鷲見アナ、彼氏の条件は「年収700万円」、1000万円プレイヤーと税金はどう違う?
所得税

フリーアナウンサーの鷲見玲奈さん(30)が、テレビ朝日系「ロンドンハーツ」(2月16日放送)で、自身のテレビ東京時代の年収が700万円だったと明かし、話題になった。
番組で、理想の恋愛相手について、「テレ東時代のお給料より高い人がいいです」と語り、金額を突っ込まれると、「700ぐらい」と明らかにした。
年収1000万円プレイヤーはよく話題になるが、700万円は高級取りかどうかで、SNS上は話題になった。
年収1000万円プレイヤーと700万円プレイヤーとで、税金はどう違ってくるのか。三宅伸税理士に聞いた。
●社会保険料や住民税の割合に大きな差はない
「30歳〜34歳女性でのうち年収が700万円を超える人の割合は0.3%(男性0.6%)、 1000万円を超える人の割合は0.1%(男性0.2%)です。(「厚生労働省令和元年賃金構造基本統計調査」より)
この結果からも年収700万円の人は同世代からみれば高給取りと言えるでしょう。ただ、年収700万円の人が額面700万円を自由に全部使えるわけではなく、額面金額から社会保険料、所得税や住民税等を控除した後の金額が手取り額です」
どのくらい控除されるのか。
「社会保険料として額面金額の約14%(年収700万円の人で協会健保加入の場合約102万円、1000万円の人は約123万円)が控除されます。
住民税は課税所得金額(額面金額から社会保険料や給与所得控除額等を控除した後の税率を適用する対象となる金額)の10%(年収700万円の人は約37万円、1000万円の人は約63万円)が給与から天引きされています。
社会保険料や住民税は収入や所得によってその割合に大きな差はありません」
●所得税で差が出る
では、どこで大きな差が出るのか。
「所得税ですね。所得が高くなれば負担割合が大きくなります。大きな要因は2つあり、1つは給与所得控除額です。これは『計算上の所得金額』を減らす措置ですが収入の高い人ほど差引くことができる割合が下がります。
もう1つは超過累進税率制度です。所得税の税率は、所得が多くなるに従って段階的に高くなり、納税者がその支払能力に応じて公平に税を負担するしくみとなっています。
具体的には
年収700万円の場合、課税所得金額は約370万円(額面金額の52.8%)、年収1000万円の場合は633万円(額面金額の63.3%)で1000万円の人の方が高い割合になっています(逆進的)。
年収700万円の人の所得税額の計算(課税所得370万円)は以下の通りです。
① 税率5%部分:195万円×0.05=9万7,500円
② 税率10%部分:135万円×0.1=13万5,000円
③ 税率20%部分: 40万円×0.2= 8万円
所得税額①+②+③=31万2,500円
超過累進税率は、課税される所得金額370万円全部に20%の税率が適用されるのではなく、段階的に超過した部分にのみ高い税率がかけられる仕組みです。
年収1000万円(所得金額633万円)の人も同様に計算すると所得税額は83万9,600円です。
●年収700万円の手取りは529万円、年収1000万円なら727万円
結局、両者の手取り額はいくらになるのか。
「年収700万円の独身サラリーマンの手取り額は約529万円(額面金額の75.6%)、年収1000万円の独身サラリーマンは約727万円(額面金額の72.7%)の手取り額です。
これらのことからわかるように日本の税制では、収入が上がれば額面金額に対する手取り額の割合は下がることになります。
これは日本の所得税が所得再分配機能においても重要な役割を担っているためです」
【取材協力税理士】
三宅 伸(みやけ・しん)税理士
大学卒業後、大手リース会社に勤務。結婚・出産・パートナーの海外赴任のため一時専業主婦に。帰国後会計事務所に勤務。税理士資格取得後、堂島で独立開業。開業当初からマネーフォワードクラウド会計、チャットワーク等を使いストレスフリーなバックオフィスを構築している。
事務所名 :三宅伸税理士事務所
事務所URL:http://miyake-tax.jp