税金にも「謎の都市伝説」 信じるとヤバいのはどれ?
税金・お金

税金の世界にも、数々の「謎の都市伝説」があると言われています。税務署をとんでもなく怖いものだと恐れたり、「これくらい大丈夫でしょ」と自らに都合がいいように経費の解釈をしたり。どんなものがあるのか、高橋創税理士とともに見ていきたいと思います。
高橋税理士が実際に聞いたいくつかの都市伝説から、今回は次の3つを考えます。
(1)「税務署はある日突然踏み込んでくる」(2)「フリーランスは家賃や光熱費の半分は経費にできる」(3)「源泉徴収されている収入に関しては確定申告は不要」ーーです。
さて真偽はいかに。
●税務署は「悪いことしてなきゃ怖くない」
ーーまずは(1)「税務署はある日突然踏み込んでくる」ですが、いかがでしょう
「飲食店などの現金商売の場合にはレジ金の確認などを行うために予告なしでやってくることはあります。ですが、普通の税務調査は電話などで調査の予告と日程調整を行ってから実施されます。
候補日の都合が悪ければ日程の調整にも応じてくれますし、予告なしでくる場合でも、無理矢理ドアをぶち破って侵入してくるわけではありません。悪いことさえしていなければ恐れることはありませんよ」
ーーなるほど、恐ろしさという点では国税局による「査察」とは別物だということですね。では(2)「フリーランスは家賃や光熱費の半分は経費にできる」は本当ですか
「こちらは、自宅で作業をしているなどの場合、家賃や光熱費の一部を経費にできるというのは本当です。ですが、税務署から理由を聞かれた場合には『なぜその金額やその割合になったのか』という根拠が説明できなければなりません。
そこでは『なんとなくそう思ったんで〜』とか『先輩の経営者が言ってたんですよね〜』というふわっとした説明は通用しません。服装はゆるくても、根拠はしっかりしましょうね」
●確定申告すると「お金戻ってくるかも」
ーーわかりました。最後に(3)「源泉徴収されている収入に関しては確定申告は不要」はどうでしょうか
「ホストやホステスの方たちから、『所得税はお店が引いてくれているから確定申告しなくて大丈夫』といった話を実際によく聞きます。
サラリーマンやライターなどのフリーランスも同様なのですが、天引きされている所得税額はあくまでも『概算の金額』です。なので、正しい納税をするためには本当は確定申告をしなければなりません。
面倒ではありますが、確定申告をすることでお金が戻ってくることもありますので、ぜひトライしてみてください。だって、実は納め過ぎていたのにそのままでいるなんて、納税者として、お人好しすぎませんか」
【取材協力税理士】
高橋 創 (たかはし・はじめ)税理士
資格予備校講師(所得税法)、会計事務所勤務を経て、2007年に独立。
事務所名 : 高橋創税理士事務所
事務所URL: https://takahashi-hajime.jp/