「ポイントGET」以外のメリットは?マイナ保険証を実際に登録してみた
税金・お金
マイナンバーカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」。運用は昨年10月からスタートしており、政府は2023年5月以降概ねすべての医療機関や薬局での利用開始を目指しているという。
それに先駆け、今年の6月30日からは、マイナ保険証の利用申し込みで「7,500円分のマイナポイント」が受け取れる。
せっかくポイントがもらえるなら申し込みを検討したいところだが、「ポイントがもらえる」以外で、マイナ保険証を利用するメリットはないのだろうか。
●マイナ保険証4つのメリット
マイナ保険証のメリットは、大きく下記の4つとなっている。
【1】薬や特定健診などのデータを自動連携
「マイナ保険証」を利用すると、これまで処方された薬や特定健診などのデータが、病院や薬局に自動で連携される。旅先や災害時でもこれらの情報を医療関係者と共有できるので、いざというとき安心だ。
【2】保険証の切り替え期間中も利用可能
転職などで保険証の切り替えが必要になった際も、新しい健康保険証の発行を待たずに利用できる。一時的な医療費全額負担と後日行う払い戻しの手続きが不要になる。
【3】限度額を超える医療費の支払いが免除に
入院などで窓口での支払いが高額になる場合には、高額療養費制度の事前申請が必要だ。申請が間に合わないと一時支払いを負担しなければならないが、これらの手続きなく限度額を超える支払いが免除される。
【4】確定申告で医療費データが自動入力
マイナポータルで医療費通知情報を管理できるので、1年間に医療費がいくらかかったかひと目でわかるほか、確定申告では医療費データが自動入力される。
一般的な会社員の家庭でも、医療費控除を受ける際には確定申告が必要だが、領収書の管理といった手間の大幅な削減が期待できる。
マイナ保険証の利用を開始しても、従来の健康保険証も利用できるため、これらのメリットを教授した上で、併用するという手もありではないだろうか。
そこで筆者のマイナンバーカードで、健康保険証の利用申し込みを行ってみることにした。
●手続きはわずか1〜2分程度で完了
健康保険証の利用申し込みは、パソコン、スマートフォン、セブン銀行ATMで行える。
パソコンはICカードリーダが必要になるため、筆者はスマートフォンで申し込みをすることにした。
まずは、あらかじめスマートフォンにインストールした「マイナポータル」アプリを起動し、「申し込む」をタップ。

「保険証利用登録」画面が出てきたら、マイナポータル利用規約を確認し、同意して次に進む。次の画面では、市区町村でマイナンバーを受け取ったときに自身で設定した「4桁の暗証番号(パスワード)」の入力が必要だ。

読み取り開始の画面が出てきたらマイナンバーカードを手元に用意し、スマートフォンの上部に押し当て読み取りを開始する。

読み取り完了後、次に表示される画面で、登録完了を確認したら手続きは完了だ。これからはマイナンバーカードを健康保険証として利用することができる。
●医療機関等での導入率はわずか2割。診療報酬の上乗せ負担も
以上のように、「マイナ保険証」の手続きは非常に簡単だ。
しかし実際のところ、マイナ保険証に対応している医療機関はわずか2割程度だという(※)。
さらに、もうひとつ気になるのは、2022年4月に行われた診療報酬の改定だ。
マイナ保険証の普及とあわせて、厚労省は病院・薬局等へ「オンライン資格確認」の導入を推進しているが、これにより、患者がマイナ保険証を利用する場合において、自己負担3割で初診料21円の負担上乗せが生じることとなった。
なお、この診療報酬の引き上げに関しては批判の声が殺到したため、撤廃が検討されているという。
現時点では、利用できる医療機関が限られること、そして診療報酬の上乗せという2つの問題が残っている状態だ。
ただしマイナ保険証の登録をすること自体にデメリットはないため、とりあえず登録しておいて、ポイント付与の恩恵にあずかっておいてもいいだろう。















