、幅広いネットワークを駆使して申告状況をチェックします。法務局、市区町村、金融機関への確認はもちろん、生命保険会社への確認することもあるといいます。

ネットオークションなど副収入がある

近年、ネットオークションやフリマアプリで収入を得ている人も増えています。ちょっとくらいだから大丈夫と油断していると、税務署からお尋ねが来るかもしれません。ネットオークションも、年間に一定の金額以上の所得を得た場合、確定申告が必要となります。

たとえば会社員など給与所得者の場合は、副業での所得が20万円以上で確定申告が必要です。ただし販売するものが、古着や家財など生活の用に供している資産(生活用動産)であれば、得た所得は非課税になるので確定申告の必要はありません。

「インターネット上の取引なら、申告漏れをしてもどうせバレない」と油断している人もいるでしょう。しかし、税務署はそんなに甘くありません。実は、国税庁には「電子商取引専門調査チーム」があります。ネットオークションなど、電子商取引は年々増加していますが、それに伴って本来申告すべきであるにもかかわらず、申告をしない人も増加してます。その対策を進めるため、国税庁は取り締まりを強化しているのです。ときには、実際にオークションで落札して連絡先の情報をゲットすることもあるようです。

仮想通貨取引で利益が出ている

国税庁は2017年9月、ビットコインなどの仮想通貨を売却または使用したことにより生じる利益について、「雑所得」として「所得税の課税対象とする」という方針を出しています。つまり、仮想通貨投資で得た所得も金額によっては確定申告をする必要があり、その申告内容に対して税務署から調査を受ける可能性があるということです。

未成年や学生でも対象になる

未成年や学生であっても、一定の所得金額がある場合、納税義務が発生し、確定申告が必要になる場合もある、と所得税法などでは定められています。納税の意識を持ちにくい年代ですが、脱税にならないように、必要な場合には必ず、確定申告を行うようにしましょう。

資金援助や高額プレゼントをもらった

高額な資金や財産の移動(贈与)も税務署はチェックしています。

贈与税は通常、年間110万円超の贈与があった場合に課せられます。1月1日から12月31日までの一年間110万円を超える贈与を受けた場合、贈与を受けた人は、翌年の3月15日まで「贈与税の申告」をする必要があります。ただし親からの資金援助などについては、その目的によっては年間110万円を超える贈与であっても贈与税が非課税となる特例があります。

たとえば教育資金の贈与であれば最大1500万円、住宅取得を目的とした資金の贈与であれば最大3000万円まで贈与税が課せられません。

これらの特例は、法律上の要件を満たした上で、適切な手続きを行う必要があります。税務調査で指摘を受けないよう、資金の移動や贈与された資金の使い道などきちんと記録を残しておくことが大切です。

また、金銭以外の不動産や貴金属、車なども贈与税の課税対象となりますので、高額なプレゼントをもらったときにも贈与税の申告が必要かどうか確認しましょう。

家族間でのお金の貸し借りはどうなる?

家族間での高額な金銭の貸し借りをした場合、税務署からその金銭のやりとりが贈与と捉えられ、贈与税を課税されてしまう危険性もあります。

贈与ではないということを証明するためにも、たとえ家族間であっても「金銭消費貸借契約書」を作成したり、利息をつけて返済するなど、「金銭の貸し借りである」とはっきりわかる形を取ることが必要です。

税務調査の対象となったら

税務調査は大きく分けて「任意調査」と「強制調査」の2つの種類があります。

「強制調査」は、国税局査察部(いわゆるマルサ)が脱税額が大きい法人などを対象に実施するものなので、個人であればほとんど対象になることはないでしょう。したがって、個人の場合は「任意調査」の対象になる可能性が高いです。

任意調査は、原則として事前通知がなされます。事前通知は調査実施まである程度の時間的余裕を持ってなされますので、それまでに税務調査の対象となった税目に関する関係資料を揃えましょう。不安であれば税務調査の立会いを税理士に依頼することも可能です。

税務調査で申告漏れを指摘されたら

税務調査で調査官から申告漏れを指摘された場合、過少または不納分の税金に加え、場合によってはペナルティがプラスで発生します。

それらは一般的に「追徴課税」と呼ばれており、「延滞税」のほか、過少申告加算税・無申告加算税・不納付加算税といった「加算税」も課されることがあります。さらに、悪質な不正行為があった場合には最大50%もの税率になる「重加算税」が課されます。

ただし、調査官から指摘される前に自ら申告し直すことで、それらの加算税は免除されたり、軽減されることもあります。

理想の働き方で成功するために、

おわりに

税務申告をしたからといって税務調査の対象となるわけではありませんが、ずさんな申告をしていたり、そもそも申告を怠っている場合には、個人といえども税務調査の対象となる可能性は十分にあります。不安のある人は税理士に相談するなどし、正しく申告するようにしましょう。

税務調査に関する他のハウツー記事を見る

もっと見る

税務調査に関する税務相談Q&Aをみる

  • 法定書類の保管について

    納品書や請求書は原本保管が必須ですか。原本ではなくコピーやFAXで送信されたものを保管してはだめでしょうか。一度、別の人が国税局の方に納品書で問合せしたところ原...
    税理士回答数:  1
    2020年10月21日 投稿
  • 住宅ローン繰上返済による税務署のお尋ねについて

    現在住宅ローンが3000万ほどあり昔母がなくなった時に相続した金で約2000万円程繰り上げ返済を行おうと思っています。 しかし、こういった場合でも税務署によるお...
    税理士回答数:  1
    2020年10月21日 投稿
  • RSUの税務調査について

    以前勤めていた外資系企業でストックオプションの制度があり、毎年確定申告を行なっていました。しかし、平成28、29年度の調査をしたいと税務署から連絡がきました。会...
    税理士回答数:  2
    2020年10月20日 投稿
  • 国外資産 税務調査

    税務署より国外資産について調査出頭を要請されています。香港上海銀行に定期預金 株式 投資信託で5000万円を越えるため2017年度分より調査書は提出しています。...
    税理士回答数:  1
    2020年10月19日 投稿
  • 消費税還付

    法人決算の打ち合わせで、売り上げ減少ましたが持続か給付金により 利益が出ましたので法人税は少額でありますが納税になります。 消費税については還付になるのですが、...
    税理士回答数:  1
    2020年10月13日 投稿
他の税務相談を探す
分野

協力税理士募集中!

税理士ドットコムはコンテンツの執筆・編集・監修・寄稿などにご協力いただける方を募集しています。

募集概要を見る

ライター募集中!

税理士ドットコムはライターを募集しています。

募集概要を見る