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京都市「空き家」に課税して流通促進、どんな影響がある?

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京都市「空き家」に課税して流通促進、どんな影響がある?
京都市役所(Obst / PIXTA)

京都市が、空き家や別荘などの所有者に対する新税「非居住住宅利活用促進税」の骨子案を発表した。

京都新聞やNHKによると、この新制度は、利用されていない住宅の流通を促すためのもので、資産価値の低い家屋の所有者への配慮して、固定資産評価額(家屋)が100万円未満の建物は、制度導入後5年間は対象外にするという。

課税額については、
①評価額(家屋)の0.7%
②評価額(土地)の単価に建物の床面積をかけた額の0.15%から0.6%
(固定資産評価額(家屋)が700万円未満は10.15%、700万円以上〜900未満は0.3%、900万円以上は0.6%)
を合算した額を課す。新税の導入は2026年度以降になるという。

この新制度の導入によって、空き家や別荘の活用は進むのだろうか。また、市内の一般的な住宅を想定した場合、実際の固定資産税はいくらアップすることになるのか。冨田建税理士に聞いた。

●「空き家」新税、税理士の見方

標準的な耐用年数満了後の戸建住宅であれば、建物の構造等にもよりますが京都府内の場合は22,000円/㎡程度×延床面積が固定資産税評価額ですので、特殊な場合を別として例えば100㎡なら220万円程度、45㎡強で100万円程度でしょう。

上記①の部分は、固定資産税評価額の0.7%ですので、100㎡なら15,400円/年、45㎡強で7,000円/年となりそうです。ただ、中には耐用年数満了前の空き家もあり、この場合は新しい程に固定資産税評価額も上昇するため税額も増えます。

また、②の部分は床面積が「延床面積」か「建築部分の床面積」かが報道では明確でないですが、いずれにせよ土地の価値に依拠するので、市中心部等の高額な土地ほど税額も上がります。そして、住宅は小規模住宅用地の特例があり固定資産税等は低水準ですので、新税の負担を合わせると、例えば倍程度まで上昇する場合も中にはあるのではないでしょうか。

気になったのは、②の評価額に応じた税率変動は、担税力が大きいから税率も高いということなのでしょうが、解体するしかない空き家の場合は担税力も何もないはず。ただ、仮に公共による解体が必要な場合、このような建物ほど大規模もしくは頑丈で解体の負担が大きいので税率が高い点は納得できます。

それと、京都市は財政再生団体転落の恐れがある(昨年5月の読売新聞による)との事であり、そもそも税収アップが目的ではないという説明が疑問です。筆者は全国200以上の自治体で不動産鑑定・査定をしてきた経験上、各自治体の役所の質の優劣も感じるのですが、他の都市と比較して京都市の対応は独特な点が多く、無駄な流儀や負担が極端との印象です。

個人的には冨田家の墓があるので京都の街自体には良い印象なのですが、市役所の運営や施策については増税の前に「独特な点や過剰な配慮を排除」すべきだと思っています。その上で例えば役所の大規模な人員削減や大阪市のような地下鉄民営化等、徹底的な大ナタも必要ではないでしょうか。

【取材協力税理士】
冨田 建 (とみた・けん)税理士・不動産鑑定士・公認会計士
43都道府県で不動産鑑定業務経験があり各媒体に寄稿も行う。令和3年8月に不動産の評価手法・相続・税務、戸建住宅の価格目線の把握法等を実例を交え一般向けに述べた著書「不動産評価のしくみがわかる本」を上梓。
事務所名 :冨田会計・不動産鑑定㈱/冨田 建 不動産鑑定士・公認会計士・税理士事務所
事務所URL:http://www.tomitacparea.co.jp

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