「笛付き菓子」笛を使えないようにして税率8%に…苦悩する菓子メーカー「何とか作り続けたい」 - 税理士ドットコム

税理士の無料紹介サービス24時間受付

05075861865

  1. 税理士ドットコム
  2. 税金・お金
  3. 消費税
  4. 「笛付き菓子」笛を使えないようにして税率8%に…苦悩する菓子メーカー「何とか作り続けたい」

「笛付き菓子」笛を使えないようにして税率8%に…苦悩する菓子メーカー「何とか作り続けたい」

消費税

「笛付き菓子」笛を使えないようにして税率8%に…苦悩する菓子メーカー「何とか作り続けたい」
パイプ型チョコは税率10%だが、笛にフタをして8%にしている

10月1日に導入された軽減税率制度で、思わぬ影響を受けたのが、子どもたちが大好きな駄菓子です。お菓子の割合が多ければ軽減税率が適用されて8%、おもちゃの割合が多ければ10%になります。消費増税から1カ月たち、メーカーや小売り店にどのような変化があったのか、取材しました。(ライター・国分瑠衣子)

●10%になるはずだった笛付き商品、笛にフタをして8%に

軽減税率は、酒類をのぞく飲食料品と、定期購読される新聞に適用されます。国税庁の指針では、食品と食品以外が一つになった商品は「一体資産」とみなされ、(1)全体の税抜き価格が1万円以下(2)食品部分の価格が全体の3分の2以上を占める――といった条件に当てはまれば、軽減税率が適用されます。

このため、おもちゃ付きのお菓子は、8%と10%が混在する形になりました。例を挙げれば、チョコレートが価格の3分の2以上を占める「ビックリマンチョコ」は8%ですが、カード付きの「プロ野球チップス」は10%になるのです。

1928年(昭和3年)創業の駄菓子メーカー、チーリン製菓(大阪府八尾市)は、製造する駄菓子のうち、おもちゃ付きお菓子は全16種類。このうち10%の税率になるのは、ラムネやチョコの容器が笛として使える「プチシリーズ」4種類と、パイプ型容器に入ったパイポチョコ、色鉛筆の芯がついて書けるペン型容器に入ったカラーペンチョコ、方位磁石がついて使えるコンパス型容器に入ったコンパスチョコの計7種類です。

https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/asset.zeiri4.com/topics/1802.jpg

https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/asset.zeiri4.com/topics/1801.jpg

同社によると、軽減税率制度が導入される直前、商品を卸している小売店からは「10%の商品はできれば置きたくない」という要望が相次いだといいます。このため同社は急遽、笛が付いたお菓子の一部を8%になるように、容器のふたの部分にシールをはって笛として使えないようにしました(この場合、一体資産とみなされないため、8%になると考えられます)。この作戦が功を奏したのか10月の売り上げは想定よりは良かったといいます。

https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/asset.zeiri4.com/topics/1800.jpg

●「心を豊かにするお菓子」があだになった

同社がおもちゃ付きのお菓子の製造を始めたのは1970年代から。「おなかを膨らませるだけではなく、心を豊かにするお菓子を」というスローガンで、食べた後も遊びとして使えるお菓子を作ってきました。同社の福井憲治副社長は「今回の軽減税率は、それがあだになった格好です」と残念がります。「おもちゃ付きのお菓子はもちろん作り続けたい。でもメーカーの商売は、買い手があってこそ。消費者の方、小売店の方に納得してもらわなければなりません」と話します。

同社では、11月に入り、小売店が請求書を受け取った時の反応も不安視しています。例えば「月末締め、翌月末払い」の場合は、まだ8%と10%が混在した請求書を受け取っていない小売店もあります。「小売店が『面倒くさいので、10%の駄菓子は扱わないようにしよう』と判断することも考えられます」(福井副社長)。

福井副社長は「一定の価格以下の商品は一律8%にするなど別の運用ができないか」と提案します。自身も役員を務め、中小の駄菓子メーカーでつくる「一般社団法人DAGASHIで世界を笑顔にする会」として国に要望する考えもあるといいます。

●小売店、レジ打ちトレーニング積んで乗り切る

一方、駄菓子を販売する小売店に変化はあるのでしょうか。年間80万人の来場者が訪れる、岡山県瀬戸内市の「日本一のだがし売場」では10%の商品は黄色、8%の商品には白のシールをはっています。軽減税率制度が導入される前に数カ月かけて、従業員のレジ打ちトレーニングを積んできました。

今のところ目立った混乱はありませんが、担当者は「例えば卵形のチョコレートでも中にお菓子が入っているものと、おもちゃが入っているもので税率が違う。ラベルの色を分けるなどの手間がかかっています」と説明します。約3,000種類の商品をそろえるだけに、値札付けは大変そうです。

最大1万点の商品をそろえる、東京・上野のアメ横の老舗「二木の菓子」も、10%の商品には、「この商品は10%」という表示を付けていますが、売り上げに変化はありません。担当者は「プライスカードの作成など大変な思いで準備をしたが、ふたを開けてみれば、予想以上に消費者は冷静でした」と説明します。担当者によると、メーカーの中には、これまで販売していたキャラクター付きのチョコレート菓子に、ノンキャラクターを加えて8%の商品をつくる動きも出ているそうです。

町の小さな駄菓子店はどうでしょうか。カラーペンチョコやシール付きガムを販売する、東京都墨田区の駄菓子店の女性は「10%の商品だからといって子どもが買わないことはない」と話します。豊島区にある別の店舗も「そもそもおもちゃ付きお菓子は100種類扱っている中の1種類だけ。大した影響はありません」と同様の反応でした。

商品開発を進めるメーカーも、売る側の駄菓子店も「子どもを喜ばせたい」という気持ちは同じです。軽減税率の適用外になることで、メーカーが食玩製造を自粛することがないようにしなければなりません。

消費税の他のトピックスを見る

新着記事

もっと見る

公式アカウント

その日配信した記事やおすすめなニュースなどを、ツイッターなどでつぶやきます。

協力税理士募集中!

税理士ドットコムはコンテンツの執筆・編集・監修・寄稿などにご協力いただける方を募集しています。

募集概要を見る

ライター募集中!

税理士ドットコムはライターを募集しています。

募集概要を見る

「税理士ドットコム」を名乗る業者にご注意ください!