大塚久美子社長、就任5回目の営業赤字、純資産は最少…株主総会が大荒れの可能性
経理・決算

経営再建中の大塚家具(大塚久美子社長)の株主総会が3月31日、開かれる。久美子氏は続投し、取締役7人のうち5人を入れ替える議案が出される。業務提携を結んだハイラインズ(日中の越境ECを手がける)の陳海波社長も、新たな取締役として加わるという内容だ。
直近の通期決算も振るわず、3期連続の最終赤字となったことで経営責任を問う声は続出している。にもかかわらず、久美子氏は「スピードを上げて早く会社を良くすることに責任がある」(3月4日の会見)と、あくまで社長の座は手放さない構えだ。
実際、久美子氏のもとで出した直近の決算上の数値は、大塚家具の歴史のなかでどれほどのものなのか。それとも、意外と悪くないのかーー。株主総会を前に振り返ってみたい。
●純資産、1993年以降で最少に
大塚家具が公表している1993年以降の数値をもとに見ていく。
まずは売上高から。2018年12月期は373億円だった。400億円を割り込んだのは、1996年以来22年ぶり。特にここ3年は右肩下がりの事態となっている。
次に本業のもうけを示す営業損益だ。2018年12月期は51億円の赤字となったが、営業損益が赤字になるのは、7回目。このうち久美子氏が社長だったときが5回(2009年、2010年、2016年、2017年、2018年)、父で創業者の勝久氏が社長だったときで2回(1993年、2014年)ある。
純損益はどうか。2018年12月期は32億円の赤字で、純損益が赤字になるのは6回目。1回(2008年)を除き、残り5回(2009年、2010年、2016年、2017年、2018年)は久美子氏が社長のときのことだ。
なお、久美子氏は2009年3月〜2014年6月と2015年1月から現在にいたるまで社長を務めている。
また、2018年12月期の純資産は127億円だった。これは1993年(144億円)以降でもっとも少ない額だ。2年前は260億円だったのが、前年は176億円でここからさらに減ったことになる。100億円割れが目前に迫っている。
●株価は300円割れも
久美子氏は、家具業界をとりまく環境の厳しさが、業績不振の要因のひとつだと説明している。確かに抗いようがない部分もあるのかもしれない。事実、勝久氏が社長だったときも、すべて黒字だったわけではない。
とはいえ、投資家の目は厳しい。
資本増強を発表したにもかかわらず、株価は低空飛行が続く。勝久氏と経営方針をめぐり対立し、株主総会の委任状争奪戦を繰り広げた2015年3月には一時、2488円をつけたが、その後は徐々に下落基調に。直近では、300円を挟んで行ったり来たりしている。
●久美子氏は「適切な人材」か
大塚家具は今回の株主総会の招集通知で、久美子氏を取締役候補者として再任させる理由について、次のように株主に説明している。
「当社代表取締役社長就任以後、当社グループの企業価値向上に向けて強いリーダーシップを発揮しております。家具販売事業に関する深い知識・経験を有しており、当社グループの企業価値向上と持続的な成長のために適切な人材と判断し、引き続き選任をお願いするものであります」
株主総会で波乱は起きるだろうか。「週刊文春」が、久美子氏が新たに社外取締役に指名した陳海波氏について、国の助成金を不正受給していたと報じるなど周囲は大揺れの状況だ。
久美子氏は「企業価値向上と持続的な成長のために適切な人材」なのかどうかーー。自らの口でどんな説明をするのか、株主は注目している。