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新型コロナ対策、よく似たエタノールに375円も価格差…背景にある「酒税」問題

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新型コロナ対策、よく似たエタノールに375円も価格差…背景にある「酒税」問題
健栄製薬のエタノール

中国湖北省武漢市を中心に、新型コロナウイルスによる肺炎が広がっています。日本でも感染者が確認され、厚生労働省は手洗いなどの衛生対策を呼び掛けています。警戒態勢が続く中、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスの予防に有効とされる消毒用エタノールの価格の違いがSNS上で話題になっています。同じエタノールの量で、効果も変わらないのに添加物が含まれると価格に数百円の差がつくのです。なぜでしょうか。(ライター・国分瑠衣子)

●工業用アルコールなので、「アルコール事業法」が関係

消毒用エタノールの販売で、大きなシェアを占める健栄製薬(大阪市中央区)は、手や指を消毒する「消毒用エタノール」と「消毒用エタノールIP」を販売しています。同社学術情報部の担当者は「両方ともエタノールが約80%含まれていて、殺菌効果は同じです」と説明します。しかし、消毒用エタノールは500mlの希望小売価格が1330円なのに対し、「IP」は955円と375円の差があります。一体、何が違うのでしょうか。

実は、この価格の違いは、アルコール事業法という法律が関係しています。「消毒用エタノール」と「IP」には、ビールや焼酎といったアルコール飲料に使われるものと同じエタノールが含まれています。二つの商品の原料はサトウキビです。ビールや焼酎といった飲用アルコールが酒税法によって課税されるのに対し、消毒用エタノールとIPは「工業用アルコール」に分類され、アルコール事業法が適用され、免税の対象になるのです。

●お酒への不正使用防ぐため、度数に応じて「酒税相当額」が加算

工業用アルコールは免税されますが、安価な「一般アルコール」と酒税に相当する額が加算される「特定アルコール」の二つに分類されます。特定アルコールは、薬局などで販売されている純粋エタノールや実験用のエタノールなどがあり、お酒と同じ原料が使われています。ざっくりいうと、不正にお酒に転用されないように酒税相当額が加算されているのです。

加算額はアルコール度数に応じて変わり、アルコール度数が90度の場合、1リットルにつき900円が付加されます。経済産業省製造産業局アルコール室は「仮にお酒に転用した場合は、酒税と加算額の両方がかかるためメリットはありません」と指摘します。

健栄製薬の消毒用エタノールは、お酒として飲めるサトウキビを原料にしているため、特定アルコールに分類されています。一方で「IP」は、添加物として「イソプロパノール」という消毒剤が3.7%入っているため、お酒に転用されることはありません。このため酒税相当額が加算されない一般アルコールに分類され、低価格で販売できるのです。

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健栄製薬の担当者は「IPの方が価格に優位性はありますが、添加物を敬遠する方からは消毒用エタノールが支持されています」と説明します。今は新型コロナウイルスの影響で、問い合わせが殺到しているといいます。店頭で商品を選ぶ時に迷ったら、含まれている成分を確認してみるといいかもしれません。

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