伊藤かずえさん、30年乗った「日産シーマ」が新品同様に レストアで税額が変わる?
税金・お金

日産の初代「シーマ」に30年以上乗り続けてきたことで知られる俳優・伊藤かずえさんのもとに12月7日、ピカピカになった愛車が戻ってきた。
伊藤さんのシーマは今年4月、「レストア」に出されており、半年以上かけて復元が施されていた。生産が終了している部品などもあったそうだが、複数企業の連携により完了したという。作業の様子は日産の特設ウェブページでも紹介されている。
古い車は自動車税や自動車重量税が高くなるが、レストアして「新品同様」になった場合はどうなるのだろうか。冨田建税理士に聞いた。
●ポイントは「環境に優しいか」
日本の自動車に関する税制は、国税である自動車重量税と、地方税である自動車税が課されます。
自動車重量税は新車新規登録や継続車検を受ける場合に課せられます。そして、燃費基準を満たす自動車であれば免税や税額軽減等の措置がなされる一方で、新車新規登録等から18年以上経過した自動車は継続車検に際し特に割高な課税がなされます。
自動車税も同様に、取得時に課せられる自動車税環境性能割と、毎年4月1日に自動車を所有する人に課せられる自動車税種別割があり、後者については環境にやさしい自動車には税負担を軽減する等の配慮がなされる一方で、環境負荷の大きい自動車には重課もなされます。
結局は、「環境にやさしい自動車か否か」が課税の軽重の基準と言えます。なお、途中で改造した自動車に関しては、課税当局の判断で扱いが変わるようです。
●今回のシーマはどうなる?
私も日産さんの特設ウェブページを拝見しましたが、今回は「シーマを新造当時同様に刷新する」のであり、環境に関して特段の配慮がなされた改造等はなさそうです。このため、昔の機構で環境への配慮は少ないとの理由で自動車重量税も割高な課税がなされ、自動車税の種別割も15%程度の重課が課されていると思われます。
我々税理士は業務に際し、税法や特例の制度趣旨を考え判断する事があります。例えば住宅ローン減税であれば住宅取得を促進させたい、青色申告税制ならば納税者主体の健全な納税の促進といったところが趣旨です。
自動車関連の税の場合は、環境への配慮促進が趣旨と読み取れます。そして、国民感情として古い車への保護欲求は強いとは言えないので、当面は古い車を保護する税制は考えられないのでは。
納税者であれば、税制に注文をつける権利はあります。個人的な意見ですが「どういう趣旨でこの税制や特例があるのか」を考えると、税制のあるべき姿や節税策が考え易くなると思います。読者の皆様もそんな視点で税制を眺めてはいかがでしょうか。
【取材協力税理士】
冨田 建 (とみた・けん)税理士・不動産鑑定士・公認会計士
43都道府県で不動産鑑定業務経験があり各媒体に寄稿も行う。令和3年8月に不動産の評価手法・相続・税務、戸建住宅の価格目線の把握法等を実例を交え一般向けに述べた著書「不動産評価のしくみがわかる本」を上梓。
事務所名 :冨田会計・不動産鑑定㈱/冨田 建 不動産鑑定士・公認会計士・税理士事務所
事務所URL:https://www.zeiri4.com/topics/