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消費税

消費税の納税額の計算から申告・納税方法まで

消費税とは、ものやサービスを消費した際に課税される税金です。商品やサービスの購入者である消費者が負担し、その商品の販売やサービスの提供を行った事業者が納税します。

商品等の流通過程における税の累積を排除するため、売上により受け取った消費税額から仕入等により預けた消費税額を控除して事業者の納付税額を算出します。

  • 消費税の納税額ってどうやって計算するの?
  • 消費税申告ってどうやるの?
  • 消費税申告や還付って税理士に頼むといくらかかる?

このページでは、消費税に関する基礎的な知識と、納税額の計算方法から納税までの流れを解説します。

目次

消費税のしくみと税率

消費税は、税金を負担する人と税金を納める人が違うというしくみの税金で、「間接税」に分類されます。

消費者側は、提示された消費税を支払えばいいですが、納税者である事業者側は、いくら消費税を預かり、いくら納付しなければならないかを正確に把握しなければなりません。そのため、消費税の税率が何%か、どのように納税額を計算するかを知る必要があります。

消費税は「国税部分」と「地方税部分」に分かれていて、税率は以下のとおりです。

適用開始日 現行 2019年10月1日
税率区分 標準税率 軽減税率
消費税率 6.3% 7.8% 6.24%
地方消費税率 1.7% 2.2% 1.76%
合計 8.0% 10.0% 8.0%

消費税の納税義務者(課税事業者)

消費税の納税義務がある事業者のことを、「課税事業者」といいます。

事業者が国内で取引を行う場合、事業として対価を得て行うものに対しては、消費税の納税義務を負うことになっています(非課税取引を除く)。納税義務を負うのは「事業者」に限定されているため、事業者ではない個人間の取引には納税義務が発生しません。

輸入取引の場合は、その輸入品を保税地域から引き取る者が納税者となっています。そのため、保税地域から輸入品を引き取った場合には、事業者でなくても納税義務が発生することになります。

納税義務が免除される条件(免税事業者)

国内で取引を行う事業者には納税義務が発生しますが、すべての事業者に納税義務が発生するわけではありません。

基準期間の課税売上高が1000万円以下の場合や、特定期間の課税売上高と給与支払額がどちらも1000万円以下の場合など、要件に当てはまれば納税義務が免除される「免税事業者」と判定されます。ただし、基準期間がない法人の期首の資本金額が1000万円を超える場合は、免税事業者にはなれません。そのほか詳細条件など、実際の判定は税理士にご確認ください。

課税売上高とは

事業を行ううえでの取引には、消費税がかかる「課税取引」と、消費税がかからない「不課税取引」「非課税取引」「免税取引」の4つの種類があります。この中の「課税取引」と「免税取引」における売上高の消費税抜きの金額が課税売上高となります。

課税売上高には以下のようなものも含まれます。

  • みなし譲渡の売上高額
  • 手数料収入や事業用固定資産の売却代金
  • 消費税、地方消費税を除いた他の個別消費税のなお、商品の返品を受けて、割引や割り戻しをした場合の対価の返還等にかかる金額は、課税売上高から控除します。

※免税事業者の場合は、消費税込みの金額が課税売上高となります。

取引の区分

消費税の申告・納付期限

消費税申告および納税は、原則として課税期間が終了した日の翌日から2か月以内に、納税地を所轄する税務署に対して行います。個人事業主の場合は、課税期間の翌年の3月31日までとなっています。

なお、課税期間中に課税事業者が亡くなった場合は、相続開始を知った日の翌日から4か月以内が期限となります。

課税期間の特例

「消費税課税期間特例選択・変更届出書」を所轄税務署に提出することで、以下のように申告・課税期間を短縮することができます。

課税期間 区分 申告・納税期限
3か月ごとの場合 個人 1月から3月分:5月31日まで
4月から6月分:8月31日まで
7月から9月分:11月30日まで
10月から12月分:翌年の3月31日まで
法人 その事業年度の開始の日以降、3か月ごとに区分した各期間の末日の翌日から2月以内
1か月ごとの場合 個人 1月から11月分:1か月ごとに区分した各期間の末日の翌日から2月以内
12月分:翌年の3月31日まで
法人 その事業年度の開始の日以降、1か月ごとに区分した各期間の末日の翌日から2か月以内

