マイホームの売却損がある時に使える特例とは?

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マイホームの売却損がある時に使える特例とは?

マイホームを手放すことになったときに、購入時の価格よりも安く売却することになって損失が生じてしまうかもしれません。土地だけなら価格変動もあるかもしれませんが、建物は年々資産価値が下がっていくものがほとんどです。手放したくてもまだローンが残っているという方もいるでしょう。

このように譲渡損失が生じたときに利用できる特例があります。要件を満たした場合、給与所得などの金額から、一定の損失額を控除することができます。

そこで、このページではマイホームの売却損がある時に使える特例をまとめました。マイホームを売却する予定がある方だけでなく、将来に備えるためにも、参考にしていただければ幸いです。

目次

マイホームで売却損が生じたとき

個人が土地や建物などの不動産を売却した場合、利益が生じればその利益に対して課税されます。反対に、損失が生じればその損失の金額を他の不動産の売却から生じた利益から控除することができます。しかし、不動産を売買する機会が年に何回もある方は少ないと思います。

そこで、マイホームに関しては、特例が定められています。要件を満たすことにより、給与や事業などの所得額から、一定の損失額を差し引くことができます。損失額が大きく、その年で控除できなかった場合は、翌年以降3年間にわたり繰り越して控除することができます。

主な特例としては以下の2種類があります。どちらか一方の特例しか、適用を受けることができません。また、合計所得金額が3000万円を超える年は、繰越控除の適用が受けられません。なお、この特例を受けるためには、確定申告をする必要があります。

  • 特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
  • マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

特例を適用するための要件

上記のふたつの特例を利用する場合、それぞれ定められた要件を満たす必要があります。いずれの特例も、マイホームであることに加え、共通として以下の要件が求められます。

  • 2017年12月31日までに売却したとき
  • 売却日の属する年の1月1日において、所有期間が5年を超えるもの
  • 空家となってから3年目の年末までに売却したとき
  • 家屋を取り壊した場合は、取り壊した日の属する年の1月1日において、所有期間が5年を超えるもの
  • 家屋を取り壊した場合は、取り壊し後1年以内に譲渡契約を結び、かつ3年目の年末までに売却したとき(貸し駐車場などとしていた場合は適用外)
  • 売却先が、配偶者や親族・特殊な関係のある法人などに対するものではないこと
  • 売却した年の前年と前々年に、マイホームの特別控除・軽減税率・買換え・交換の特例の適用を受けていないこと
  • 売却した年の前年以前3年以内にマイホームの譲渡損失及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと

さらにそれぞれの特例ごとに必要な要件は以下の通りです。

「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」の要件と控除額

特定のマイホームとは、売却したマイホームにローンが残っている場合です。上記の共通の要件に加えて、以下の要件を満たす必要があります。

  • 売却したマイホームのローンが10年以上残っていること。
  • ローンの残高より売却額が安く、ローンを返済できないとき。

控除できる額は、損失額ではなく、以下のように算出します。

控除額=住宅ローンの残高-マイホームの売却額

「マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」の要件と控除額

旧居を売却し、新居を住宅ローンを使って購入した場合です。上記の共通の要件に加えて、以下の要件を満たす必要があります。

新居に関して

  • 返済期間が10年以上の住宅ローンで購入すること(新居を購入した年の年末から起算します)
  • 売却した年の前年から翌年までの3年の間にマイホームを購入し、一定期限までに居住すること
  • 床面積が50平方メートル以上あること

注意点

  • 土地の面積が500平方メートルを超える場合は、売却した年のみ全額控除の対象となります。繰越控除は500平方メートル分にのみ適用することができます。
  • 繰越控除を利用する年は、その年の年末において、住宅ローンが10年以上残っている必要があります。

買換えた場合の控除額は、損失額分となるため、以下のように算出します。

控除額=取得費+譲渡費用-売却価額

「住宅ローン控除」との併用でさらに節税できる場合も!

どちらの特例も、住宅ローン控除と併用することができます。

今まで所得が1000万円を超えていて、配偶者特別控除の適用が受けられなかった人も、特例を使用した後の合計所得金額が1000万円以下になれば、適用が受けられることもあります。

特例を使用した後の合計所得金額が76万円未満になった場合、配偶者に所得があれば配偶者控除や配偶者特別控除の対象になることができます。

特例を使用した後の合計所得金額が38万円以下になった場合、親や子に所得があれば扶養親族になることができます。

おわりに

ローンが残っていても10年以上なら、特例により控除ができます。生活状況の変化などで住換えを考えている方は、控除額を頭に入れて具体的に検討してはいかがでしょうか。

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