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iPhoneでマイナンバーカード読み取り可能に…「無名の大器」マイナポータルはメジャーになる?

iPhoneでマイナンバーカード読み取り可能に…「無名の大器」マイナポータルはメジャーになる?
iPhone

アップルは6月上旬、開発者会議WWDC2019で、今秋公開する新OS「iOS13」から、マイナンバーカードが採用する無線通信規格を含む、NFCやFeliCaなどの読み書きに対応すると発表しました。日本経済新聞が報じました。

今回の対応により、専用アプリをダウンロードすれば、iPhoneで、マイナンバーカードを利用するオンラインシステム「マイナポータル」の使用が可能になります。

マイナポータルは、保育園の入園申し込みや児童手当の申請といった子育てに関するものや、ワンストップの確定申告など、様々な行政サービスが利用できることに加え、他社のサービスと連携する「API」機能で、民間企業が提供するウェブサービスにもつながるようになります。

将来的には、住宅ローンや保険の申し込みができたり、育児関連では予防接種アプリを利用し、子どもの接種履歴を確認することもでき、生活の利便性を劇的に向上させるにもかかわらず、ほとんど知られることなく、「無名の大器」のような状態です。背景には何があるのでしょうか。(ライター・国分瑠衣子)

●高い実用性、面倒な年末調整もラクに

マイナポータルは、2017年から運用が始まりました。マイナンバーカードを申請することが前提で、使い方はICチップをスマートフォンで読み取り、マイナポータルのサイトへアクセスします。パスワードを入力してログインすると、行政機関が保有する個人情報を閲覧できる「自己情報表示」など複数の項目が表示されます。

このうち行政サービスでは、児童手当の申請や保育園の利用申し込みといった子育て関連のサービスが利用できるなど、先ほど説明したような、様々なメリットがあります。

メインの一つともいえる税務申告ではどのような利便性があるのでしょうか。まず、年末調整でマイナポータルを利用できるようになります。年末調整で控除申請が必要な、生命保険料などの情報をマイナポータルを通じて受け取り、自分が勤める会社にデータで送るため、個人や会社の書類作成などの負担が減ります。

法人が設立しやすくなることも期待されます。これまで国税関連の手続きは「(e-Tax)イータックス」や社会保険に関する手続き「(e-Gov)イーガバメント」などばらばらの手続きが必要でしたが、これからはマイナポータルに一元化されます。2019年度に法人を設立し、登記した後の手続きをワンストップ化し、2020年度には登記を含めた全ての手続きを一元化します。

マイナポータル

●そもそもマイナンバーカードの普及率がたったの13%

では、なぜここまで可能性があるにも関わらず、ものすごくマイナーな存在なのでしょうか。一つには、使いにくさがあります。パソコンでもアクセスできますが、カード読み取り機を用意する必要があるのです。

さらに大きな問題として、マイナンバーカードの全国の普及率は4月現在、13%とかなり低い水準にあることが挙げられます。また、マイナポータルで電子申請する体制を整えるかどうかは、各自治体の判断に委ねられていて、自治体間でサービスにばらつきがあります。

3月末現在、全国909市区町村で電子申請ができますが、児童手当や母子保健など15種類の手続きのうち、どれか一つでもサービスを行っているとカウントされるという集計方法のため、必ずしも全てのサービスが利用できるわけではありません。

マイナンバーを所管する内閣府も「自治体によって温度差があるのは事実です」と認めます。担当者は「ICTに熱心なトップや職員がいる自治体と、そうではないところでは取り組みに差が出てしまう。システム改修に費用がかかることなども普及しない理由では」と説明します。

都道府県別に見ると、25都道府県でマイナポータルに対応する自治体が半分に達しない状況です。最も普及率が低い福島県は59自治体のうち、サービスを提供しているのはわずか4自治体で、普及率は6.8%です。
福島県の担当者は低調な理由として「マイナンバーカード自体が普及していない状態で、サービスを始めても実際どれぐらい利用されるのか、足踏みをしている自治体も多いのではないか」と話します。ちなみに福島県のマイナンバー普及率は11.3%です。

一方で、積極的に電子申請を進める自治体もあります。新潟県三条市は、国が指定するサービスの他にも市が主催するマラソン大会の申し込みや、学童クラブの入会・退会申請などコンテンツが充実しています。2018年度に最も利用が多かったサービスは、健診の申し込みで1050件、マラソン大会の申し込みも758件ありました。

●危機感抱いた国、マイナンバーカードを保険証として使えるように

宝の持ち腐れになっている今の状況に危機感を持った国は、あの手この手で改革を進めています。5月には行政手続きを電子申請に原則統一するデジタル手続き法が成立しました。マイナンバーを広げるため、2022年度中にほぼ全ての医療機関でマイナンバーカードを健康保険証として使えるようにもなり、医療費控除の申請も簡単にできるようになります。

また、マイナポータルで住民票の移転手続きの準備をすると、その情報を基に電気、ガス、水道の契約変更も一括でできるようになります。

さらに、内閣府が「マイナポータルの利用が増える、大きな弾みになる」と期待するのが、今回発表された、iPhoneで使えるようになることです。「今まで消極的だった自治体も、普及に本腰を入れてくれるのでは」(内閣府)。政府は、iPhoneに対応するアプリの開発を進めていますが、使えるようになるには半年から1年はかかる見込みです。

ただ、やはりネックになるのが、マイナンバーカード自体の普及です。「デジタル経済と税」(日本経済新聞出版社)などの著書があり、早くからAPI連携などマイナポータルの活用を提唱する、東京財団政策研究所の森信茂樹研究主幹は、普及が進まない理由を「自治体の対応に加え、国民にマイナンバーカードのICチップの情報を使うということが知られておらず、『個人番号が流出するのでは』と過度に情報漏洩を恐れている向きがある。国の説明不足も一因」と指摘します。

これまで、ほとんど使われることのなかったマイナポータル。iPhoneの対応を機に、巻き返しは実現するのでしょうか。

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