納税方法

納税方法は、以下のようなさまざまな方法を選択することができます。

納付手続 納付方法 必要なもの・手続き
ダイレクト納付 e-Taxによる操作で、預貯金口座からの振替によって納付する ・e-Taxの開始届出書の提出
・ダイレクト納付利用届出書の提出
インターネットバンキング等 インターネットバンキング等から納付する ・e-Taxの開始届出書の提出
・インターネットバンキング等の契約
クレジットカード納付 「国税クレジットカードお支払サイト」を運営する民間企業に納付を委託する ・クレジットカード
・決済手数料
コンビニ納付(QRコード) コンビニの窓口で納付する ・コンビニ納付用QRコード
コンビニ納付(バーコード) ・バーコード付の納付書
振替納税 預貯金口座からの振替によって納付する ・振替依頼書の提出
窓口納付 金融機関や所轄の税務署の窓口で納付する ・納付書
(金融機関の窓口で納付する場合)

これらの方法は消費税に限らず、法人税などの国税の納付手続きを行う際にも選択できます。

期限内に申告・納税できないとき

消費税申告や納税が期限に間に合わないときは、ペナルティとして「追徴課税」が課されます。

まず、期限内に申告ができなかった場合には最大30%の「無申告加算税」が、納税が間に合わなかった場合には、最大8.9%の「延滞税」が課されます。

期限の延長は認められない

法人税、法人住民税、法人事業税は、法人税法により申告期限の延長の特例が設けられているため、規定に基づく申告期限の延長が認められています。

しかし、消費税法ではそのような特例は設けられていないため、申告期限の延長はできません。

法人税等の申告期限を延長しており、消費税の申告後に税額の変更等があった場合には、修正申告、または更正の請求により税額の訂正を行います。

中間申告が必要になる事業者

消費税の納付額が一定額を超えると「中間申告」をする必要があります。中間申告とは、消費税の申告および納税を分割して行う方法のことで、事業者ごとに納付回数は異なります。

中間申告が必要となるのは、個人の場合は前年、法人の場合は前事業年度の消費税額が48万円を超えた事業者です。ただしこの48万円には地方税は含まれず、国税のみの額が基準となります。

中間申告の回数は、消費税額によって1回、3回、11回に分かれています。申告期限は申告回数によって異なるため、注意が必要です。

消費税納税額の計算方法

消費税の納税額の計算は原則として「本則課税」という方法で行うことになっています。

本則課税は、課税期間中の課税売上高にかかる消費税額(売上税額)から、課税期間中の課税仕入にかかる消費税額(仕入控除税額)を差し引いて納税額を求める方法です。

納税額 = 消費税額「売上税額 ー 仕入控除税額」+ 地方消費税額「消費税額 × 17/63」

地方消費税額は、消費税10%に増税したあとは「消費税額 × 22/78」と計算します。

簡易課税制度

簡易課税制度という、仕入控除税額をみなし仕入率によって簡素化して計算する方法があります。簡易課税による納税額の計算方法は以下のとおりです。

納税額=売上税額-売上税額×みなし仕入率

みなし仕入率は事業区分に応じて40%~90%の税率が適用されます。基準期間の課税売上高が5000万円以下で届出を事前にした事業者のみが適用できます。

還付が受けられるケース

売上税額よりも仕入控除税額が多い場合は、還付を受けることができます。

還付が受けられるケースとしては、仕入れや経費が多く赤字の場合や不動産の購入や設備投資などの高額な支出をしたときが挙げられます。

ただし、免税事業者である場合や簡易課税を選択している場合は、消費税の還付を受けることができません。消費税の還付が受けられることがあらかじめわかっている場合は、あえて課税事業者を選択したり、本則課税を選択するなどの対策が必要となります。

消費税申告の流れ

消費税申告は、おおまかに以下のような流れで行います。

1.申告書を用意する

まずは、消費税の確定申告書を用意します。申告書は、最寄りの税務署か国税庁のHPから入手できます。国税庁が運営するe-taxを利用して電子申告をすることも可能です。

e-taxによる電子申告では、申告から納税までをインターネット上で行うことができるので、申告書を提出するために税務署に行く手間を省くことができます。

2.必要な添付書類をそろえる

消費税申告に必要な書類は、本則課税か簡易課税かで異なります。

本則課税 ・付表2−課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算表
・消費税の還付申告に関する明細書(還付申告の場合)
簡易課税 ・付表5−控除対象仕入税額の計算表

添付書類は、いずれも税務署や国税庁のHPから入手可能です。

3.申告書を作成し、税務署へ提出する

申告書は、以下の手順で作成をします。

  1. 課税標準額および消費税額の計算
  2. 仕入控除税額等の計算、付表の作成
  3. 納付税額の計算
  4. 納税地欄等、付記事項欄等の記入

申告書が完成したら、納税地を所轄する税務署に持参または郵送で提出をします。また国税庁が運営するe-taxを利用して電子申告することも可能です。

消費税申告書の書き方

消費税申告書

以下より、消費税申告書の書き方を詳しく説明していきます(本記事では、2019年9月30日までに終了する課税期間に本則課税で計算することを対象とした書き方を紹介しています)。

まずは、課税期間中の売上高を「課税売上高」「免税売上高」「非課税売上高」に区分して集計します。このとき、課税売上割合も算出しておきましょう。

「この申告書による消費税の税額の計算」欄

消費税の税額の計算

(1)課税標準額、消費税額、控除過大調整税額

  • 課税標準額:課税売上高(税込み)に100/108をかけて、1000円未満の端数を切り捨てた金額
  • 消費税額:課税標準額で計算した金額に6.3%をかけた金額
  • 控除過大調整税額:付表2の23と24の合計額

※このタイミングで付表2を作成します→「付表の書き方」

(2)控除税額、中間納付税額

  • 控除対象仕入税額:付表2の22の金額
  • 返還等対価に係る税額および貸倒れに係る税額:対象となる金額があった場合、その金額に含まれる税額
  • 中間納付税額:中間申告によって納税した金額がある場合、その合計額

(3)課税売上割合

  • 課税資産の譲渡等の対価の額:付表2の4の金額
  • 資産の譲渡等の対価の額:付表2の7の金額

「この申告書による地方消費税の税額の計算」欄

地方消費税の税額の計算

(1)地方消費税の課税標準となる消費税額

  • 控除不足還付税額:申告書の8の金額
  • 差引税額:申告書の9の金額

(2)譲渡割額

  • 還付額:申告書の17の金額に17/63を乗じた金額
  • 納税額:申告書の18の金額に17/63を乗じた金額

(3)中間納付譲渡割額

中間申告をした譲渡割額がある場合、その金額の合計額

(4)消費税及び地方消費税の合計(納付又は還付)税額

申告書の11の金額+(11の金額×17/63)

納税地欄等、付記事項欄等の記入

さいごに、納税地欄や付記事項欄などに必要事項を記入していきます。

「納税地」欄には、本店または主たる事務所の所在地を記入します。他の事務所や事業所の所在地を管轄する税務署に申告をする場合は、その事務所などの所在地を記入した下に、括弧書きで本店等の所在地を記載します。

「付記事項」欄と「参考事項」欄は、それぞれの項目の該当する箇所に〇を記入するとともに、基準期間の課税売上高を記入します。

「1及び2の内訳」欄には、それぞれの区分が適用される課税標準額と消費税額を、該当する区分ごとに記入していきます。同じように、「17及び18の内訳」欄には、地方消費税の課税標準となる消費税額を、それぞれの区分に応じて記入します。

「還付を受けようとする金融機関等」欄には、26の納税額がマイナスとなり還付される場合に、還付を受ける金融機関名等を記入します。

付表の書き方

申告書に添付する付表は、本則課税と簡易課税で異なります。

本則課税(付表2)

本則課税では、「付表2 課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算表」を添付書類として作成します。

課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算表

基本的に上から順に計算をしていけば問題はありませんが、「課税売上額」は「税抜き」で計算することに留意しましょう。税抜きの課税売上額は、以下の計算式で求めることができます。

課税売上高(税込み)×100/108-売上対価の返還等の金額×100/108

簡易課税(付表5)

簡易課税を選択している場合は、申告書に添付する書類は「付表5 控除対象仕入税額の計算表」となります。

控除対象仕入税額の計算表

付表2と違い、こちらはそれほど複雑な計算はなく、営む事業が1種類であれば、1から5までを記入すれば作成が完了します。

消費税申告・還付申告の税理士報酬相場

消費税申告や還付申告の報酬は税理士によって異なります。

たとえば還付申告の場合は、成功報酬として還付された消費税の数十%を報酬として支払う場合もあれば、決算申告料込みで対応する税理士もいます。

相場は、消費税申告のみで約3万円~5万円となっており、事業の売上が大きいほど報酬も高くなる傾向があります。成功報酬の場合は、還付金額の約20%~30%が報酬相場となっています。

消費税は複雑な計算が多いため、消費税申告や消費税還付申告は税理士に依頼をすることが一般的です。税理士によっては、事業の規模や希望条件に合わせて報酬額を決定することもあるため、まずは一度相談をしてみることをおすすめします。

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